中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
経営情報システム 問25

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 平成28年度(2016年) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

当社は製造に必要なある共通部品を3社から仕入れている。手元にある各社の在庫部品からいくつかを抜き出して、それぞれの重量を計った(下表参照)。在庫部品の平均重量が仕入元によって異なるかどうかを知りたい。
その方法に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
問題文の画像
  • 3社のデータについての比較なので、多元配置の分散分析を利用する。
  • 3社のデータについての比較なので、分散分析では群間の自由度は2になる。
  • 5%の有意水準で2社間の平均値の差のt検定を3回繰り返して、いずれも有意差が出ないならば、5%水準で差がないといえる。
  • 平均値の差のt検定を任意の2社間で繰り返すと、検定の多重性による第二種の過誤が大きくなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

1.「多元配置の分散分析を利用」という記述が誤りとなります。因子は各部品の重量1つのみのため、「一元配置分散分析」の利用が適当です。

2.正しい記述となります。群間の自由度は、全ての群の個数から1を引いたものになります。ここでは、群の個数は3社となるため、群間の自由度は2となります。

3.「いずれも有意差が出ないならば、5%水準で差がないといえる」という記述が誤りとなります。2群間におけるt検定を繰り返す際、設問データ間で差が出る確率を5%とした時、少なくとも一つの組み合わせに差が出る確率は1 - (1 - 0.05) * (1 - 0.05) * (1 - 0.05)で0.1426となります。つまり、2群間において有意差が出ないとしても、t検定を繰り返した後の水準は5%水準で差がないとは限らなくなります。

4.「第二種の過誤が大きくなる」の記述が誤りとなります。検定の多重性は検定結果が有意となる確率が増大する問題であるため、正しくは「第一種の過誤が大きくなる」となります。

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02

分散分析、t検定に関する問題です。例年1~2問出題される領域ですが、多くの受験生にとって難問であり、この領域を得点源とすることは期待できません。したがって、予習においても必要最低限の時間を割く程度で良いと思います。

本試験においても、他の頻出領域で手堅く正解を積み重ねることが重要であり、この領域は後回しで構いません。

選択肢1. 3社のデータについての比較なので、多元配置の分散分析を利用する。

「3社のデータについての比較」という記述から正答と考えてしまいがちですが、「在庫部品の平均重量が仕入元によって異なるかどうかを知りたい」とあり、在庫部品の平均重量が異なり得る因子は仕入元のみであるため一元配置の分散分析を利用します。

在庫部品の平均重量が異なる因子が仕入元以外にも複数ある場合には、多元配置となります。

選択肢2. 3社のデータについての比較なので、分散分析では群間の自由度は2になる。

正解の選択肢となります。

選択肢3. 5%の有意水準で2社間の平均値の差のt検定を3回繰り返して、いずれも有意差が出ないならば、5%水準で差がないといえる。

5%の有意水準で2社間の平均値の差のt検定を3回繰り返して、いずれも有意差が出ないならば、5%水準で差がないとはいえません

検定を繰り返すと有意水準が厳しくなり、1回のみの検定よりも有意差が出る可能性が高まります。つまり、第一種の過誤が大きくなってしまいます。

選択肢4. 平均値の差のt検定を任意の2社間で繰り返すと、検定の多重性による第二種の過誤が大きくなる。

平均値の差のt検定を任意の2社間で繰り返すと、検定の多重性による第一種の過誤が大きくなります。

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