中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
中小企業経営・中小企業政策 問11

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 平成28年度(2016年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

生産年齢人口の減少や高齢化が進展する中、わが国経済の潜在的労働力として女性に注目が集まっており、女性が活躍できる環境づくりの必要性が高まっている。総務省「平成24年就業構造基本調査」に基づき、男女別・年齢別就業率を見た場合、女性の就業率の特徴としてM字カーブの存在が指摘され、その解消が女性の活躍を促進する際の一つの目標とされている。
また、従業員規模別に雇用者の性別や年齢を見た場合、女性の従業員の割合は規模の小さな企業ほど( A )傾向にあり、高齢者の雇用の割合は規模の小さな企業ほど( B )傾向にある。物的な経営資源の乏しい中小企業にとり人材は最大の経営資源といえるが、雇用をめぐる環境が変化する中で、多様な雇用の担い手としての役割も期待されている。

文中の下線部に関する説明として、最も適切なものはどれか。
  • 20代前半の女性就業率が男性就業率に比べ低いこと。
  • 20代後半から30代にかけての女性就業率が低下すること。
  • 30代後半から40代にかけての女性就業率が低下すること。
  • 40代後半から50代にかけての女性就業率が低下すること。
  • 50代の女性就業率が男性就業率に比べ低いこと。

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この過去問の解説 (2件)

01

女性の就業率の特徴の一つのM字カーブについての出題です。

2015年中小企業白書のコラム2-2-1に女性の就業率について書かれています。

M字カーブとは、20代前半は男性と就業率はほとんど一致しているのに、20代後半から30代前半にかけて就業率は低下して、40代から再び上昇を始める様子がグラフに表すとM字になることからそう呼ばれています。

その要因は女性のライフステージの変化によるものと分析されています。

20代後半から30代前半にかけての就業率の低下は、出産や育児、結婚による退職で発生しています。

育児がひと段落した年代から再び就業率が伸びるため、就業率はM字の推移を辿っています。

上記をふまえて各選択肢を見ると正しい選択肢は、20代後半から30代にかけての女性就業率が低下すること。 と言うことになります。

選択肢1. 20代前半の女性就業率が男性就業率に比べ低いこと。
  • 20代前半の就業率は男性と一致しているため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. 20代後半から30代にかけての女性就業率が低下すること。

本選択肢が正解です。

選択肢3. 30代後半から40代にかけての女性就業率が低下すること。
  • 30代後半から40代にかけての就業率は上昇しているため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. 40代後半から50代にかけての女性就業率が低下すること。
  • 40代後半から50代にかけての就業率も上昇しているため、本選択肢は不正解です。

選択肢5. 50代の女性就業率が男性就業率に比べ低いこと。
  • 20代前半以外の全年代で男性よりも就業率は低く50代に限った特徴ではないため、本選択肢は不正解です。

まとめ

出題当時は綺麗なM字カーブとなっていましたが、近年では女性のライフスタイルが変化し、リモートワークなど多様な働き方が実現できている今日では、当時とは事情が異なってきている点に注意が必要です。

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02

M字カーブとは、縦軸に女性の労働力率、横軸に年齢をとる図において描かれる年齢別の労働力率の傾向を表したものになります。一般に、女性の労働力率は結婚・出産期にあたる20代後半から30代にかけて低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するため、M字のような形状をとるとされています。

したがって、正答は2となります。

しかし近年は、結婚・出産期の労働力率の低下率が下がってきており、いわゆるM字の谷が浅くなってきていることに留意しておく必要があります。

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