中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
企業経営理論 問30
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成29年度(2017年) 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
高性能オーディオ製品を生産しているメーカーA社は、B地区にそれぞれ店舗を構える小売業のX社とY社に卸売を行っている。かつてはX社とY社の小売店舗はともに、丁寧な対面販売と手厚いサービスを重視していた。ここ数年の間、X社が従来の方向性を強化する一方、Y社は販売員を減らし、店舗への投資を削減して販管費を節約し、それを低価格に反映させるディスカウント戦略をとるようになっていた。その結果、多くの消費者がX社の店舗で情報探索し、Y社の店舗で実際の商品の購買を行うという傾向が顕著化した。X社はY社の行動の影響による売上不振を打開するため、自らもY社と同様の戦略をとるようになっていった。
文中の下線部に示すX社およびY社の行動がメーカーA社にもたらすであろう結果として、最も適切なものはどれか。
高性能オーディオ製品を生産しているメーカーA社は、B地区にそれぞれ店舗を構える小売業のX社とY社に卸売を行っている。かつてはX社とY社の小売店舗はともに、丁寧な対面販売と手厚いサービスを重視していた。ここ数年の間、X社が従来の方向性を強化する一方、Y社は販売員を減らし、店舗への投資を削減して販管費を節約し、それを低価格に反映させるディスカウント戦略をとるようになっていた。その結果、多くの消費者がX社の店舗で情報探索し、Y社の店舗で実際の商品の購買を行うという傾向が顕著化した。X社はY社の行動の影響による売上不振を打開するため、自らもY社と同様の戦略をとるようになっていった。
文中の下線部に示すX社およびY社の行動がメーカーA社にもたらすであろう結果として、最も適切なものはどれか。
- A社はX社とY社に対して、自らの製品の小売段階における価格を設定し、それを厳守することを両社に約束させた。
- X、Y両社による価格競争の結果、A社の製品は高い市場シェアを実現するとともに、ブランドの強化を図ることができた。
- X社とY社が同じ商圏の中で価格競争を通じて顧客の奪い合いを行うようになったため、A社は両社に対する卸売価格の引き上げに成功した。
- X社とY社が価格競争を展開することによって、A社が長年をかけて築いてきたブランドイメージが毀損された。
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この過去問の解説 (2件)
01
価格競争とブランドイメージに関する問題です。
各選択肢については、以下の通りです。
1→このような約束は独占禁止法に抵触する可能性があり、最も適切な選択肢ではありません。
2→価格競争の結果、市場シェアは実現できる可能性がありますが、低価格のイメージとなりブランドの強化は難しくなります。
3→X社、Y社ともに低価格競争をしているので、卸売価格を引き上げるのは困難です。最も適切な選択肢ではありません。
4→適切です。価格競争により低価格のイメージとなり、ブランドイメージが毀損されてしまいます。
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02
【基礎知識】
正解は「X社とY社が価格競争を展開することによって、A社が長年をかけて築いてきたブランドイメージが毀損された。」です。
X社もY社同様、低価格戦略に変更していくと、価格競争が起き、A社の製品はより安く販売されることになります。
X社、Y社→利益を確保するために、コスト削減を行い、卸売価格についても引き下げを求めてくるようになります。
A社→高性能というブランドイメージが低価格化によって毀損していく
といったことが起きることが想定されます。
誤り。
卸売業が小売業の販売価格を規制することは再販売価格の拘束と言って禁止されていることになります。
誤り。
結局同じ市場を食い合うだけであり、低価格になった分少しはシェアは伸びるかもしれませんが限定的です。またブランド力は価格低下で毀損していきます。
誤り。
卸売価格の引き下げ圧力が高まることが想定されます。
正しい。記載の通り。
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