中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
企業経営理論 問35
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成29年度(2017年) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
長年にわたり、羽毛布団の製造小売を行ってきたY社は、近年、拡大を続ける全国チェーンのインテリア専門店に羽毛布団の顧客を奪われてしまったため、新社長のP氏は羽毛を原材料とした新製品の開発を通じて、新たな顧客を創造するという構想を練り始めている。所有する生産設備もうまく活用する形での新製品開発に向け、P氏は中小企業診断士であるQ氏から基本的な製品開発のプロセスについてアドバイスを受けている。
その結果、いくつかのコンセプト案がリストアップされた。ここから一年間を費やしてそれらからいくつかの製品を市場投入段階まで到達させることを念頭に置いて、P氏はそのための準備に取り組んでいる。P氏は、まず市場動向を把握し、競合となりうる製品・企業を特定するための作業に着手している。
文中の下線部に関する記述として、最も適切なものはどれか。
長年にわたり、羽毛布団の製造小売を行ってきたY社は、近年、拡大を続ける全国チェーンのインテリア専門店に羽毛布団の顧客を奪われてしまったため、新社長のP氏は羽毛を原材料とした新製品の開発を通じて、新たな顧客を創造するという構想を練り始めている。所有する生産設備もうまく活用する形での新製品開発に向け、P氏は中小企業診断士であるQ氏から基本的な製品開発のプロセスについてアドバイスを受けている。
その結果、いくつかのコンセプト案がリストアップされた。ここから一年間を費やしてそれらからいくつかの製品を市場投入段階まで到達させることを念頭に置いて、P氏はそのための準備に取り組んでいる。P氏は、まず市場動向を把握し、競合となりうる製品・企業を特定するための作業に着手している。
文中の下線部に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- PEST分析は、組織の外部環境を捉えるための方法である。これは、政治的環境、企業文化的環境、社会的環境、技術的環境という4つの側面から外部環境を把握することを支援する。
- SWOT分析は、組織の内部環境の把握に限定した方法であるが、自社の強みと弱み、機会と脅威のそれぞれを構成する要素を整理するために有用である。
- 相対的市場シェアとは、最大の競争相手の市場シェアで自社の市場シェアを割る(除する)ことで算出される数値である。この値が50%を超えていれば、自社はその市場のリーダー企業である。
- 有効市場とは、ある製品・サービスに対する十分な関心をもち、購買に必要な水準の収入を有しており、かつその製品・サービスにアクセスすることができる消費者の集合のことである。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
市場動向と競合の特定に関する問題です。
各選択肢については、以下の通りです。
1→PEST分析のうち、Eはeconomical(経済的)であり、問題の「企業文化的環境」とは異なります。
2→SWOT分析は「企業の現状」を分析するもので、組織の内部環境の把握をするものではありません。
3→相対的市場シェアは、問題の通り最大の競争相手の市場シェアで自社の市場シェアを除することで計算されます。そして100%を超えていれば、自社は最大の競争相手のシェアより大きいです。
4→適切です。市場には5つの定義があり「潜在市場」「有効市場」「適格有効市場」「対象市場」「浸透市場」があります。
参考になった数14
この解説の修正を提案する
02
【基礎知識】
正解は「有効市場とは、ある製品・サービスに対する十分な関心をもち、購買に必要な水準の収入を有しており、かつその製品・サービスにアクセスすることができる消費者の集合のことである。」です。
市場動向を把握するための語句知識の問題です。特に2のSWOT分析は二次試験でもフルに活用しますし、実際の診断でも多用しますので、使い方も含めて確認する必要があります。
〇主な分析手法:下に行くほどスコープ(分析する対象)が小さくなっていきます。
・PEST分析:4つの観点からマクロ(巨大視点)環境を分析します。自社があまり操作できる要素ではありま
せん。
① Politics:政治的要因
② Economy:経済的要因
③ Society:社会的要因
④ Technology;技術的要因
・3C分析:3つの要因から成功要因を分析します。
① 「市場・顧客」:市場規模や成長率、顧客ニーズを分析
② 「競合」:競合他社の強みを分析
③ 「自社」:自社の強みを分析
・SWOT分析:企業から見た内部環境と外部環境をプラスとマイナス要素から分析します。特に内部環境である
強み、弱みを外部環境である、機会、脅威とクロスに分析し、自社の勝ち筋を検討します。
① Strength:強み
② Weakness:弱み
③ Opportunity:機会
④ Threat:脅威
例えば安い労働力を集め、労働集約で事務作業等をこなすノウハウを強みとして保有する企業があったとします。一方で機会として、世の中の事務作業アウトソースの流れがあれば、当然当事業を強化していく判断になります。ただ、脅威としてAIの台頭など、安い労働力がさらに置き換わるようなものがあれば、戦略の再構築が必要となります。
このようにSWOT分析はいい点も悪い点も総合的に勘案することができます。
・5F(ファイブフォース)分析:5つの競争要因から業界内の構造を分析します。ポーターの競争戦略論です。
① 業界内の競合他社
② 買い手の交渉力
③ 売り手の交渉力
④ 代替品の脅威
⑤ 新規参入の脅威
・4P分析:マーケティング施策の企画・立案を以下の4つの視点から分析します。
① Product(自社の商品やサービス):どのような価値を市場に提供するか
② Price(価格):いくらで提供するのか
③ Place(販売場所・提供方法):どこで提供するのか
④ Promotion(販促活動):どのように販促するか
誤り。
PEST分析では企業文化的環境は分析しません。
誤り。
内部環境だけでなく、外部環境も併せてクロス分析を行います。
誤り。
自社シェア÷最大競合相手シェア=50%以上であれば、相手の半分以上のシェアになります。100%以上になります。
正しい。記載の通りです。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
前の問題(問34)へ
平成29年度(2017年)問題一覧
次の問題(問36)へ