中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
企業経営理論 問40

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成29年度(2017年) 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

他者や他者集団が消費者行動に与える影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 準拠集団とは、消費者の態度や行動の形成に影響を与える所属集団のことである。
  • 消費者間ネットワークを用いて広くマーケティング情報を伝えたいと考えるとき、消費者間の弱いつながりが重要な役割を果たす。
  • 他者の購買に影響を与えるオピニオンリーダーは、新製品をいち早く購入するイノベーターと呼ばれる人々であることが多い。
  • 人の目に触れる場で使用される製品より、人の目に触れない場で使用される製品の方が、ブランド選択における他者集団の影響が大きい。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

他者や他者集団が消費者行動に与える影響に関する問題です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→「準拠集団」とは消費者の態度や行動の形成に影響を与える集団のことで、所属集団だけでなく、「(芸能グループなど)所属したいと思っている期待集団」「所属したくないと思っている拒否集団」などもあります。

2→適切です。「強いつながり」とは従来の顔見知り・知り合いなどのつながりをいいます。これに対し「弱いつながり」はSNS等でつながった面識のない者同士を含むつながりをいいます。そして消費者間ネットワークを用いて広くマーケティング情報を伝えるには消費者間の弱いつながりが重要な役割を果たします。

3→消費者は新製品を購入する時期によって5つに分類できます。

「イノベーター(革新者)」真っ先に購入する消費者。マニアのようなイメージです。

「早期採用者」早い段階で購入する消費者。他の人に影響を与えるオピニオンリーダーはこの中に含まれます。

「前期多数採用者」少し購買に慎重な消費者です。

「後期多数採用者」購入に疑問をもつ消費者です。

「採用遅滞者」。

4→ブランド選択で他者集団、つまり上記の準拠集団の影響が大きいと言えます。この場合は人の目に触れる場所で使用される商品のほうが影響を受けやすいです。

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02

【基礎知識】

正解は「消費者間ネットワークを用いて広くマーケティング情報を伝えたいと考えるとき、消費者間の弱いつながりが重要な役割を果たす。」です。よく選択肢を読めば消去法で回答が選択できると思います。

コトラーによると消費者の購買決定の要因は以下の4つに分かれます。

① 文化的要因:消費者を取り巻く文化、社会階層、国籍、宗教など。イスラム教徒は牛を食べないなどは典型的な例です。

② 社会的要因:準拠集団や家族のことです。準拠集団とは、消費者の消費に影響を与える集団のことで、友人、家族などが主な例です。準拠集団には、所属しているものもあれば、憧れている準拠集団(尊敬する経営者など)や、購買をマネしたくない準拠集団などもあります。

③ 個人的要因:ライフステージや年齢、職業など。子供が生まれてワゴン車に乗り換えるなどです。

④ 心理的要因:過去の購買経験、信条など自身の内部から生じる要因です。

近年では、特に社会的要因のところでの影響が大きくなってきています。

特にSNSなどの発達により、緩やかに消費者間のネットワークが構築され、いわゆる「バズる」といった現象が起きます。これまでのように友人、家族などの強いつながりだけでなく、緩やかにネットでつながることで情報が迅速に広がっていきます。

あと、新製品などの新たな技術やイノベーションを導入後、普及していく過程についてです。

大きく5つのタイプの消費者が購買していくことで普及していくといわれています。

① 革新者(イノベーター) 好奇心の塊。リスク許容度も高い。2.5%ぐらいいると言われる。

② 初期採用者 いわゆるオピニオンリーダーと呼ばれる人が所属する層。13.5%ぐらいいると言われる。

③ 前期大衆層 少し早く反応する消費者層。34%ぐらいいる。

④ 後期大衆層 平均よりやや遅れて購入する層。34%ぐらいいる。

⑤ 採用遅滞者 保守的、拒絶的な層。16%ぐらいいる。

マーケティングとしては、いかにして、①や②の層に火をつけるかがポイントとなります。

選択肢1. 準拠集団とは、消費者の態度や行動の形成に影響を与える所属集団のことである。

誤り。

準拠集団は所属したくないもの、憧れている集団もあり、必ずしも所属しているとは限らない。

選択肢2. 消費者間ネットワークを用いて広くマーケティング情報を伝えたいと考えるとき、消費者間の弱いつながりが重要な役割を果たす。

正しい。

SNSなどは緩やかがゆえに情報が素早く広がる。

選択肢3. 他者の購買に影響を与えるオピニオンリーダーは、新製品をいち早く購入するイノベーターと呼ばれる人々であることが多い。

誤り。

オピニオンリーダーはイノベーターの後に購入する初期採用者の層。

選択肢4. 人の目に触れる場で使用される製品より、人の目に触れない場で使用される製品の方が、ブランド選択における他者集団の影響が大きい。

誤り。

人の目に触れないものでないと、わざわざブランドを買いませんよね。下着、部屋着は私はユニクロメインです。

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