中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問5

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

下記の財政に関わる支出の中で、GDPに含まれるものの組み合わせとして、最も適切なものを下記から選べ。

a  移転支出
b  公的資本形成
c  財政投融資
d  政府最終消費支出
  • a と c
  • a と d
  • b と c
  • b と d

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この過去問の解説 (2件)

01

GDPについての問題です。

各選択肢をそれぞれ解説していきます。

a: 移転支出とは、生産に直接寄与せずに、個人が政府や企業から受け取る所得のことです。

具体的な例を挙げると、失業保険給金や恩給、年金などです。

上記のものは、政府や企業の所得が個人の所得に振り替えられただけのため、GDPには含まれません。そのため本選択肢は誤っています。

b: 支出面から見たGDPは以下の式で求めることができます。

支出面から見たGDP = 民間最終消費支出 + 国内総固定資本形成 + 在庫品増加 + 政府最終消費支出 + 経常海外余剰

公的資本形成は国内総固定資本形成に含まれるため、GDPに含まれる項目です。

そのため本選択肢は正しいです。

c: 財政投融資とは、国債の一種である財投債の発行などによって資金を財源として、民間では実施することが困難な大規模・長期間のプロジェクトを可能とするための投資活動のことです。

投資はGDPには含まれないため、本選択肢は誤っています。

d: 支出面から見たGDPは以下の式で求めることができます。

支出面から見たGDP = 民間最終消費支出 + 国内総固定資本形成 + 在庫品増加 + 政府最終消費支出 + 経常海外余剰

政府最終消費支出はGDPに含まれる項目です。

そのため本選択肢は正しいです。

正しい選択肢の組み合わせは bとd です。

選択肢1. a と c
  • aもcも誤っているため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. a と d
  • aが誤っているため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. b と c
  • cが誤っているため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. b と d
  • 本選択肢が正解です。

まとめ

GDPについて比較的基本的な事項を問う問題でした。

復習して内容をおさえておくようにしましょう。

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02

正解は4です。

GDPとは国内総生産と呼ばれ、生産額から原材料や半製品などの中間投入を差し引いた付加価値を合計を指します。つまり完成品の値段から部品の値段を差し引いた額(付加価値額)といえます。

GDPは、給与や企業の利益に分配されます。そして、その後消費や投資などで個人、企業、政府が支出していきます。つまり、GDPは生産、分配、支出の三面から見ることができ、いずれも同額となるといえます。

設問では、「財政に関わる支出」に関することが問われています。つまり支出面から見たGDPの内訳について問われています。

支出面から見たGDPは、下記の通りです。

GDP=家計・企業の消費支出+政府支出+投資支出+(輸出-輸入)

これをさらに細かくすると、家計・企業の消費支出は「民間最終消費支出」と表されます。政府支出は「政府最終消費支出」「公的固定資本形成」と表されます。そして、投資支出は「住宅投資」「設備投資」「在庫投資」と分解することができます。

これを式に表すと、

GDP=民間最終消費支出+政府最終消費支出+公的固定資本形成+住宅投資+設備投資+在庫投資+輸出-輸入

となります。

よって、解答は公的資本形成、d政府最終消費支出となります。

各選択肢の解説は次の通りです。

1→誤りです。a移転支出とは、財やサービスの生産に直接寄与しない政府や企業から個人へ金銭の移転のみが発生する支出のことです。例えば、年金、生活保護費、贈与などが移転支出に該当します。c財政投融資とは財政投融資特別会計国債を発行することにより調達した資金を活用して政策的に必要な分野に対して行われる投融資活動のことです。これにより、民間では対応が難しい大規模または長期的なプロジェクトの実施を可能にします。

2→上記解説の通り、aが誤りです。

3→上記解説の通り、cが誤りです。

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