中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問24
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
下図は、自由貿易地域の理論を描いたものである。自国が農産物の市場を開放し、貿易を行っている。A国から輸入される農産物の価格はPA、B国から輸入される農産物の価格はPBとする。
当初、自国は、価格の低いA国から農産物を輸入し、その農産物には関税がかかっていた。そのときの国内価格はPA’である。しかしながら、歴史的な背景から、自国はB国と自由貿易協定を締結した。その結果、B国からの農産物には関税がかからず、国内価格はPBになるが、域外のA国からの農産物には関税がかかる。
この図に関する記述として、最も適切なものを下記から選べ。
当初、自国は、価格の低いA国から農産物を輸入し、その農産物には関税がかかっていた。そのときの国内価格はPA’である。しかしながら、歴史的な背景から、自国はB国と自由貿易協定を締結した。その結果、B国からの農産物には関税がかからず、国内価格はPBになるが、域外のA国からの農産物には関税がかかる。
この図に関する記述として、最も適切なものを下記から選べ。
- 関税が賦課された価格PA’に比べて、自由貿易協定を締結した後の価格PBでは、自国の消費者余剰は□HMNKだけ大きくなっている。
- 自国がB国から農産物を輸入するときの国内の生産者余剰は、A国から農産物を輸入していたときの生産者余剰よりも□PAGNPBの分だけ小さくなる。
- 自由貿易協定の締結によって、自国が失う関税収入は、□HIJKである。
- 自由貿易協定の締結による貿易創造効果は、△HLMと△KNRであり、貿易転換効果は、□HLRKである。
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この過去問の解説 (2件)
01
自由貿易と関税についての余剰分析に関する問題です。
関税がない自由貿易の状態だと、財の価格は国内の均衡点から輸入した財の価格に低下するため、消費者の需要量は増加しますが、生産者の供給量は減少します。
その結果、消費者余剰は増加して、生産者余剰は減少します。
反対に、関税が課されると財の価格は自由貿易の価格から上昇します。
消費者の需要量は減少して、供給量は増加するため、自由貿易時よりも消費者余剰は減少して、生産者余剰は増加します。
財の国内価格と関税が課された時の価格の差額に対して、輸入量を乗じると政府余剰である関税を求めることができます。
需要曲線の原点をA、供給曲線の原点をBとします。
以上をふまえて、各選択肢を解説していきます。
本問は特にですが、余剰分析の学習や問題を解く際には実際にグラフを描くことが非常に有効です。
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02
正解は「自由貿易協定の締結によって、自国が失う関税収入は、□HIJKである。」です。
不適切です。消費者余剰の増加分は△HMPBPA’です。
不適切です。自由貿易による生産者余剰は□PBNKPA’分減少します。
適切です。設問の通りです。
不適切です。貿易転換効果は□RJILです。
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