中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経営情報システム 問25
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営情報システム 平成30年度(2018年) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
Z社は、新商品A、B、Cのいずれかを開発しようとしている。市場調査を行った結果、市場の拡大・現状維持・縮小の3パターンで表のような利益の予測(単位:億円)が得られた。この場合の意思決定に関する記述として、最も適切なものを下記から選べ。
- マクシマックス原理、ラプラスの原理のいずれを用いても、商品Aを開発することが最適となる。
- マクシミン原理、マクシマックス原理のいずれを用いても、商品Aを開発することが最適となる。
- マクシミン原理、マクシマックス原理のいずれを用いても、商品Bを開発することが最適となる。
- マクシミン原理、ラプラスの原理のいずれを用いても、商品Bを開発することが最適となる。
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この過去問の解説 (2件)
01
マクシマックス原理:利益を最大化するような行動を選択するもの(楽観論)
→リスク選好派(あえてリスクを取ることを好む、ハイリスク・ハイリターン志向)
マクシミン原理:利益を最小化するような行動を選択するもの(保守論)
→リスク回避派(最小のリスクで最大の利益を得ようとする、ローリスク・ハイリターン志向。一般的に、多くの人はリスク回避派であるとされています)
ラプラスの原理:すべての状態が同じ確率で発生すると仮定して行動を選択するもの
ラプラスの原理を用いると、商品Bを開発することが最適となります。
ラプラスの原理は、すべての状態が同じ確率で発生すると仮定するため、拡大・現状維持・縮小がそれぞれ3分の1ずつの確率で発生することになります。すなわち、商品Aは50(150÷3)、商品Bは70(210÷3)、商品Cは60(180÷3)の利益が得られるため、商品Bが選択されます。
マクシミン原理を用いると、商品Bを開発することが最適となります。
マクシマックス原理は楽観論なので、商品Aを開発すると100の利益が得られるので正解です。
マクシミン原理は保守論なので、最小のリスクで最大の利益を得ようとする行動を取ります。本問での最小のリスクは「縮小」であり、縮小の中で最も利益が大きい商品Bを選択します。
マクシマックス原理を用いると、商品Aを開発することが最適となります。
マクシミン原理は保守論なので、最小のリスクで最大の利益を得ようとする行動を取ります。本問での最小のリスクは「縮小」であり、縮小の中で最も利益が大きい商品Bを選択するため正解です。
マクシマックス原理は楽観論なので、商品Aを開発すると最も多い100の利益が得られます。
正解の選択肢となります。
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02
まず、表の組み合わせの中で利益が最大となる組み合わせは市場が拡大した際に商品Aを開発したケースです。そのため、マクシマックス原理を用いて意思決定を行った場合取りうる選択は商品Aとなります。
次に、最低限確保できる利益を大きくするというマクシミン原理で考えてみると、商品Bを選択することが望ましいです。各商品を選択した際最も利益が低くなるケースは、商品Aで市場が縮小した場合の10(億円)、商品Bで市場が縮小した場合の40(億円)、商品Cで市場が縮小した場合の30(億円)となります。それぞれ利益が最も低い中でも最低限利益を多く確保できるのは商品Bの40(億円)となるため、マクシミン原理では商品Bを選択することになります。
一方で、ラプラスの原理とは、どの事象も発生する確率が等しいと考えた時、その期待値が最も高い戦略を選択する考え方になります。期待値とは1回の試行で得られる値の平均値のことで、確率変数X(x1, x2, x3,…)とそれぞれの確率P(p1, p2, p3,…)に対して期待値EはE=x1×p1+x2×p2+x3×p3…となります。
ラプラスの原理では、どの事象も発生する確率が等しいと仮定するため、市場が拡大、現状維持、縮小する確率はそれぞれ1/3となります。各商品の期待値Ea、Eb、Ecは各状況下における利益を乗じて合計すれば算出できるため、以下のようになります。
Ea=100×1/3+40×1/3+10×1/3=50
Eb=90×1/3+80×1/3+40×1/3=70
Ec=80×1/3+70×1/3+30×1/3=60
期待値が最も高い商品は商品Bとなるため、ラプラスの原理を用いた場合に最適な商品は商品Bとなります。
したがって、正答は4となります。
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