中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
企業経営理論 問32

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和元年度(2019年) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

マスメディアとさまざまなプロモーショナル・メディアを組み合わせたコミュニケーションを前提としてきた伝統的なマーケティングから、近年急速に①デジタル・マーケティングへのシフトが進んでいる。このシフトは、②消費者同士の情報交換がソーシャルメディアなどを介して盛んに行われるようになっていることに対応した動きでもある。

文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 企業やマーケターが顧客と接したり会話したりする「タッチポイント」は、店舗などの物理的空間だけに限定せず、オンライン上にもさまざまな形で設定される。
  • 需給バランスや時期などに応じて価格を変動させるダイナミック・プライシングのような方法は、デジタル・マーケティングの時代になって初めて登場した価格設定方法である。
  • デジタル・マーケティングにおいては、製品開発のための資金をオンライン上の多数の消費者から調達するクラウド・ソーシングの手法がしばしば用いられる。
  • デジタル財の特徴として、複製が容易である(複製可能性)、他者が使用すると直ちに価値が低下する(価値の毀損性)、オンラインで瞬時に転送できる(非空間性)の 3 つをあげることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

デジタル・マーケティングに関する問題です。

選択肢1. 企業やマーケターが顧客と接したり会話したりする「タッチポイント」は、店舗などの物理的空間だけに限定せず、オンライン上にもさまざまな形で設定される。

正解の選択肢となります。

オンライン上に設定される「タッチポイント」の例として、チャット上で消費者が質問を投げかけ、オペレーターが返答するやり取りが挙げられます(返答はAIによる自動回答の場合もあります)。

選択肢2. 需給バランスや時期などに応じて価格を変動させるダイナミック・プライシングのような方法は、デジタル・マーケティングの時代になって初めて登場した価格設定方法である。

ダイナミック・プライシングは、デジタル・マーケティング以前から存在していた価格設定方法です。

例えば、旅行業界では昔から繁忙期と閑散期の価格設定が存在しており、5月の大型連休、8月のお盆、年末年始などはホテルや鉄道、航空機の利用料金が高く設定されています。

選択肢3. デジタル・マーケティングにおいては、製品開発のための資金をオンライン上の多数の消費者から調達するクラウド・ソーシングの手法がしばしば用いられる。

クラウド・ソーシングではなく、クラウドファンディングです。

クラウド・ソーシングとは、インターネット上の多くの不特定多数者から、アイデアや寄付、サービス等を募る行為です。インターネットで外部委託すると理解しておくといいと思います。

選択肢4. デジタル財の特徴として、複製が容易である(複製可能性)、他者が使用すると直ちに価値が低下する(価値の毀損性)、オンラインで瞬時に転送できる(非空間性)の 3 つをあげることができる。

デジタル財は、有形財と比較して「非排他性」「複製可能性」「非空間性」の3つの特徴があります。

非排他性:複数の人が同時に使用可能。何回使用しても劣化せず、価値が変わることがない。

→映画を動画配信で利用する場合をイメージすると良いでしょう。

複製可能性:1個生産するたびにかかる限界費用がほぼゼロであり、規模の経済が大きく働く。

→映画をDVDソフトで制作すると、1個生産するたびに限界費用が発生します。

非空間性:製品を保管するための物理的スペースが不要。また、インターネットを通じて世界中に転送することが可能。

以上から、他者が使用すると直ちに価値が低下する(価値の毀損性)は誤りです。

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02

項番1:適切です。
記述の通りです。

項番2:不適切です。
ダイナミック・プライシングは、デジタル・マーケティングの時代になる前から登場していた価格設定方法です。

項番3:不適切です。
本肢の記述は、クラウドファンディングに関する説明であると考えられます。

項番4:不適切です。
デジタル財においては、他者が使用すると直ちに価値が低下する(価値の毀損性)ことはありません。

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