中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
企業経営理論 問20
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和2年度(2020年) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
職務特性の代表的なモデルであるJ.R.ハックマンとG.R.オルダムのモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 上司からのフィードバックの程度が低く、職務の自律性が高い場合、内発的動機づけが高まる。
- 職務が細分化され、他の職務への依存度が高い場合、その職務の有意義感は高まる。
- 職務に対する有意義感の実感、責任の実感、結果についての理解、の3つがそろうと、内発的動機づけが高まる。
- 成長欲求が高い従業員ほど、職務特性に関わりなく、内発的動機づけが高くなる。
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この過去問の解説 (2件)
01
職務特性モデルとは、仕事の特性により内発的動機付け、つまりやる気を引き出す度合いが変わるという意味です。
例えば、ほったらかされていたり、自分がやっている仕事の意義が見いだせない場合、モチベーションは下がるという事が挙げられます。
各選択肢については、以下のとおりです。
1 :誤りです。
上司からのフィードバックの程度が低いと内発的動機づけは低くなります。
2 :誤りです。
職務が細分化され、他の職務への依存度が高い場合は、その職務の有意義感は低くなります。自分の仕事が何に役立っているのかがイメージしづらいからです。
3 :正解です。
有意義感の実感、責任の実感、結果についての理解が内発的動機づけの向上の要因です。
4 :誤りです。
成長欲求が高い従業員であっても、内発的動機づけは職務特性に依存します。
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02
ハックマン=オルダムの職務特性モデルに関する出題です。
職務特性モデルとは個人が取り組む仕事の特性によって、内発的動機付けが高まると考える理論です。
具体的には、「5つの中核的職務特性(①技能多様性、②タスク完結性、③タスク重要性、④自律性、⑤フィードバック)」が満たさせることにより、
「3つの重要な心理状態((1)職務に対する有意義感の実感、(2)仕事の成果への責任の実感、(3)結果についての理解)」が達成され、
「3つの重要な心理状態」が達成されることで内発的動機付けが高まるという成果が生まれます。
ここで5つの中核的職務特性について個別に解説をすると
①技能多様性 ・・・ 個人の持つスキルや強みを活用できる仕事であること。
②タスク完結性 ・・・ はじめから終わりまで、仕事の全体に関われること。(全体が理解できれば、今の仕事の意味が感じられる。)
③タスク重要性 ・・・ 取り組んでいる仕事が、他人の仕事や生活に影響を与えるような重要なものであると感じられること。
④自律性 ・・・ 仕事に対して与えられる権限・裁量が大きいこと。
⑤フィードバック ・・・ 行った仕事の進捗・成果・結果が確認できること。
このように説明が出来ます。
そして、①~③は(1)の職務に対する有意義感の実感を、④は(2)仕事の成果への責任の実感を、⑤は(3)結果についての理解をそれぞれ満たします。
上記を参考に、選択肢の中から「最も適切なもの」を選択します。
1.誤っている。
職務特性における「フィードバック」とは仕事そのものの成果・結果を個人が得ることが出来る状況を指し、上司など他者からのフィードバックの高低は
個人の内発的動機付けに影響を及ぼすものとは考えられていません。
職務の「自律性」が高い場合、内発的動機付けが高まる。という記述については正しいです。
2.誤っている。
職務が細分化され、他の職務への依存度が高い仕事は「タスク完結性」が失われます。
3.正しい。
「3つの重要な心理状態」に関する記述です。
4.誤っている。
成長欲求が高い従業員ほど、内発的動機付けが高くなることは間違いありませんが、前提として「5つの中核的職務特性」が満たされている必要があり、職務の特性に関わりなく、という表記が誤っています。
よって、選択肢3.が正答となります。
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