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中小企業診断士の過去問 令和3年度(2021年) 経済学・経済政策 問6(1)

問題

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下図は、IS曲線とLM曲線を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

LM曲線が垂直になる例として、最も適切なものはどれか。
問題文の画像
   1 .
貨幣需要の利子弾力性がゼロである。
   2 .
貨幣需要の利子弾力性が無限大である。
   3 .
投資需要の利子弾力性がゼロである。
   4 .
投資需要の利子弾力性が無限大である。
( 中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和3年度(2021年) 問6(1) )
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この過去問の解説 (2件)

14

IS-LM曲線からの出題です。

一般的なケースではIS曲線が右下がり、LM曲線が右上がりとなっています。

本問では、LM曲線が垂直になっています。

LM曲線が垂直というのは、貨幣需要の利子感応度がゼロであるということです。

よって、正解は1となります。

3の場合は、IS曲線が垂直なケースです。

付箋メモを残すことが出来ます。
2

【基礎知識】

○○の△△弾力性という言葉はいくつか出てきます。△△が変化したときに○○がどれだけ変化するかを表す指標になります。

ここでは、利子率が変化したときの貨幣需要または投資需要がどれだけ変化するかというものです。

問題の図ではLM曲線が垂直になっていますが、これが示すことは利子率が上がろうが、下がろうが所得(GDP)に影響を与えないということです。

LM曲線は貨幣需要が利子率の上下でどう動くかを示したものですが、2つの考え方があります。

一つはケインズ派の考え方で、貨幣需要には取引需要と資産需要があり、取引需要は所得に比例すると考えます。この需要は利子率は関係ないため、LM曲線の形状には関係ありません(ここで取引需要をYに比例するk(Y)とします)。一方で資産需要は利子率が低いと貨幣で持っておこうとするため、需要が増加しますが、利子率が高いと貨幣で持っておくと損ですので資産で持とうとするため、貨幣需要が減少するという考え方に基づきます。この背景には貨幣で持っておくと何にでもすぐに交換できる流動性を持つことがあります(資産需要をrに反比例するl(r)とします)。その結果ケインズ派ではLM曲線は一定の貨幣供給量Mに対して需要が一致する以下の式を満たすものとなります。

M=k(Y)+l(r)

ここで、rが増加すると、l(r)は減少するため、一定のMを確保するためにはk(Y)が増加、つまりYが増加する必要があります。よって、LM曲線は右上がりになるのが、ケインズ派の考え方です。

もう一つは古典派です。古典派においては、貨幣ヴェール観という考え方があり、貨幣は単なる取引のための道具であって、貨幣市場が所得等に影響を与えないという考え方です。よって利子率と所得Yは関係なく決定するため、垂直になります。

あと、弾力性がゼロもしくは無限大について説明します。

基本的に弾力性が低いと変化が少なくなります。例えば需要の価格弾力性。弾力性が低いと、価格が一単位変わった時の需要の変化が小さいことを表します。究極的には0が最小で、価格が変わっても全く需要が変わらないことになります。つまり、縦軸に価格p、横軸に需要Yを取ったグラフでは垂直になります。

一方、弾力性が高いと変化が大きくなります。先ほどの需要価格弾力性の例では、究極は価格が変わると需要がなくなる水平の直線になります。

【選択肢評価】

LM曲線を垂直にするためには、貨幣供給(一定)=貨幣需要において、貨幣需要が利子率に影響しないことが必要です。基礎知識の通り、利子弾力性が0の場合は影響がないことで、無限大は影響が大きいことになります。

選択肢1. 貨幣需要の利子弾力性がゼロである。

利子率が変化したときに、貨幣需要がどう動くかになります。利子率の影響を受けないためには弾力性が0である必要があります。正しい。

選択肢2. 貨幣需要の利子弾力性が無限大である。

利子率が変化したときに、貨幣需要がどう動くかになります。利子率の影響を受けないためには弾力性が0である必要があります。誤り。

選択肢3. 投資需要の利子弾力性がゼロである。

投資需要だけでは、貨幣の資産需要等で利子率に影響するものがあれば、LM曲線の形状が垂直になると言い切れないため、適切ではありません。

選択肢4. 投資需要の利子弾力性が無限大である。

投資需要だけでは、貨幣の資産需要等で利子率に影響するものがあれば、LM曲線の形状が垂直になると言い切れないため、適切ではありません。

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