中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
経済学・経済政策 問13

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和4年度(2022年) 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

代替財、補完財と需要曲線のシフトについて考える。ここでは図は省略するが、縦軸に価格、横軸に数量をとるものとする。2財の関係が代替財あるいは補完財であるときの需要曲線のシフトに関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  A財とB財が代替財の関係にあるとき、A財の価格の下落によって、B財の需要曲線は右方にシフトする。
b  C財とD財が補完財の関係にあるとき、C財の価格の下落によって、D財の需要曲線は右方にシフトする。
c  A財とB財が代替財の関係にあるとき、A財の価格の上昇によって、B財の需要曲線は右方にシフトする。
d  C財とD財が補完財の関係にあるとき、C財の価格の上昇によって、D財の需要曲線は右方にシフトする。
  • aとb
  • aとd
  • bとc
  • cとd

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この過去問の解説 (3件)

01

(基本知識)

まず、代替財、補完財のキーワードをしっかり押さえることが重要です。ある財(Aとします)と別の財との関係性を表しています。

代替財はAに代わることができるものです。目的が一緒であれば、Aを使わなくても条件によっては使う別の財のことです。例えば眼鏡に対して、コンタクトレンズの関係や、アルコールであれば、ビールと酎ハイの関係なども代替財となります。ビールの中ではビールと第三のビールも代替財になります。

代替財の理解を踏まえ、代替財の存在がAにどういった影響を及ぼすのか考えます。ビールを飲まれない方は想像しにくいかもしれませんが、第三のビールは実はビールに分類されておりません。そのため、税金が通常のビールと異なり、安く設定されています。よって、ビールが高いため、世のお父さんたちは第三のビールに流れていきました。つまり、Aの価格や品質といった条件が購入者にとって悪化すると、別の代替財に流れてしまうという特徴があります。

次に補完財とは何でしょうか?例えばコンタクトレンズに対する洗浄液のような関係になります。車とガソリンとかもそうです。つまり、ある財(A)を購入したり、使用すると、合わせて購入、使用する必要のある財になります。つまり、Aの需要が増えると、補完財の需要も増加することになります。

(選択肢評価)

a 需要曲線が右にシフトするということは需要が増えるということです。Aの価格が低下すると、Aの需要は増加します。その結果、代替財であるBは需要が減少するので誤りです。

b Cの価格が低下するとCの需要は増加し、補完財であるDも増加するので正しい記載です。

c Aの価格が上昇すると、Aの需要は減少し、代替財のBの需要は増加するため正しい記載です。

d Cの価格が上昇すると、Cの需要は減少し、合わせて補完財のDの需要も減少するため誤りです。

選択肢1. aとb

上記説明より、aは誤りです。

選択肢2. aとd

上記説明より、aとdは誤りです。

選択肢3. bとc

正解です。

選択肢4. cとd

上記説明より、dは誤りです。

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02

代替財、補完財に関する問題です。それぞれの用語の意味は以下の通りでしたね。

代替財:ある一つの財の代わりとなることができる財のこと

補完財:二つの財を一緒にして消費する財のこと

以上を踏まえて選択肢の内容を検討します。

a:A財の価格が下落すると、代替財であるB財の需要は減少します(A財の需要が増加するため)。

したがってB財の需要曲線は左にシフトするので誤り。

b:C財の価格の下落により需要が高まりますので、補完財であるD財の需要も高まります。したがって需要曲線も右にシフトするので正しい。

c:A財の価格の上昇により需要が下落しますので、代替財であるB財の需要が高まり、需要曲線は右にシフトします。したがって正しい。

d:C財の価格の上昇により需要が下落しますので、補完財であるD財の需要も下落し、需要曲線は左にシフトします。したがって誤り。

以上から、適切な組み合わせは「bとc」になります。

選択肢1. aとb

正解は「bとc」ですので誤りです。

選択肢2. aとd

正解は「bとc」ですので誤りです。

選択肢3. bとc

正解です。

選択肢4. cとd

正解は「bとc」ですので誤りです。

まとめ

代替財と補完財に関する問題でした。言葉の意味を正確に理解しておきましょう。

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03

代替財と補完財に関する問題です。

代替財…ある製品の需要が低下したときに、ほかの製品が代わりに需要が高まる関係性の財のことです。例としては、牛肉と豚肉などが挙げられます。牛肉の価格が上昇し、牛肉の購入を避けて豚肉を購入することが想定されます。

補完財…ある製品の需要が高まれば、もう一方の製品需要も高まる関係性のある財のことです。例としては、プリンターとトナー、ゲーム機本体とカセットなどが挙げられます。

a:代替財の関係にあるとき、一方の価格の下落で需要が高まると、他方の製品需要は下がりますので、需要曲線は左にシフトします。

b:補完財の関係にあるとき、一方の価格の下落で需要が高まると、他方の製品需要も上がりますので、需要曲線は右にシフトします。

c:代替財の関係にあるとき、一方の価格の上昇で需要が下がると、他方の製品需要は上がりますので、需要曲線は右にシフトします。

d:補完財の関係にあるとき、一方の価格の上昇で需要が下がると、他方の製品需要も下がりますので、需要曲線は左にシフトします。

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