中小企業診断士の過去問 令和4年度(2022年) 財務・会計 問9
この過去問の解説 (2件)
退職給付会計に関する知識問題です。
退職給付会計とは、退職する従業員に、これまで労働提供の対価として支払われる退職金に関する会計です。
誤り
年金資産は企業年金制度を背景に、退職給付を目的に積み立てている資産のことです。外部機関を利用した年金積立も含まれます。
誤り
退職給付費用とは退職給付に関する全般的な費用で、損益計算書に計上されます。
退職給付費用には、例えば、利息費用や数理計算上の差異が該当します。
誤り
退職給付制度の終了とは、確定拠出年金など別の制度へ移行することを表します。
この場合、積み立てていた退職給付債務(負債)が資産の減少を伴って減少します。
正しい
年金資産と年金債務は両建てで表示するのではなく、相殺させた差額を退職給付引当金として計上します。不適切な選択肢のため、これが正解となります。
退職給付会計に関する問題です。
退職給付会計とは、会社の従業員の会社に対する労働の対価として従業員が会社の退職後に受け取る給付について、会社がそれを債務として財務諸表に適切に反映させるための会計処理のことを言います。
会社は毎年発生する従業員の労働の対価に関する債務を退職給付債務として費用処理し、費用処理によって積み立てた資産(年金資産)と退職給付に関する債務との差額を退職給付引当金として貸借対照表上に負債計上します。
以上の内容に沿って選択肢の内容を検討します。
会社の外部(金融機関など)に積み立てられた資産も年金資産とされますので誤りです。
冒頭の説明の通り、退職給付費用は企業の損益計算書に計上されます。したがって誤りです。
退職給付制度が何らかの原因で終了した場合、年金資産も清算されますので適切な内容です。したがって誤りです。
年金資産は退職給付の支払いのための専用の資産ですので、他の資産とは異なり、貸借対照表上に表示されるべき性質のものではありません(年金債務も同様)。適切な内容ではないので正解です。
退職給付会計に関する問題でした。会計の中でも複雑な内容を伴うものですので、参考書を再読する等して復習をしましょう。
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