中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
財務・会計 問10

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和4年度(2022年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

自己株式の会計処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 自己株式の取得は、他社の株式を取得する場合と同様に処理される。
  • 自己株式の取得は純資産の減少、自己株式の売却は純資産の増加として処理する。
  • 自己株式を消却した場合、その他利益剰余金が減少する。
  • 自己株式を消却した場合、資産が減少する。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

自己株式に関する問題です。

他の資産と異なり、会計上特別な処理を行うものですので内容をしっかり理解しましょう。

選択肢の検討をしながら解説します。

選択肢1. 自己株式の取得は、他社の株式を取得する場合と同様に処理される。

他社の株式を取得した場合は有価証券勘定や投資有価証券勘定に計上しますが、自己株式は自社の資本の一部を構成するものですので、いわば資本の払い戻しを行うという考え方を採ります。

具体的には純資産の部においてマイナス表示されます。したがって誤りです。

選択肢2. 自己株式の取得は純資産の減少、自己株式の売却は純資産の増加として処理する。

正解です。

選択肢3. 自己株式を消却した場合、その他利益剰余金が減少する。

自己株式の消却は資本の減少を意味します。したがって利益留保項目であるその他利益剰余金の減少とはなりません。したがって誤りです。

選択肢4. 自己株式を消却した場合、資産が減少する。

自己株式の消却は資本の減少を意味します。したがって資産の減少ではなく、株主資本の減少となります。誤りです。

まとめ

自己株式に関する問題でした。この内容も独特なものなので参考書でしっかり復習しましょう。

参考になった数14

02

自己株式の処理に関する問題です。

株式に関する問題は、経営法務の「会社法」とも関連しています。試験本番前には関連させて覚えておくと良いでしょう。

選択肢1. 自己株式の取得は、他社の株式を取得する場合と同様に処理される。

誤り

他社の株式取得は「売買目的有価証券」や「投資目的有価証券」といった勘定科目で処理されます。よって、自己株式の取得は他社の株式取得と同様の処理ではありません。

選択肢2. 自己株式の取得は純資産の減少、自己株式の売却は純資産の増加として処理する。

正しい

自己株式の取得を仕訳します。自己株式【純資産】xxx / 現金【資産】xxx

よって、純資産が減少します。売却は逆の処理となります。

選択肢3. 自己株式を消却した場合、その他利益剰余金が減少する。

誤り(△)

自己株式を消却するときの仕訳をします。

その他資本剰余金【純資産】xxx / 自己株式【純資産】xxx

その他資本剰余金が足りない場合はその他利益剰余金から振り返る場合があります。しかし、このような記述は無いので、正しくは「自己株式を消却した場合、その他資本剰余金が減少する」となります。

選択肢4. 自己株式を消却した場合、資産が減少する。

誤り

自己株式を消却するときの仕訳をします。

その他資本剰余金【純資産】xxx / 自己株式【純資産】xxx

消却のみを考えると、資産は減少しません。よって誤りです。

参考になった数9

03

自己株式の会計処理に関する問題です。

選択肢1. 自己株式の取得は、他社の株式を取得する場合と同様に処理される。

不適切です。

自己株式の取得では純資産から控除する処理となりますが、他社の株式を取得した場合は資産に計上します。

選択肢2. 自己株式の取得は純資産の減少、自己株式の売却は純資産の増加として処理する。

適切です。

選択肢3. 自己株式を消却した場合、その他利益剰余金が減少する。

不適切です。

自己株式を消却した場合にその他利益剰余金には影響がありません。

選択肢4. 自己株式を消却した場合、資産が減少する。

不適切です。

自己株式を消却した場合、消却によって現金の動きなどはなく資産に影響がありませんので、資産が減少することもありません。

参考になった数2