資金繰りの助言をする問題です。
キャッシュフローを改善する基本方針は、売上などのキャッシュインを早く回収し、仕入などのキャッシュアウトを延ばすことです。
基本方針を念頭に、各選択肢を判断していきます。
選択肢1. 5月に予定されている事務用備品の購入支出のうち半額を現金払いとし、残額の支払いは7月に延期する。
誤り
5月の備品購入支出の支払いを半額とし、残り半額の支払いを7月に延期します。
5月の備品購入支出=150万円
5月末残高=470万円+150万円=620万円
6月の収支過不足=△460万円
6月末残高=620万円-460万円=160万円
よって、200万円を下回るので不適切です。
選択肢2. 6月に予定されている諸費用支払のうち400万円を現金払いとし、残額の支払いは7月に延期する。
誤り
諸費用支払540万円から400万円を引くと、140万円です。
この140万円分キャッシュアウトが減るので、
6月末残高=10万円+140万円=150万円
よって、200万円を下回るので不適切です。
選択肢3. 仕入先と交渉して、6月の仕入代金のうち半額を現金払いとし、残額を買掛金(翌月末払い)とする。
正しい
条件②より、6月の仕入高は1,600万円×60%=960万円です。
この半額を翌月払いの掛けとするので、
960万円÷2=480万円 キャッシュアウトが減ります。
6月末残高=10万円+480万円=490万円
よって、200万円を上回りますので、助言として適切です。
選択肢4. 得意先と交渉して、5月の売上代金のうち半額を現金で受け取り、残額を売掛金(翌月末回収)とする。
誤り
条件①より、売上代金の20%は現金、80%は翌月での回収となります。
5月の売上代金を50%現金で受け取ると、6月の回収は50%となり、売掛金回収額が減ってしまいます。この助言はキャッシュインを減らし、資金ショートとなってしまうため不適切です。