中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
財務・会計 問16

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和4年度(2022年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の図は、すべてのリスク資産と安全資産により実行可能な投資機会を表している。投資家のポートフォリオ選択に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
問題文の画像
  • 安全資産が存在しない場合、効率的フロンティアは曲線ABCDである。
  • 安全資産が存在しない場合、投資家のリスク回避度にかかわらず、リスク資産の最適なポートフォリオは点Cになる。
  • 安全資産が存在する場合、投資家のリスク回避度が高いほど、リスク資産の最適なポートフォリオは曲線BCD上の点D寄りに位置する。
  • 安全資産が存在する場合で、かつ資金の借り入れができないならば、効率的フロンティアはFCDを結んだ線となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

ポートフォリオ理論に関する問題です。頻出分野なので必ず復習しましょう。

選択肢1. 安全資産が存在しない場合、効率的フロンティアは曲線ABCDである。

誤り

安全資産が存在しない場合、点Fは無く、資本市場線FEは形成されません。

そのときの効率的フロンティアは曲線BCDとなります。AB間は標準偏差=リスクが上がるほど、期待収益率=リターンが下がるので、この曲線上にある証券に投資するのは非合理的です。

よってAB間は効率的フロンティアにはなりません。

選択肢2. 安全資産が存在しない場合、投資家のリスク回避度にかかわらず、リスク資産の最適なポートフォリオは点Cになる。

誤り

安全資産が存在しない場合、点Fは無く、資本市場線FEは形成されません。よって資本市場線と効率的フロンティアの接点Cも形成されません。

投資家のリスク回避度により、最適なポートフォリオは、効率的フロンティアBCD上のどの点でもよいことになります。よって誤りです。

選択肢3. 安全資産が存在する場合、投資家のリスク回避度が高いほど、リスク資産の最適なポートフォリオは曲線BCD上の点D寄りに位置する。

誤り

横軸の標準偏差は証券のリスクを表します。投資家のリスク回避度が高いほど、点Bよりのポートフォリオを選びます。

選択肢4. 安全資産が存在する場合で、かつ資金の借り入れができないならば、効率的フロンティアはFCDを結んだ線となる。

正しい

CE間は安全資産を借り入れて購入したリスク資産の集合を表します。資金の借り入れができないならば、効率的フロンティアは曲線FCDとなります。

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02

ポートフォリオに関する分析の問題です。グラフの読み取り方を覚えておきましょう。

選択肢1. 安全資産が存在しない場合、効率的フロンティアは曲線ABCDである。

効率的ポートフォリオとは、同じリスクで最も高いリターンを得ることができる点を結ぶことによって得られる曲線です。一方安全資産は縦軸上の切片で表されます(リスク0のため)。

安全資産が存在しないということは、効率的フロンテイアと資本市場線の接点もなくなるため、資本市場線が存在しないということになります。

そうなるとリスクが高まれば収益率も高まる曲線BCDが効率的フロンティアとなります。

したがって誤りです。

選択肢2. 安全資産が存在しない場合、投資家のリスク回避度にかかわらず、リスク資産の最適なポートフォリオは点Cになる。

安全資産が存在しないということは、効率的フロンテイアと資本市場線の接点もなくなるため、資本市場線が存在しないということになります。

そうなると点Cも存在しません。

リスクが高まれば収益率も高まる曲線BCDが効率的フロンティアですので、曲線BCD上の点になります。

したがって誤りです。

選択肢3. 安全資産が存在する場合、投資家のリスク回避度が高いほど、リスク資産の最適なポートフォリオは曲線BCD上の点D寄りに位置する。

曲線BCDを見ると、点Dよりも点Bのほうが標準偏差が低い(=リスクが低い)ときうことになります。

したがって誤りです。

選択肢4. 安全資産が存在する場合で、かつ資金の借り入れができないならば、効率的フロンティアはFCDを結んだ線となる。

正解です。

資本市場線のCEは、安全資産を借り入れて購入した場合の複数のリスク資産によるポートフォリオを表します。選択肢では借り入れができないことになっていますので、効率的フロンティアは点C、点D、点Fを結んだ部分となります。

まとめ

ポートフォリオ分析に関する問題でした。グラフの読み取り方をしっかり覚えておきましょう。

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03

ポートフォリオ選択に関する問題です。

選択肢1. 安全資産が存在しない場合、効率的フロンティアは曲線ABCDである。

不適切です。

安全資産が存在しない場合、すなわち標準偏差0の場合がないときですので、Fが存在しないときとなります。

その時の効率的フロンティアは曲線BCDです。曲線AB間は、標準偏差が高くなっても期待収益率が下がっているので、効率的フロンティアではありません。

選択肢2. 安全資産が存在しない場合、投資家のリスク回避度にかかわらず、リスク資産の最適なポートフォリオは点Cになる。

不適切です。

安全資産が存在しない場合、すなわち標準偏差0の場合がないときですので、Fが存在しないときとなります。

その時は、投資家のリスク回避度に応じて、効率的フロンティアである曲線BCDから最適なポートフォリオを選択します。

選択肢3. 安全資産が存在する場合、投資家のリスク回避度が高いほど、リスク資産の最適なポートフォリオは曲線BCD上の点D寄りに位置する。

不適切です。

投資家のリスク回避度が高いほど標準偏差が高くなることを避けるため、効率的フロンティアである曲線BCD上のCに近づきます。

選択肢4. 安全資産が存在する場合で、かつ資金の借り入れができないならば、効率的フロンティアはFCDを結んだ線となる。

適切です。

直線CEは、安全資産を借り入れて購入した場合のポートフォリオのことです。

資金の借り入れができない場合は、Cより右は曲線CDとなります。

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