中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
財務・会計 問22

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和4年度(2022年) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

リスクがある場合の割引現在価値の計算に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 確実性等価法で用いる割引率は資本コストである。
  • 確実性等価法は、将来キャッシュフローの期待値をその不確実性が大きいほど、高めに見積もる方法である。
  • リスク調整割引率法とは、割引率からリスク・プレミアムを差し引いて、現在価値を求める方法である。
  • リスク調整割引率法におけるリスク・プレミアムは、将来キャッシュフローが不確実であるほど大きくなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

割引現在価値の計算方法に関する問題です。

モデルとして以下の3つを押さえておきましょう。

・割引率調整法

確実性の高いCF/リスク調整後の割引率

・確実性等価法

リスク調整後のCF/信用リスクフリーレート

・リスク調整法

リスク調整前のCF/リスクプレミアムを含めた割引率

選択肢1. 確実性等価法で用いる割引率は資本コストである。

誤り

確実性等価は、リスク回避において不確実な期待値と釣合う確実な金額を指します。用いる割引率はリスクフリーレートです。

選択肢2. 確実性等価法は、将来キャッシュフローの期待値をその不確実性が大きいほど、高めに見積もる方法である。

誤り

確実性等価法の分子はリスク調整後のキャッシュフローです。これは不確実性が高いほど低く見積もります。

選択肢3. リスク調整割引率法とは、割引率からリスク・プレミアムを差し引いて、現在価値を求める方法である。

誤り

リスク調整法の割引率は、リスクプレミアムを含めた割引率を使用します。

選択肢4. リスク調整割引率法におけるリスク・プレミアムは、将来キャッシュフローが不確実であるほど大きくなる。

正しい

記述の通りです。リスクプレミアムが高い→分母が大きいので、割引計算価値、つまり計算結果は小さい値となります。

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02

割引現在価値に関する説明の正誤を問う問題です。

選択肢の内容を検討しながら解説します。

選択肢1. 確実性等価法で用いる割引率は資本コストである。

確実性等価法とは、割引現在価値に不確実性を考慮する場合の計算方法です。

キャッシュフローの現在価値に0から1までの間の確実性等価係数を乗じて不確実性を反映させます。この場合、割引率にはリスク・フリー割引率が用いられます。

したがって誤りです。

選択肢2. 確実性等価法は、将来キャッシュフローの期待値をその不確実性が大きいほど、高めに見積もる方法である。

確実性等価法は、将来キャッシュフローの期待値の不確実性が大きいほど低めに見積もる方法です。したがって誤りです。

選択肢3. リスク調整割引率法とは、割引率からリスク・プレミアムを差し引いて、現在価値を求める方法である。

リスク調整割引率法とは、資本コストにリスクプレミアムを加えた割引率を用いてキャッシュフローの現在価値を求める方法です。したがって誤りです。

選択肢4. リスク調整割引率法におけるリスク・プレミアムは、将来キャッシュフローが不確実であるほど大きくなる。

正解です。将来キャッシュフローが不確実であるほどリスクが高まりますので、リスクプレミアムも大きくなります。

まとめ

割引現在価値に関する用語の内容の真偽を問う問題でした。用語の意味を復習しておきましょう。

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03

リスクがある場合の割引現在価値の計算に関する問題です。

選択肢1. 確実性等価法で用いる割引率は資本コストである。

不適切です。

確実性等価法で用いる割引率はリスクフリーレートです。

選択肢2. 確実性等価法は、将来キャッシュフローの期待値をその不確実性が大きいほど、高めに見積もる方法である。

不適切です。

確実性等価法では、不確実性が大きいほど将来キャッシュフローの期待値を低く見積もります。

選択肢3. リスク調整割引率法とは、割引率からリスク・プレミアムを差し引いて、現在価値を求める方法である。

不適切です。

リスク調整割引率法は、リスク・プレミアムを加えた割引率で現在価値を求めます。

選択肢4. リスク調整割引率法におけるリスク・プレミアムは、将来キャッシュフローが不確実であるほど大きくなる。

適切です。

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