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中小企業診断士の過去問 令和4年度(2022年) 企業経営理論 問2

問題

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ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が開発した「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」(以下「PPM」という)と、その分析ツールである「プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス(または「成長-シェア・マトリックス」)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。
   1 .
PPMでは、「金のなる木」で創出した資金を「花形」に投資して、次世代を担う事業を育成することが、最適な企業成長を図る上での中核的なシナリオとして想定されている。
   2 .
PPMでは、「負け犬」に位置づけられる事業は「収穫(harvest)」ないし「撤退(withdraw)」の対象とすることが、望ましいとされる。
   3 .
PPMは企業における事業のポートフォリオを検討する手段であることから、そこでは、ヒト、モノ、カネといった経営資源に関する事業間のシナジーは、考慮されない。
   4 .
プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの縦軸は、当該企業の各事業(戦略事業単位(SBU))の成長率で構成される。
   5 .
プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの横軸は、各事業(戦略事業単位(SBU))が属する業界の集中度を示すエントロピー指数で構成される。
( 中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和4年度(2022年) 問2 )
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この過去問の解説 (3件)

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PPMに関する問題です。正誤の判断が難しい選択肢もあります。

頻出知識なので、整理して理解していきましょう。

選択肢1. PPMでは、「金のなる木」で創出した資金を「花形」に投資して、次世代を担う事業を育成することが、最適な企業成長を図る上での中核的なシナリオとして想定されている。

誤り(△)

「金のなる木」で得られた資金には、

①「問題児」に投資して市場占有率を上げる。

②「花形」に投資して市場占有率を維持する。

③PPMには表れない、将来へ向けた「研究開発」にまわす

という3つの使い道があると考えられます。

「花形」へ投資することのみが「中核的なシナリオ」ではないため、

「最も適切な選択肢」とは言い切れないです。

正誤判断が難しい選択肢ですが、「最適な」や「中核的な」という強調表現は一度疑ってみましょう。

選択肢2. PPMでは、「負け犬」に位置づけられる事業は「収穫(harvest)」ないし「撤退(withdraw)」の対象とすることが、望ましいとされる。

正しい

「負け犬」の事業のシナリオは

①即時撤退する

②できるだけ収穫して撤退する(安売りなど)

③規模を縮小する。(サービスの質を低下させコストを下げる、など)

④残存者利益を狙い、低収入だが高粗利率を実現する

ということが考えられます。

「負け犬」に対して、「収穫」や「撤退」の意思決定をすることは妥当(=「望ましい」)なため、正しい選択肢と考えられます。

選択肢3. PPMは企業における事業のポートフォリオを検討する手段であることから、そこでは、ヒト、モノ、カネといった経営資源に関する事業間のシナジーは、考慮されない。

誤り(△)

正誤判断が難しい選択肢です。

「ヒト、モノ、カネといった経営資源に関する事業間のシナジーは、考慮されない」とありますが、PPMは市場の成長性と、シェア、規模について財務的観点からプロットし、「カネ」に関する資源配分を意思決定していくフレームワークです。

確かにPPMは事業間の質的なシナジーを考慮できませんが、量的な関係性を視覚的に把握するツールであることから、この選択肢は「最も適切な選択肢」とは言い切れないです。

「ヒト、モノ、情報といった経営資源の質的なシナジーは、考慮されない」ならば、正しい選択肢と言えるでしょう。

選択肢4. プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの縦軸は、当該企業の各事業(戦略事業単位(SBU))の成長率で構成される。

誤り

PPMは「他社との比較」を念頭に置いたフレームワークです。

縦軸は対象事業の成長率ではなく、「市場の」成長率であり、

横軸は対象企業内の占有率ではなく、「市場の」相対的占有率であります。

よってこの選択肢は誤りです。

選択肢5. プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの横軸は、各事業(戦略事業単位(SBU))が属する業界の集中度を示すエントロピー指数で構成される。

誤り

縦軸は対象事業の成長率ではなく、「市場の」成長率であり、

横軸は対象企業内の占有率ではなく、「市場の」相対的占有率であります。

この選択肢は企業の競争状態(独占度)を測る「ハーフィンダール・ハーシュマン指数(HHI)」ではないかと考えれます。

まとめ

企業経営理論は正誤判断が難しい問題があります。

本試験では①明らかに間違っている選択肢を外し、

②残った選択肢を比較し、

③妥当なものを選ぶ という思考をしましょう。

勉強時には解説や教科書を読んで、理解を深めていきましょう。

付箋メモを残すことが出来ます。
5

PPMに関する問題です。頻出論点ですので、よく理解しておきましょう。

選択肢1. PPMでは、「金のなる木」で創出した資金を「花形」に投資して、次世代を担う事業を育成することが、最適な企業成長を図る上での中核的なシナリオとして想定されている。

PPMでは、「金のなる木」で創出した資金を、次世代を担う事業育成の対象として「問題児」に投資することが想定されています。「問題児」とは、相対的市場シェアは低いが、今後の成長のための強い潜在力をもつビジネスが該当します。

選択肢2. PPMでは、「負け犬」に位置づけられる事業は「収穫(harvest)」ないし「撤退(withdraw)」の対象とすることが、望ましいとされる。

PPMでは、「負け犬」に位置付けられる事業については「収穫」ではなく投資資金の回収、および撤退が想定されています。

選択肢3. PPMは企業における事業のポートフォリオを検討する手段であることから、そこでは、ヒト、モノ、カネといった経営資源に関する事業間のシナジーは、考慮されない。

正解です。

PPMでは企業の経営資源の配分にあたり、ビジネス単位にその市場成長性や相対的市場シェアを評価しますが、そこでは経営資源がもたらす各々のビジネス間におけるシナジー効果は考慮されていません。これはPPMが市場成長性と相対的市場シェアという2次元でのマトリクスを前提とした評価であることの制約ということができます。

選択肢4. プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの縦軸は、当該企業の各事業(戦略事業単位(SBU))の成長率で構成される。

PPMの縦軸が表すのは、「市場成長率」ではなく「市場成長性」です。

選択肢5. プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの横軸は、各事業(戦略事業単位(SBU))が属する業界の集中度を示すエントロピー指数で構成される。

PPMの横軸はそのビジネスの業界における相対的市場シェアを表します。エントロピー指数とは企業の総売上高に占める各事業部門の売上高構成比にもとづく指数です。

まとめ

PPMの各象限に位置付けられる事業の方針に関する論点でした。各象限の名前と、当該象限に位置付けられる事業の採用すべき方針について整理しておきましょう。

4

PPMに関する問題です。

選択肢1. PPMでは、「金のなる木」で創出した資金を「花形」に投資して、次世代を担う事業を育成することが、最適な企業成長を図る上での中核的なシナリオとして想定されている。

適切とは言い切れません。

「金のなる木」で創出した資金は、「花形」に投資することも重要ですが、「問題児」に投資することも重要となります。

選択肢2. PPMでは、「負け犬」に位置づけられる事業は「収穫(harvest)」ないし「撤退(withdraw)」の対象とすることが、望ましいとされる。

適切です。

「負け犬」に位置づけられる事業は、市場の成長率も低く占有率も低いです。しかし、必ずしも撤退するのではなく、小さな利益を獲得する戦略も考えられます。

選択肢3. PPMは企業における事業のポートフォリオを検討する手段であることから、そこでは、ヒト、モノ、カネといった経営資源に関する事業間のシナジーは、考慮されない。

不適切です。

PPMは、企業が展開する複数の製品・事業の組み合わせと経営資源配分を最適化するための考え方ですので、事業間のシナジーも考慮する必要があります。

選択肢4. プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの縦軸は、当該企業の各事業(戦略事業単位(SBU))の成長率で構成される。

不適切です。

PPMは、市場成長率と市場占有率の2軸で考えられます。

選択肢5. プロダクト・ポートフォリオ・マトリックスの横軸は、各事業(戦略事業単位(SBU))が属する業界の集中度を示すエントロピー指数で構成される。

不適切です。

PPMは、市場成長率と市場占有率の2軸で考えられます。

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