中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
企業経営理論 問5
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和4年度(2022年) 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
M&A(企業の合併・買収)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- TOBとは、買収コストを充足するために、買収する企業の資産や買収後のキャッシュフローを担保として借入金を調達し、企業買収を行う手法である。
- 黄金株とは、会社の合併などの重要な決議事項について、株主総会で拒否権を行使できる株式であり、敵対的買収に対する防衛策となる。
- カーブアウトとは、敵対的買収の対象となる企業の経営者が、買収される前に会社の魅力的な資産を売却して、敵対的買収の意欲を削ぐ買収防衛策である。
- コントロール・プレミアムとは、企業の経営陣が企業の所有者から株式などを買い取り、経営権を取得することで生じる1株当たりの価値の上昇分を指す。
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この過去問の解説 (3件)
01
M&Aに関する知識問題です。用語の意味を理解しましょう。
誤り
この記述はLBOの説明です。
TOBとはTake Over Bit(=株式公開買付)のことで、証券取引所を経由した買付けではなく、公開買付者が「買付期間」・「買付価格」・「買付予定株数」などを公表し、不特定多数の株主から直接的に株式の買付をすることです。
正しい
記述の通りです。
誤り
この記述はクラウンジュエルや焦土作戦の説明です。
カーブアウトとは、企業が事業の一部門を切り離して、新たにベンチャー企業を立ち上げることをいいます。
カーブアウトのメリットは下記の3点です。
①親会社からの経営資源を活用して事業促進を図れること(親会社の資本提供はない)
②個人投資家やファンドなど、外部からの融資によって資金調達ができること
③メイン事業に経営資源を集中して成長スピードを向上こと
似た用語に「スピンアウト」や「スピンオフ」があります。
スピンアウトは親会社から資本供給を受けずに、完全に独立した企業とすることです。
スピンオフは親会社からの資本関係が継続されたまま事業部を独立企業として独立させることです。
親会社からの資本援助を受けているため外部の融資を受けられません。
事業運営は安定するものの、親会社の意向も入るため意思決定に遅れが出ます。
独立の度合いは スピンアウト→カーブアウト→スピンオフと考えられます。
誤り
この記述は自社株買いの説明です。
コントロールプレミアムとは、株式の取得により、相手企業の支配権を取得する場合に顕在化する付加価値のことで、支配の影響力を表します。
支配権プレミアム、経営権プレミアム、買収プレミアムなどもほぼ同義です。
M&Aは中小企業ではホットな話題です。教科書で用語の意味を体系的に覚えていきましょう。
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02
企業の合併・買収に関する用語の問題です。経営法務でも出題される可能性がありますので、主要なものについては覚えておきましょう。
「TOB(Take Over Bid)」とは、株式公開買付のことで、「友好的TOB」と「敵対的TOB」の2種類があります。買収する企業の資産や買収後のキャッシュフローを担保として借入金を調達し、企業買収を行う手法は「LBO(Leveraged Buyout)」と言います。
正解です。
「黄金株」とは、株主総会で会社の合併などの重要議案を否決できる権利を有する特別な株式のことで、拒否権付き株式ともいわれます。 株式を買い占められる敵対的買収への防衛策のひとつとして利用されます。
「カーブアウト」とは、企業が実施する会社分割の一種で、親会社が戦略的に子会社や自社の事業の一部を切り出し、新会社として独立させることを言います。敵対的買収の対象となる企業の経営者が、買収される前に会社の魅力的な資産を売却して、敵対的買収の意欲を削ぐ買収防衛策は「焦土戦略」と言います。
「コントロール・プレミアム」とは、会社の株式の取得取引にあたって、株式取得者が当該株式取得によって会社の支配権をも確保できる場合に、支配価値の獲得に着目して対価に上乗せされる付加価値のことを言います。
企業の合併・買収の用語に関する問題でした。「TOB(Take Over Bid)」や「黄金株」といった用語は比較的出題されやすいものですので、必ず覚えておきましょう。
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03
M&Aに関する問題です。
不適切です。
TOBとは株式公開買付けのことで、不特定の者に対して買付価格や期間などを公表し、株式を買い取ることです。一般的には株主が売却したいと思わせるために現在の株価よりも高い価格を公表します。
適切です。
不適切です。
カーブアウトとは、企業が自社内から事業の一部を切り出して、一企業として独立させる経営手法です。
問題文はクラウンジュエルの説明です。
不適切です。
コントロール・プレミアムとは、会社の株式を取得する取引にあたって、株式取得者が当該株式取得によって会社の支配権をも確保できる場合に、支配価値の獲得に着目して対価に上乗せされる付加価値のことです。
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