中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
企業経営理論 問8
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和4年度(2022年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章の空欄に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
エフェクチュエーションは、S.D.サラスバシーが経験豊富な起業家の行動から抽出した実践的なロジックである。
エフェクチュエーションは、( )である。
エフェクチュエーションは、S.D.サラスバシーが経験豊富な起業家の行動から抽出した実践的なロジックである。
エフェクチュエーションは、( )である。
- 成功と失敗の確率が事前に分かっている場合に有効
- 特定の事業機会における競合分析や市場分析を行う場合に有効
- どのような環境に注目し、どのような環境を無視すべきかが不明瞭な場合に有効
- 目的からさかのぼって手段を考えることができる場合に有効
- 目的の選好順位が明確な場合に有効
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この過去問の解説 (3件)
01
ベンチャー企業のマネジメントに関する問題です。
エフェクチュエーションとは優れた起業家に共通する意思決定のプロセスです。
従来の経営戦略は、環境を分析し、「目的」や「目標設定」からスタートする「コーゼーション」と呼ばれるアプローチですが、エフェクチュエーションは「自分は何ができるか?」という「手段」の視点から事業を考えていくアプローチです。
コーゼーションは未来予測がある程度可能なときには有効なアプローチですが、環境の変化が激しい時代では機能しない場合があります。
VUCAな現代では、環境に左右されることなく、手持ちの手段から強みを見つけて問題解決を図っていくエフェクチュエーションのアプローチは有効だと考えられます。
サラスバシーは起業家の資源(強み)を見つける問いかけとして、以下の3つを提唱しました。
①自分は誰であるのか?(特質・能力・属性)
②何を知っているのか?(教育・専門性・経験)
③誰をしっているのか?(社会的ネットワーク)
また、エフェクチュエーションの5つの原則を提唱しました。
①手中の鳥の原則 既存の手段を用いて新しい何かを生み出すこと。
②許容可能な損失の原則 将来期待できる利益ベースではなく、失敗しても致命的にならないコストの上限を決めておくこと。
③クレイジーキルトの原則 様々な繋がりをパートナーと捉えて事業を推進すること。
④レモネードの原則 失敗を許容し、成功につなげる行動を重要視すること。
⑤飛行機の中のパイロットの原則 状況に応じて臨機応変な行動をすること。
本問では、選択肢が「エフェクチュエーション」か「コーゼーション」なのか判断して解いていきます。
誤り
未来予測ができるときはコーゼーションが有効です。
誤り
分析から目標を考えるのはコーゼーションです。
正しい
環境が不明瞭な場合はエフェクチュエーションが有効です。
誤り
目的から手段を考えるのはコーゼーションです。
誤り
目的が明確な場合はコーゼーションが有効です。
今後は、OODAループやアジャイル、デザイン思考など新しい経営の考え方が問題として登場する可能性があります。ネットニュースや書籍等で見かけたら、概要を覚えるようにしましょう。
概要をつかむだけで、試験本番の現場対応がしやすくなります。
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02
エフェクチュエーションに関する問題です。昨年度も出題されたようです。前年度に出た新規問題は要注意ですね。
エフェクチュエーションとは、従来の企業経営の「目標設定型」のアプローチ(目標達成のために何を実施するという逆算的なアプローチ)とは異なり、「問題解決型」のアプローチ(自分は何ができるかという観点から考え、自分が持っている資源(手段)を見出しながら状況を判断しつつゴールを目指すというアプローチ)とされています。したがって、現在のように市場が激変し、予測可能性の低い時代においては有効な考え方とされています。
冒頭の説明の通り、成功と失敗の確率が分からない場合に有効です。
従来の目標設定型のアプローチでは、特定の事業機会における競合分析や市場分析を行うことで事業の有効性を判断しますが、エフェクチエーションでは、競合以外も含む多様なステークホルダーと交渉しながら関係性を築き、双方の持てる資源を活用しながら事業を進めます。
正解です。
冒頭の説明の通り、予測可能性が低い時代に有効なアプローチとされています。
冒頭の説明の通り、目的からさかのぼって手段を考えるのではなく、自分が持つ資源を元に状況を判断しながら目的達成を目指すアプローチです。
冒頭の説明の通り、状況に応じて目的の選好順位が変わる可能性のあるアプローチです。
昨年度も出題された論点ですので、用語の意味は覚えておきましょう。
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03
エフェクチュエーションに関する問題です。
エフェクチュエーションとは、所与の資源や手段からスタートして、結果(目的)を創り出していくことに重視するアプローチのことです。よって、目的が不明瞭な場合に、手段から目的を導くことができます。
不適切です。
不適切です。
正解です。
不適切です。
不適切です。
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