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中小企業診断士の過去問 令和4年度(2022年) 企業経営理論 問10

問題

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野中郁次郎が提唱した知識創造理論に基づいて、組織的な知識創造を阻害したり促進したりする要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。
   1 .
経営者の主観的な思いは、組織的な知識創造を阻害する。
   2 .
組織構成員に自律性を与えると、全体の統制が取れなくなるので、組織的な知識創造は阻害される。
   3 .
組織構成員に当面必要のない仕事上の情報を重複して共有させると、コミュニケーションに混乱が生じるので、組織的な知識創造は阻害される。
   4 .
組織構成員に複数の役割を経験させ、多面的に物事を考えさせるようにすると、組織的な知識創造は促進される。
   5 .
組織構成員間で暗黙知が共有できるまで、外部組織とはできるだけ接触させない方が、組織的な知識創造は促進される。
( 中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和4年度(2022年) 問10 )
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この過去問の解説 (3件)

11

知識創造理論に関する問題です。

知識創造理論の重要概念である①暗黙知と形式知、②SECIモデルの理解が重要です。

これに加え、組織変革のマネジメント、公式組織の3要素、連結ピン、組織学習など「組織活性化」に関する知識を想起して問題を解いていきます。

選択肢1. 経営者の主観的な思いは、組織的な知識創造を阻害する。

誤り

知識創造は促進されます。

経営者の主観的な想いはビジョンや理念と言い換えられます。

これらは組織の一体感を高め、社員が自律的に行動するきっかけとなります。

ここで、ミドルマネジメントの能力として

①トップの思いを具体的なコンセプトに置き換え、部下と共有すること

②現場の複雑な状況を意味付け、有用な知識に変換していくこと

が求められます。

選択肢2. 組織構成員に自律性を与えると、全体の統制が取れなくなるので、組織的な知識創造は阻害される。

誤り

知識創造は促進されます。

自律性を与えない=指示待ちでは、構成員のモラールは低下し、知識創造されません。

構成員に自律性を与え、アクションを考え実践させることは知識創造につながります。

ここで「構成員の統制をとる」、つまり経営トップと現場を橋渡しするのがミドルマネジメントの役割といえます。

選択肢3. 組織構成員に当面必要のない仕事上の情報を重複して共有させると、コミュニケーションに混乱が生じるので、組織的な知識創造は阻害される。

誤り

知識創造は促進されます

「当面必要のない仕事上の情報」は「情報のスラック」です。

スラックは知識創造の種となり、多角化や新事業につながるきっかけとなります。

選択肢4. 組織構成員に複数の役割を経験させ、多面的に物事を考えさせるようにすると、組織的な知識創造は促進される。

正しい

複数の役割を経験させることで、個々の構成員に多様な暗黙知が形成され、交流の場をもつことでメンバーに共有されます。

「複数の役割」をスラックと考えてもよいでしょう。

選択肢5. 組織構成員間で暗黙知が共有できるまで、外部組織とはできるだけ接触させない方が、組織的な知識創造は促進される。

誤り

知識創造は阻害されます。

「外部組織との接触」は例えば、社外研修や共同研究などです。

外部組織に触れることで、組織に新たな知識や価値観が持ち込まれます。

まとめ

知識創造理論は1次試験でも重要ですが、2次試験でも重要な理論です。

事例Ⅰ(組織・人事)の「組織活性化」について助言する設問では、知識創造理論の背景知識から施策を提案することが求められます。

また、組織の知識創造を支援する「ナレッジマネジメントシステム」と呼ばれるツールも販売されています。経営の実務においても重要な概念です。

付箋メモを残すことが出来ます。
4

野中郁次郎の知識創造理論に関する問題です。昨年度に暗黙知の形式知化が出題されています。

知識創造理論では、知識を「暗黙知」と「形式知」の2種類に分類しています。暗黙知を「経験や勘、直感などに基づく知識や、簡単に言語化や文章化ができない主観的・身体的な経験知」(直感、ひらめきなど)、形式知を「文章や図表、数式等によって表現できる知識」(理論モデルやマニュアルなど)としています。さらにこの理論では、暗黙知と形式知の概念にもとづき、知識創造の仕組みを「SECIモデル」として以下の通り体系化しています。

①共同化 (Socialization) - 暗黙知から暗黙知へ(暗黙知を共有する)

②表出化 (Externalization) - 暗黙知から形式知へ(暗黙知を形式知化する)

③連結化 (Combination) - 形式知から形式知へ(形式知化した知識を他の形式知化した知識 と連結する)

④内面化 (Internalization) - 形式知から暗黙知へ(形式知を共有した者の中でさらに暗黙知化 する)

選択肢1. 経営者の主観的な思いは、組織的な知識創造を阻害する。

「経営者の主観的な思い」は、冒頭の説明より暗黙知に該当しますので、組織的な知識創造を阻害するものではなく、上記①に従い組織内で共有すべきです。

選択肢2. 組織構成員に自律性を与えると、全体の統制が取れなくなるので、組織的な知識創造は阻害される。

組織構成員に自律性を与えると、暗黙知の共有が進むと考えられるため、組織的な知識創造は促進されます。

選択肢3. 組織構成員に当面必要のない仕事上の情報を重複して共有させると、コミュニケーションに混乱が生じるので、組織的な知識創造は阻害される。

組織構成員にとって当面必要のない仕事上の情報は暗黙知に当たりますが、その共有が進めば「共同化」が進展しますので、組織的な知識創造は促進されます。

選択肢4. 組織構成員に複数の役割を経験させ、多面的に物事を考えさせるようにすると、組織的な知識創造は促進される。

正解です。

SECIモデルに従って暗黙知の形式知化が進むと考えられますので、組織的な知識創造は促進されます。

選択肢5. 組織構成員間で暗黙知が共有できるまで、外部組織とはできるだけ接触させない方が、組織的な知識創造は促進される。

外部組織との接触は、暗黙知の共有や形式知化にとってマイナスとはならないため誤りです。

まとめ

昨年、今年と続けて出題された論点となりました。来年も出題されるかもしれませんので、冒頭の説明内容は理解しておきましょう。

3

知的創造理論に関する問題です。

選択肢1. 経営者の主観的な思いは、組織的な知識創造を阻害する。

不適切です。

経営者の主観的な想い、ビジョン、理念は組織内で共有することで、知的創造は促進されます。

選択肢2. 組織構成員に自律性を与えると、全体の統制が取れなくなるので、組織的な知識創造は阻害される。

不適切です。

構成員は自律性を持つことで、自ら考え行動し。知的創造が促進されます。

選択肢3. 組織構成員に当面必要のない仕事上の情報を重複して共有させると、コミュニケーションに混乱が生じるので、組織的な知識創造は阻害される。

不適切です。

当面必要のない仕事上の情報を構成員は知識創造のきっかけとして、様々な展開を考えます。

選択肢4. 組織構成員に複数の役割を経験させ、多面的に物事を考えさせるようにすると、組織的な知識創造は促進される。

適切です。

選択肢5. 組織構成員間で暗黙知が共有できるまで、外部組織とはできるだけ接触させない方が、組織的な知識創造は促進される。

不適切です。

外部組織との接触により、新たな情報や技術を習得することができるため、知的創造は促進されます。

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