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中小企業診断士の過去問 令和4年度(2022年) 企業経営理論 問20

問題

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共通の組織形態を持つ組織個体群と環境の関係を分析する理論に、個体群生態学モデル(population ecology model)がある。このモデルは組織個体群の変化を、「変異(variation)-選択・淘汰(selection)-保持(retention)」という自然淘汰モデルによって説明する。個体群生態学モデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
   1 .
既存の組織形態を保持しようとする力が強ければ、新たな組織形態が生まれる可能性は低くなる。
   2 .
個体群生態学モデルでは、環境の変化に対して自らの組織形態を柔軟に変化させて対応できる組織群が選択され、長期にわたって保持されることを示唆する。
   3 .
組織内の部門が緩やかな結合関係にある場合、変異が生じる可能性が高くなるが、保持されている既存の組織形態の存続の可能性は高くなる。
   4 .
変異段階で新たに生まれる組織個体群は、既存の組織から派生してくるケースは少なく、独立した企業者活動を通じて生み出される。
   5 .
変異によって生まれた組織個体群は、政府などによる規制や政策によって選択・淘汰されるが、規制が緩和されれば保持される組織形態の多様性は減少する。
( 中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和4年度(2022年) 問20 )
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この過去問の解説 (3件)

16

個体群生態学モデルに関する問題です。

2008年の過去問で出題されているようです。

個体群生態学モデルは生物学の考え方を組織論に応用した考え方です。

このモデルでは、組織には慣性(組織慣性)があると考えられます。

コンティンジェンシー理論は「環境に合わせて組織も変化する」と考えますが、個体群生態学モデルはこの考え方と対立します。

個体群とは個の集まりであり、自然淘汰に勝ち残った企業は同型の変異を辿ったと考えられています。(制度的同型化)

選択肢1. 既存の組織形態を保持しようとする力が強ければ、新たな組織形態が生まれる可能性は低くなる。

正しい

組織慣性に則り、保持の力が強まれば、新たな進化の可能性は低くなると考えられます。

選択肢2. 個体群生態学モデルでは、環境の変化に対して自らの組織形態を柔軟に変化させて対応できる組織群が選択され、長期にわたって保持されることを示唆する。

誤り

コンティンジェンシー理論の解釈です。

選択肢3. 組織内の部門が緩やかな結合関係にある場合、変異が生じる可能性が高くなるが、保持されている既存の組織形態の存続の可能性は高くなる。

誤り

前半は正しいです。変異が生じる可能性が高いなら、既存の組織形態も変化する可能性が高いです。

選択肢4. 変異段階で新たに生まれる組織個体群は、既存の組織から派生してくるケースは少なく、独立した企業者活動を通じて生み出される。

誤り

変異段階で生まれる組織個体群は既存の組織から派生します。

選択肢5. 変異によって生まれた組織個体群は、政府などによる規制や政策によって選択・淘汰されるが、規制が緩和されれば保持される組織形態の多様性は減少する。

誤り

前半は正しいです。規制緩和されることで組織形態は多様化します。規制緩和で躍進した企業や業界をイメージしてみましょう。

まとめ

出題頻度も低く難解な問題ですが、このような問題ほど設問文にヒントがあります。

知識がなくてもヒントをもとに推論していきましょう。

付箋メモを残すことが出来ます。
5

個体群生態学モデルに関する出題です。

設問の内容に補足すると、個体群生態学モデルでは、組織には慣性(状態を保持し続けようとする力)があると考えられており、環境変化によって組織は変異、選択・淘汰、保持という状態(組織形態)の変化を起こして環境に適用させようとするが、それには限界があり、最終的には保持の状態を持続するという考え方です。既存の組織形態を保持しようとする力が強ければ、組織形態は維持される傾向にあります。

選択肢1. 既存の組織形態を保持しようとする力が強ければ、新たな組織形態が生まれる可能性は低くなる。

正解です。

冒頭の説明の通り、元々組織には最終的に組織形態を保持しようとする傾向にあるので、その力が強ければ新たな組織形態が生まれる可能性は低くなります。

選択肢2. 個体群生態学モデルでは、環境の変化に対して自らの組織形態を柔軟に変化させて対応できる組織群が選択され、長期にわたって保持されることを示唆する。

組織形態を論じているのであって、組織群そのものが長期にわたって保持されることを説明するものではありません。

選択肢3. 組織内の部門が緩やかな結合関係にある場合、変異が生じる可能性が高くなるが、保持されている既存の組織形態の存続の可能性は高くなる。

組織の部門内の結合関係は問題とはなりません(組織個体群自体が共通の属性を有している)。

選択肢4. 変異段階で新たに生まれる組織個体群は、既存の組織から派生してくるケースは少なく、独立した企業者活動を通じて生み出される。

変異段階で新たに生まれる組織個体群は、既存の組織から派生するケースが多いです。

選択肢5. 変異によって生まれた組織個体群は、政府などによる規制や政策によって選択・淘汰されるが、規制が緩和されれば保持される組織形態の多様性は減少する。

規制が緩和されれば、その環境変化によって組織形態の多様性は増加します。

まとめ

個体群生態学モデルは昔からある組織論の論点の一つですが難解ですね。過去問を数多くこなして回答の仕方に慣れるのがよいと思います。

4

個体群生態学モデルはコンティンジェンシー理論と比較されます。

コンティンジェンシー理論では、組織は環境に適応していくとされていますが、個体群生態学モデルでは、環境への適用には限界があり、慣性が働くと考えられています。

選択肢1. 既存の組織形態を保持しようとする力が強ければ、新たな組織形態が生まれる可能性は低くなる。

適切です。

既存の組織形態を保持しようとする力が強ければ慣性が働き、新たな組織形態が生まれにくくなるように作用します。

選択肢2. 個体群生態学モデルでは、環境の変化に対して自らの組織形態を柔軟に変化させて対応できる組織群が選択され、長期にわたって保持されることを示唆する。

不適切です。

コンティンジェンシー理論の説明です。

選択肢3. 組織内の部門が緩やかな結合関係にある場合、変異が生じる可能性が高くなるが、保持されている既存の組織形態の存続の可能性は高くなる。

不適切です。

変異が生じる可能性が高いと、既存の組織形態も変異する可能性が高まります。

選択肢4. 変異段階で新たに生まれる組織個体群は、既存の組織から派生してくるケースは少なく、独立した企業者活動を通じて生み出される。

不適切です。

変異段階では既存の組織が変わろうとしている段階ですので、その慣性に従って既存の組織から新たな組織個体群が生まれてきます。

選択肢5. 変異によって生まれた組織個体群は、政府などによる規制や政策によって選択・淘汰されるが、規制が緩和されれば保持される組織形態の多様性は減少する。

不適切です。

前半部分は正しいですが、変異という慣性に従って、規制が緩和されると多様性は増加します。

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