消費者が商品に対して感じる価値や価格を巡る出題です。マーケティング知識の応用が求められる問題です。
選択肢1. 同じ製品でも、その製造プロセスなどに消費者を巻き込んでいくことを通じて、より高い価値を感じてもらうことが可能である。この場合、結果としてより高い価格で買ってもらうこと以外に、価格を据え置くことによって、より高い顧客満足を感じてもらうという選択肢もある。
正解です。
いわゆるユーザー参加型の商品開発のことですね。製造プロセスに消費者を巻き込むことで顧客をファン化し、顧客との関係性強化を狙うものです。
選択肢2. 消費者が価格に対して感じる意味とは「支出の痛み」であるから、価格が下がれば支出の痛みは和らぎ、価格が上がれば支出の痛みは強くなる。このため日用品の分野では、通常は価格を上げれば売り上げは低下する。このような財は「ギッフェン財」と呼ばれる。
ギッフェン財とは、収入の少ない家計がより多く必要とする劣等財であるために、価格の上昇に対して需要量が増加する財、または価格の下落に対して需要量が減少する財のことです。
選択肢3. 消費者が製品が提供する価値に対して支払ってもよいと感じる価格は状況によって異なることがあるが、一物一価の原則により、同一製品に異なる価格をつけることは禁止されている。
「一物一価の原則により、同一製品に異なる価格をつけることは禁止されている」という部分が誤りです。
選択肢4. 消費者が製品の品質を判断するために用いる情報はブランドではなく価格である。このため、どのような価格を設定するかは、消費者の品質判断に強い影響を及ぼす。
消費者が製品の品質を判断するために用いる情報は、価格というよりはブランドの傾向が強いです。
選択肢5. プレステージ性が高いラグジュアリー・ブランドでは、価格が上がることによって、より高い価値を感じる消費者もいる。この理由は、プロスペクト理論によって説明することができる。
プロスペクト理論とは、「人は損失を回避する傾向があるが、状況によってその判断が変わる」という考え方です。マーケティングの世界では、この理論を応用して期間限定セールや無料キャンペーンを行って、消費者の損失回避思考に訴える行動を行います。したがってプロスペクト理論は設問の題意に合いません。
まとめ
マーケティング知識の応用を問う問題でした。マーケティングに関する知識を学習した後で問題演習により力を付けていくことが必要です。