中小企業診断士の過去問 令和4年度（2022年） 企業経営理論 問33

正解です。

一般的に「衰退期」においては、マーケティングによる製品の認知拡大や販売促進の効果が落ちてくる時期になります。この時期に市場に残る顧客は一般的にロイヤルティが高いということが言えるので、売上は小さくとも高い利益率を実現できる可能性を否定することはできません。

設問の内容は「成長期」ではなく、「成熟期」のマーケティング方針です。成熟期においては、製品の市場価格は下がるとともに、売上も伸び悩んできます。これまでの販売促進策を採っても顧客の反応がにぶくなるので、積極的な広告戦略は控え、特定のニーズに特化するなど、顧客ニーズの多様性に対応して売上を確保する方法が採られます。

PLCは製品の売上と利益の変遷を体系化したモデルですが、すべての製品のライフサイクルを確実に予測できるものではなく、すべての製品が同じ推移を辿るものでもありません。

計画的陳腐化とは、旧製品の陳腐化と新製品の購買意欲を刺激するマーケティング手法ですので、当該製品カテゴリーのライフサイクルの短縮につながるものではりません。

「ファッド」とは一時的な流行のことを言います。設問のはやったり、廃れたりを繰り返すのは「ファッション」と言います。

適切です。

PLCの衰退期では、ロイヤルティの高い顧客のみが残っている可能性が高く、企業は当該事業を維持し続けることで、売り上げは小さくとも高い利益率を実現できる可能性は残されています。

不適切です。

企業が自社製品の品質、特徴、パッケージといった特性に手を加えたり、自社のサービスに新しい利用シーンを提案するのは成熟期です。

成熟期には、他の企業に模範されることも多く、製品の差が小さくなります。

そこで、他の企業との差別化を図るための企業努力を行います。

不適切です。

PLCは製品や市場の動きを確実に予測することはできません。

不適切です。

計画的陳腐化は、旧製品の魅力を下げることで、新製品の購買意欲を刺激することができるので、マーケティング戦略として有効な場合もあります。

不適切です。

ファッドとは、一時的な流行のことで、PLCが短くなります。

通常は、成熟期がないことが多いです。

衰退期の戦略としては撤退か、選択肢のようにロイヤルティが高い顧客を対象に少ない売上でも高い利益率を期待して販売を続けることになります。

そのため本選択肢が正解です。

選択肢のようなマーケティングは成熟期に選択する内容です。

成長期の目標は市場シェアの最大化であるため、製品の改良などを選択します。

そのため本選択肢は不正解です。

PLCはあくまでも製品や市場の動きを予測するツールであるため、本選択肢は不正解です。

計画的陳腐化の行動として正しい説明ですが、実行は避けるべきという点が誤っています。

意図的にPLCを短縮するために実行されているため、本選択肢は不正解です。

ファッドとは、一過性のヒット商品のことを指すため、本選択肢は不正解です。