中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
企業経営理論 問34(2)
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和4年度(2022年) 問34(2) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
製品開発のリスクを少しでも低くするためには、市場環境を適切に把握した上で、効率的な開発プロセスが必要である。顧客ニーズの移り変わりが早く、競争の激しい今日の市場においては、①従来型の典型的開発プロセスにとらわれない②新たな開発プロセスが採用されることもある。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
製品開発のリスクを少しでも低くするためには、市場環境を適切に把握した上で、効率的な開発プロセスが必要である。顧客ニーズの移り変わりが早く、競争の激しい今日の市場においては、①従来型の典型的開発プロセスにとらわれない②新たな開発プロセスが採用されることもある。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 開発プロセスに社外の資源を求める動きが加速している中、従業員や研究機関、他の企業だけでなく、顧客を含む不特定多数の人々にまで広く分散して製品開発のプロセスに関わってもらう方法はユーザーイノベーションと呼ばれている。
- 顧客の移り変わりと競争が激しい市場においては、企画、開発、マーケティング、財務、生産などの各段階を一つ一つ着実に完了させてから次の部門へ引き継いでいくというプロセスによって、製品の失敗や売り上げの機会損失を少なくすることができる。
- 他の組織と共同で製品開発を進める場合、自らの組織が有する技術やノウハウと他の組織が有する技術やノウハウとの補完性や適合性が重要視されるため、開発プロセスはシーズ志向よりもニーズ志向が重んじられる。
- 多様な部門のメンバーが1つのチームを形成して、製品開発における複数のステップを同時に進める場合、さまざまな部門のメンバーがプロセスの全段階に同時進行で関わるため、従来型の典型的な開発に比べて、組織に緊張やコンフリクトが生じやすくなる。
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この過去問の解説 (3件)
01
新たな製品開発プロセスに関する問題です。
設問の内容は、「オープンイノベーション」と言われます。
設問の場合は、確かに製品の失敗の可能性は軽減されると思いますが、一方で開発プロセスが長期化することにより売上の機会損失の可能性を高めることになります。
設問の場合は、双方の技術やノウハウを有効に使用することによる製品開発になるので、ニーズ志向ではなくシーズ志向になります。
正解です。
様々なメンバーが同時に複数のステップに係る場合、当然の結果として緊張やコンフリクトの発生の可能性が高まることが考えられます。但しそのような緊張やコンフリクトはより高い開発の成果を得るためのものとも言うことができます。
最近の製品開発の動向に関する問題でした。時事問題とも言うことができますので、普段からマーケティングの最新の動向に気を配ることも必要です。
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02
新たな開発プロセスに関する問題です。
不適切です。
ユーザーイノベーションとは、その製品のユーザーの意見なども活用して製品開発を行うことです。
不特定多数の人々にまで広く分散して製品開発のプロセスに関わってもらう方法は、クラウドソーシング法と言います。
不適切です。
顧客の移り変わりと競争が激しい市場においては、製品開発のスピードが求められるため、一つ一つ着実に完了させてから次の部門へ引き継いでいくというプロセスではなく、複数の段階を同時進行で進める必要があります。
不適切です。
シーズ志向とは、企業が持つ独自の技術などを活かして、製品開発を行う手法のことです。
そのため、自らの組織が有する技術やノウハウと他の組織が有する技術やノウハウとの補完性や適合性が重要視される場合は、ニーズ志向よりもシーズ志向が重んじられます。
適切です。
製品開発において複数のステップを同時進行で進めると、様々な部署のメンバーが関わる機会が多くなりますので、組織に緊張やコンフリクトが生じやすくなります。
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03
新たな開発プロセスとして、従来型ことは異なる開発手法それぞれの知識を問う問題です。
それぞれの選択肢を解説していきます。
選択肢の手法は、オープン・イノベーションのことです。
ユーザーイノベーションとは、消費者が管理しているコミュニティでユーザー同士の協働を通じて実現されるものであるため、本選択肢は不正解です。
顧客の移り変わりと競争が激しい市場では、一つ一つ着実に完了させることよりも、まず製品を作って顧客との対話を重ねて試行錯誤を重ねる手法が重視されます。
上記のような手法のことをアジャイル開発と呼びます。
そのため本選択肢は不正解です。
他の組織と共同で製品開発を進めるオープン・イノベーションにおいては、企業内部のアイデアであるシーズから、新たな製品を開発することもあるため、本選択肢は不正解です。
多様な部門のメンバーが1つのチームを形成するスクラムの説明として適切であるため、本選択肢が正解です。
新たな製品開発プロセスという若干掴みどころのない出題のされ方ですが、選択肢を精読すると学習している内容が問われているため、正解することは十分に可能な設問でした。
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