中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
運営管理 問10

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和4年度(2022年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

発注方式における発注点あるいは発注量の決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 安全在庫は欠品を起こさないために決めるものであるが、保有在庫は安全在庫として決めた量を下回ることがある。
  • 経済的発注量は、累積入荷数量と累積出荷数量に基づいて決まる。
  • ダブルビン方式の発注量は、納入リードタイムを考慮して、その都度、決める。
  • 内示とは、発注後に納入日を提示することである。
  • 発注点とは、発注をする時点を示し、通常、日付のことである。

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この過去問の解説 (3件)

01

発注方式に関する用語の意味を問われている問題です。

選択肢1. 安全在庫は欠品を起こさないために決めるものであるが、保有在庫は安全在庫として決めた量を下回ることがある。

安全在庫とは、品切れを防止するために需要変動や調達リードタイムを考慮して決定する在庫量のことです。

需要変動などの影響で保有在庫が安全在庫を下回ることがあるため、本選択肢が正解です。

選択肢2. 経済的発注量は、累積入荷数量と累積出荷数量に基づいて決まる。

経済的発注量在庫費用=発注費用となり、在庫に関する費用を最も低く抑えられる発注量を指します。

累積入荷数量と累積出荷数量により決定されるものではないため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. ダブルビン方式の発注量は、納入リードタイムを考慮して、その都度、決める。

ダブルビン方式とは、定量発注方式の簡易版と位置付けられています。イメージとして、同容量のビンを2つ用意して片方が空になった時点で1本分を発注するシンプルな管理方法で発注量は常に同じです。納品リードタイムを考慮して発注量を決める方式ではないため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. 内示とは、発注後に納入日を提示することである。
  • 内示とは、発注予定の内容についてあらかじめ仕入先に通達するものです。そのため本選択肢は不正解です。

選択肢5. 発注点とは、発注をする時点を示し、通常、日付のことである。

発注点とは、定量発注方式で用いられるものです。在庫量がこの数量まで減少したら発注を行うと事前に決めた在庫量のことを指します。そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

発注方式は繰り返し問われている頻出論点です。

様々な発注方式や用語がありますが、学習して抑えておけば得点源にできます。

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02

正解は1です。

発注方式における発注点あるいは発注量の決定に関するこの問題は、

発注方式を正しく理解し、それぞれの発注量や在庫量の用語の意味を

把握しておく必要があります。

用語の意味については、以下の解説を参照してください。

選択肢1. 安全在庫は欠品を起こさないために決めるものであるが、保有在庫は安全在庫として決めた量を下回ることがある。

正解です。

保有在庫とは、ある製品について、安全在庫を含め、組織や工場全体として

保有している在庫のことです。

安全在庫は、欠品を起こさないために、その組織で決定している一定の在庫量のことですが、

需要の変動などにより、保有在庫が設定している安全在庫を下回ることがあります

選択肢2. 経済的発注量は、累積入荷数量と累積出荷数量に基づいて決まる。

誤りです。

経済的発注量は、1回あたりの発注量と発注の頻度によって決定します

選択肢3. ダブルビン方式の発注量は、納入リードタイムを考慮して、その都度、決める。

誤りです。

ダブルビン方式とは、1つの材料に対して、2つの同じ大きさの場所(ビン)を用意し、

片方のビンから使用し、その片方のビンの在庫がなくなったら、

ビンが満タンになる量を発注します。

そのため、発注量は常に同じです

選択肢4. 内示とは、発注後に納入日を提示することである。

誤りです。

内示とは、注文は確定していないが、発注予定の数量や納入予定日を、

仕入れ先にあらかじめ伝えることです。

そのため、納入日は正式な発注の前に提示しています

選択肢5. 発注点とは、発注をする時点を示し、通常、日付のことである。

誤りです。

発注点を用いた発注では、在庫量があらかじめ定めた一定量を下回るタイミングで発注します。そのため、発注点は日付ではなく、通常、在庫量を指します

まとめ

このような発注方式に関する問題では、用語の意味を理解することが重要です。

それぞれの選択肢のオレンジ色の用語の意味を理解するようにしましょう。

参考になった数4

03

発注方式における発注点あるいは発注量の決定に関する問題です。

基本的な知識があれば、容易に正答できる内容です。

選択肢1. 安全在庫は欠品を起こさないために決めるものであるが、保有在庫は安全在庫として決めた量を下回ることがある。

正解の選択肢となります。

選択肢2. 経済的発注量は、累積入荷数量と累積出荷数量に基づいて決まる。

経済的発注量は、1回あたりの発注費用年間需要量在庫品の単価在庫費用率に基づいて決まります。

選択肢3. ダブルビン方式の発注量は、納入リードタイムを考慮して、その都度、決める。

ダブルビン方式の発注量は、納入リードタイムを考慮するものではなく、その都度、決めるものでもありません

選択肢4. 内示とは、発注後に納入日を提示することである。

内示とは、発注発注する品目の数量を提示することです。

選択肢5. 発注点とは、発注をする時点を示し、通常、日付のことである。

発注点とは、通常、在庫水準のことです。

まとめ

【補足】

経済的発注量は頻出論点となります。

 

過去の本試験では、経済的発注量の計算式を一部空欄にして空欄に入る組み合わせを問うパターン(空欄も数式や用語等、複数のバリエーションがある)、計算式そのものを選択肢で問うパターン、計算式を文章で正誤判断させる等の出題がありました。

 

計算式は完全に暗記しておくことが大前提ですが、頻出論点であるため過去問題は豊富にあります。最優先で、過去問題は全て正答できるようにしておいてください。

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