中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
経営法務 問14

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和4年度(2022年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の会話は、発明家である甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄に入る記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

甲氏:「私は便利な掃除用具を発明しました。われながらとても良いアイデアであり、特許を取ってみたいと考えています。そこで質問があります。
実はこの発明を1か月前に発明展に展示してしまいました。そのときはまだ特許を取るなんて全然考えていなかったので、発明展に自発的に応募して出品しました。しかし、先週になって特許を取りたいと思うようになりました。
新規性がないということで、この発明の特許を取得することは無理でしょうか。この発明展は1週間にわたり開催されました。一般に開放したので、老若男女問わず多くの来場者がありました。新規性を喪失しても救済される制度が特許法にあると聞きました。この制度について教えていただけないでしょうか。」
あなた:「発明の新規性喪失の例外規定ですね。(   )。知り合いの弁理士をご紹介しましょうか。」
  • 新規性を喪失した日から1年以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます
  • 新規性を喪失した日から18か月以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます
  • 新規性を喪失した日から18か月以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます
  • 新規性を喪失した日から2年以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます

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この過去問の解説 (3件)

01

発明の新規性喪失の例外規定について、特許法では、新規性を喪失した日から、1年以内に特許出願する必要があると定められています。

選択肢1. 新規性を喪失した日から1年以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます

この例外規定では、刊行物への論文発表等によって自らの発明を公開したことによって新規性を喪失した場合でも、所定の手続を行うことで新規性を喪失しないものとして取り扱われます。

そのため、本問のように、自らの意思で展示した場合でも条件を満たせば、この例外規定の適用が可能です。

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02

新規性を喪失した日から1年以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます。が正解の選択肢となります。

本問では、新規性喪失の期間と特許を受ける権利を有する者の行為に起因する場合の2つが問われていますが、新規性喪失の期間の判断だけで正解を導き出すことができる平易な問題のため、是非とも正解したいところです。

【特許法第30条】

新規性を喪失したものについて、

①公表日から1年以内に例外規定の適用を受けたい旨の書面等を特許出願と同時に提出

②新規性喪失が特許を受ける権利を有する者の行為に起因する場合には、特許出願から30日以内に公表に係る事実を証明する書面 (証明書)を提出

選択肢1. 新規性を喪失した日から1年以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます

正解です。

選択肢2. 新規性を喪失した日から18か月以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます

不適切です。

選択肢3. 新規性を喪失した日から18か月以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます

不適切です。

選択肢4. 新規性を喪失した日から2年以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます

不適切です。

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03

特許権の登録要件の一つに新規性があります。

登録要件であるため、新規性が失われていた場合は特許登録は認められないことになりますが、その救済措置を発明の新規性喪失の例外規定として定められています。

具体的には以下の内容です。

1.新規性喪失から1年以内に出願していること

2.(自らの意思で公開する等して新規性が喪失した場合には)1の出願から30日以内に「新規性喪失の例外規定の適用を受けることができる発明であることを証明する書面」を提出すること

上記を満たせば例外的に新規性喪失でも登録を受けることができます。

選択肢1. 新規性を喪失した日から1年以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます

本選択肢が正解です。

選択肢2. 新規性を喪失した日から18か月以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます

本選択肢は不正解です。

選択肢3. 新規性を喪失した日から18か月以内に特許出願をする必要があります。そして、特許を受ける権利を有する者の行為に起因して発明が新規性を喪失した場合にも、所定の手続的要件を充足することで、この適用を受けられます

本選択肢は不正解です。

選択肢4. 新規性を喪失した日から2年以内に特許出願すればこの適用を受けられます。しかし、この適用を受けられるのは、特許を受ける権利を有する者の意に反して発明が新規性を喪失した場合に限られます

本選択肢は不正解です。

まとめ

本来は新規性が登録要件ですが、それがない場合の例外規定も定められています。

特許権についての学習の際に、こちらもおさえておけば本問のような出題にも対応できます。

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