中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
経営法務 問16

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和4年度(2022年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

特許権及び著作権の共有に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、共有者間の契約で別段の定めはないものとする。
  • 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。  著作権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。
  • 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、自らその特許発明の実施をすることができる。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらないで、自ら複製等の著作権の利用をすることができる。
  • 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について、他人に通常実施権を許諾することができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、他人に複製等の著作権の利用を許諾することができない。
  • 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、自らその特許発明の実施をすることができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、自ら複製等の著作権の利用をすることができない。

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この過去問の解説 (3件)

01

特許権及び著作権の共有に関する問題です。

選択肢1. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。  著作権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。

特許法第73条で「特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又はその持分を目的として質権を設定することができない。」と定められているため、誤りです。

著作権法第65条で「共同著作物の著作権その他共有に係る著作権(以下この条において「共有著作権」という。)については、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その持分を譲渡し、又は質権の目的とすることができない。」と定められているので、誤りです。

選択肢2. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、自らその特許発明の実施をすることができる。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらないで、自ら複製等の著作権の利用をすることができる。

特許法第73条で「特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。」と定められているので、適切です。

著作権法第65条で「共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。」と定められているので、誤りです。

選択肢3. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について、他人に通常実施権を許諾することができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、他人に複製等の著作権の利用を許諾することができない。

特許法第73条で「特許権が共有に係るときは、各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について専用実施権を設定し、又は他人に通常実施権を許諾することができない。」と定められているので、適切です。

著作権法第65条で「共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。」と定められているので、適切です。

選択肢4. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、自らその特許発明の実施をすることができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、自ら複製等の著作権の利用をすることができない。

特許法第73条で「特許権が共有に係るときは、各共有者は、契約で別段の定をした場合を除き、他の共有者の同意を得ないでその特許発明の実施をすることができる。」と定められているので、誤りです。

著作権法第65条で「共有著作権は、その共有者全員の合意によらなければ、行使することができない。」と定められているので、適切です。

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02

特許権と著作権の共有に関する問題です。

それぞれ他の財産権とは異なるため、特別規定などが設けられているため注意が必要です。

持分の譲渡については、特許権も著作権も共有者の全員からの同意が必要です

権利の使用は、特許権は全員の同意は不要ですが、著作権は共有者全員の同意が必要とされています。

上記の基本的な内容をふまえて各選択肢を見ていきます。

選択肢1. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。  著作権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。

特許権も著作権も共有者全員の同意が必要であるため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、自らその特許発明の実施をすることができる。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらないで、自ら複製等の著作権の利用をすることができる。

著作権の利用は共有者全員の同意が必要であるため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について、他人に通常実施権を許諾することができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、他人に複製等の著作権の利用を許諾することができない。

通常実施権も専用実施権のどちらの設定にも共有者全員の同意が必要です。

著作権の利用は共有者全員の同意が必要です。

選択肢の内容が適切であるため、本選択肢が正解です。

選択肢4. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、自らその特許発明の実施をすることができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、自ら複製等の著作権の利用をすることができない。

特許発明の実施には共有者の同意は不要です。

対して著作権は同意が必要であるため、本選択肢は不正解です。

まとめ

著作権は全員の同意がなければ持分の譲渡も権利の行使もできませんが、正当な理由がない場合は拒絶できないと規定されています。

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03

特許権と著作権の共有の知識を問う組み合わせ問題です。

まず、特許権から見ていきます。

複数名による共同プロジェクト等で達成された発明については、発明に参画した全員に特許を受ける権利が発生するため、全員で出願する必要があります(共同出願)。

ここで注意して頂きたいことは、特許発明の実施は各共有者が単独で行うことができますが、持分の譲渡、質権の設定、専用実施権または通常実施権の設定については他の共有者の同意が必要とされる点です。

次に、著作権についても、著作物に参画した全員が著作権を有する(共同著作権)ため、持分の譲渡、複製等の著作権の利用等を行うには全員の合意が必要となります。

選択肢1. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。  著作権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。

特許発明の持分の譲渡については他の共有者の同意が必要とされ、著作権についても持分の譲渡を行うには共有者全員の合意が必要となるため、不適切です。

選択肢2. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、自らその特許発明の実施をすることができる。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらないで、自ら複製等の著作権の利用をすることができる。

特許発明の実施は各共有者が単独で行うことができますが、著作権の利用を行うには共有者全員の合意が必要となるため、不適切です。

選択肢3. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について、他人に通常実施権を許諾することができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、他人に複製等の著作権の利用を許諾することができない。

選択肢のとおりです。

選択肢4. 特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、自らその特許発明の実施をすることができない。  著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、自ら複製等の著作権の利用をすることができない。

特許発明の実施は各共有者が単独で行うことができるため、不適切です。なお、著作権の利用には、共有者全員の合意が必要となります。

参考になった数5