中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
中小企業経営・中小企業政策 問7(1)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和4年度(2022年) 問7(1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

財務省「法人企業統計調査年報」に基づき、1990年度から2019年度の期間について、企業規模別に自己資本比率の推移を見た場合、中規模企業の自己資本比率は、2000年度以降、( A )傾向にあり、大企業と中規模企業の自己資本比率の格差は( B )傾向にある。
また、財務省「令和元年度法人企業統計調査年報」に基づき、業種別に中規模企業の借入金依存度の平均値を見ると、業種によって違いが見受けられる。
なお、ここで大企業とは資本金10億円以上、中規模企業とは資本金1,000万円以上1億円未満の企業をいう。借入金依存度は、金融機関借入金とその他の借入金と社債の合計を総資産で除して算出する。

文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
  • A:上昇   B:拡大
  • A:上昇   B:縮小
  • A:低下   B:拡大
  • A:低下   B:縮小
  • A:横ばい  B:拡大

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この過去問の解説 (3件)

01

財務省「法人企業統計調査年報」によると、中規模企業の自己資本比率は、2000年度は20%でしたが、その後上昇傾向にあり、2019年度には42.8%となっています。

一方で大企業の自己資本比率は、2000年度は30%で、こちらも上昇傾向にあり、2019年度には44.8%となっています。

そのため、中規模企業の自己資本比率は、2000年度以降、上昇傾向にあり、大企業と中規模企業の自己資本比率の格差は縮小傾向にあります。

選択肢1. A:上昇   B:拡大

上記説明より、Aは上昇、Bは縮小となります。

選択肢2. A:上昇   B:縮小

正解です。

選択肢3. A:低下   B:拡大

上記説明より、Aは上昇、Bは縮小となります。

選択肢4. A:低下   B:縮小

上記説明より、Aは上昇となります。

選択肢5. A:横ばい  B:拡大

上記説明より、Aは上昇、Bは縮小となります。

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02

中小企業白書2021第2部(Ⅱ-4ページ)に記載がありますが、Ⅱ-4のグラフを見て覚えるだけではなく、次のⅡ-5のグラフも併せて読むことで理解し易くなると思います。

Ⅱ-4ページには、4つのグラフ(全規模、大企業、中規模企業、小規模企業)が示されていますが、2000年度以降、中規模企業の資金調達構造が大企業に似てきており、借入金依存度と自己資本比率の数値は大企業と遜色ないレベルになっています。以上から、空欄Aには(上昇)傾向、空欄Bには(縮小)傾向がそれぞれ入り、選択肢2が正解となります。

Ⅱ-5ページでは、中規模企業の自己資本比率の上昇が、利益剰余金の蓄積によるものであると説明されています(これは、大企業も同様です)。それに対して、小規模企業では利益剰余金を蓄積することが難しい(それでも、2010年以降は利益剰余金の蓄積が増加しています)ことがグラフで一目瞭然となっており、小規模企業では利益の確保に課題を抱えていると見ることができます。

選択肢1. A:上昇   B:拡大

大企業と中規模企業の自己資本比率の格差は縮小傾向にあるため、不適切です。

選択肢2. A:上昇   B:縮小

正解の選択肢となります。

選択肢3. A:低下   B:拡大

中規模企業の自己資本比率は上昇傾向にあり、大企業と中規模企業の自己資本比率の格差は縮小傾向にあるため、不適切です。

選択肢4. A:低下   B:縮小

中規模企業の自己資本比率は上昇傾向にあるため、不適切です。

選択肢5. A:横ばい  B:拡大

中規模企業の自己資本比率は上昇傾向にあり、大企業と中規模企業の自己資本比率の格差は縮小傾向にあるため、不適切です。

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03

2021年中小企業白書の第2-1-2図に資金調達構造の変遷が企業規模別にまとめられています。

中規模企業は2000年度には20%ほどしかなかった自己資本比率が、2019年度には42.1%にまで上昇しています

その結果、大企業の44.8%に迫っています

正しい選択肢の組み合わせは、 A:上昇 B:縮小 です。

選択肢1. A:上昇   B:拡大

本選択肢は不正解です。

選択肢2. A:上昇   B:縮小

本選択肢が正解です。

選択肢3. A:低下   B:拡大

本選択肢は不正解です。

選択肢4. A:低下   B:縮小

本選択肢は不正解です。

選択肢5. A:横ばい  B:拡大

本選択肢は不正解です。

まとめ

小規模企業は低い自己資本のまま推移しています。

資金構造が脆い課題を抱えたままであることが読み取れます。

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