中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
中小企業経営・中小企業政策 問17
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和4年度(2022年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
近年、中小企業の資金調達においては、手形貸付けや証書貸付けなどの一般的な手段だけでなく、それ以外の手段にも関心が高まっている。そのような中小企業の多様な資金調達手段に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
- ECにおける販売実績や会計ソフトの入力情報などのデータを、AIなどコンピュータプログラムを使って分析し、融資の可否を決める手法による資金調達は、トランザクションレンディングと呼ばれる。
- 銀行と企業があらかじめ設定した期間および融資枠の範囲内で、企業の請求に基づき、銀行が融資を実行することを約束する契約は、コミットメントラインと呼ばれる。
- クラウドファンディングのうち、「融資型」とは、事業者が仲介し、個人投資家から小口の資金を集め、大口化して借り手企業に融資する形態である。そのため、個人投資家は、金銭的なリターン(利息)を得ることができる仕組みとなっている。
- 資本性劣後ローンの融資条件面の一般的な特徴として、①期限一括償還、②固定金利、③債権の劣後性、の3点が挙げられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
資金調達手段について、用語の正誤などを判断する問題です。
適切です。
トランザクションレンディングとは、企業の財務状況ではなく、ECにおける販売実績や会計ソフトの入力情報などのデータをもとに借入条件を決定するものです。
適切です。
適切です。
不適切です。
資本性劣後ローンの融資条件面の一般的な特徴は、①期限一括償還、②業績連動金利、③資本性劣後ローンが資本とみなされる、が挙げられます。
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02
(基本知識)
金融関連の語句の知識問題です。
トランザクションレンディングとは、これまでの融資は担保や企業業績など、入手しやすく、わかりやすいデータをもとに信用調査を行って貸し出しが行われてきました。しかし、財務データは過去のデータですし、実際は返済が可能な企業でもデータでは融資不可と判断されるケースもあります。また、ICT技術の発達により、様々なデータを収集、分析できるようになりました。よって、企業の取引状況、顧客の評価など、多様なデータから融資の可否を判断していく手法がトランザクションレンディングになります。
コミットメントラインとは、あらかじめ設定された融資枠(コミットメントライン)まで、銀行が融資をするというものです。一定のコミットメントフィーを企業は支払う必要がありますが、一時的な経営状況によらずに安定的な資金調達が可能になります。
融資型クラウドファンディングとは、事業会社が個人投資家と企業の間に入り、一定の規模の金額にして貸し付けを行うものです。ソーシャルトレーディングとも呼ばれます。安定したリターンがありますが、間の事業会社の倒産や不正といったリスクもあります。
資本制劣後ローンとは、資本的な性質を持った劣後ローンのことで、借入でも資本として扱うことができます。劣後ローンとは、企業が倒産したりしても、支払い順位の劣る債権のことになります。よって、金利は通常の融資と比べて高くなりますが、金融機関からは資本の一部とみなされるため、借り入れても自己資本比率が悪化しないといった利点があります。よって、資本性とついています。特徴としては、毎月の返済ではなく、一括に返済する点(利息は別)、業績に応じた金利が設定されるため、赤字の際は金利が低くなる点、返済の優先度が低くなる点があります。
記載の通り。正しい。
記載の通り。正しい。
記載の通り。正しい。
金利は業績等によって変動する点が資本制劣後ローンの特徴であるため、誤り。
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03
本問では、最も「不適切」な記述を選択させることが要求されている点に注意が必要です。与件の確認を見落として、余計な時間を消費させられることのないようにしましょう。
正しい説明です。
正しい説明です。
正しい説明です。
中小企業白書第2部65ページに記載があり、②金利については「業績連動型」となっています。したがって、誤りの説明になります。
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