中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
中小企業経営・中小企業政策 問20(1)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和4年度(2022年) 問20(1) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

「経営革新支援事業」は、経営の向上を図るために新たな事業活動を行う経営革新計画の承認を受けると、日本政策金融公庫の特別貸付制度や信用保証の特例など多様な支援を受けることができるものである。
対象となるのは、事業内容や経営目標を盛り込んだ計画を作成し、新たな事業活動を行う特定事業者である。

文中の下線部の経営目標に関する以下の記述の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

( A )の事業期間において付加価値額または従業員一人当たりの付加価値額が年率3%以上伸び、かつ( B )が年率1.5%以上伸びる計画となっていること。
  • A:1から3年  B:売上高
  • A:1から3年  B:給与支給総額
  • A:3から5年  B:売上高
  • A:3から5年  B:給与支給総額

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この過去問の解説 (3件)

01

経営革新支援事業の経営目標に関する問題です。

経営目標の条件としては、

付加価値額または従業員一人当たりの付加価値額の伸び率については、

事業期間が3年の場合 9%以上

事業期間が4年の場合 12%以上

事業期間が5年の場合 15%以上

給与支給総額の伸び率については、

事業期間が3年の場合 4.5%以上

事業期間が4年の場合 6%以上

事業期間が5年の場合 7.5%以上

です。

よって、正解は、A(3から5年)、B(給与支給総額)となります。

選択肢1. A:1から3年  B:売上高

不適切です。

選択肢2. A:1から3年  B:給与支給総額

不適切です。

選択肢3. A:3から5年  B:売上高

不適切です。

選択肢4. A:3から5年  B:給与支給総額

正解です。

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02

(基本知識)

経営革新支援事業は中小企業等経営強化法に基づく経営支援策になります。新事業活動や一定の条件を満たした経営目標を盛り込んだ経営革新計画を作成し、都道府県または国の承認を受けることで、税制上の特例等、多様な支援を受けられる制度です。

経営革新計画とは、以下の内容を含むものになります。

・新商品の開発又は生産

・新役務の開発又は提供

・商品の新たな生産又は販売の方式の導入

・役務の新たな提供の方式の導入

・技術に関する研究開発及びその成果の利用その他の新たな事業活動

また経営革新計画で求められる数値目標は以下の通りです。

事業期間により数値が異なり、

・ 事業期間が3年の場合  

付加価値額または従業員一人当たり付加価値額 9%以上

給与支給額総額 4.5%以上

・ 事業期間が4年の場合  

付加価値額または従業員一人当たり付加価値額 12%以上

給与支給額総額 6%以上

・ 事業期間が5年の場合  

付加価値額または従業員一人当たり付加価値額 15%以上

給与支給額総額 7.5%以上

 

※ 付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費

※ 一人当たりの付加価値額=付加価値額/従業員数

承認を得られると、日本政金融公庫の特別利率による融資や信用保証の特例、特許関連料金の減免といったメリットがあります。

選択肢1. A:1から3年  B:売上高

Aの事業期間は3年以上、Bは給与支給総額となるため、誤り

選択肢2. A:1から3年  B:給与支給総額

Aの事業期間は3年以上となるため、誤り

選択肢3. A:3から5年  B:売上高

Bは給与支給総額となるため、誤り

選択肢4. A:3から5年  B:給与支給総額

正しい

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03

A:3から5年 B:給与支給総額の組み合わせが正解となります。基本的な知識が問われており、確実に正解したい問題です。

選択肢1. A:1から3年  B:売上高

不適切です。

選択肢2. A:1から3年  B:給与支給総額

不適切です。

選択肢3. A:3から5年  B:売上高

不適切です。

選択肢4. A:3から5年  B:給与支給総額

正解です。

まとめ

今回は問われていませんが、数値を問うパターンもあります。Aについては「3年計画の場合9%以上、4年計画の場合12%以上、5年計画の場合15%以上」(年率3%以上)、Bについては「3年計画の場合4.5%以上、4年計画の場合6%以上、5年計画の場合7.5%以上」(年率1.5%以上)となります。Aは年率3%以上、Bは年率1.5%以上のため、Bの数値はAの半分になっています。

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