中小企業診断士の過去問
令和4年度(2022年)
中小企業経営・中小企業政策 問21(1)
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和4年度(2022年) 問21(1) (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
①下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)は、親事業者の不公正な取引を規制し、下請事業者の利益を保護することを目的として、下請取引のルールを定めている。
中小企業庁と公正取引委員会は、親事業者が②下請代金法のルールを遵守しているかどうか、毎年調査を行い、違反事業者に対しては、同法の遵守について指導している。
文中の下線部①が適用される取引として、最も適切なものはどれか。
①下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)は、親事業者の不公正な取引を規制し、下請事業者の利益を保護することを目的として、下請取引のルールを定めている。
中小企業庁と公正取引委員会は、親事業者が②下請代金法のルールを遵守しているかどうか、毎年調査を行い、違反事業者に対しては、同法の遵守について指導している。
文中の下線部①が適用される取引として、最も適切なものはどれか。
- 飲食業(資本金500万円)が、サービス業(資本金100万円)に物品の修理委託をする。
- 家電製造業(資本金500万円)が、金属部品製造業(資本金300万円)に製造委託をする。
- 衣類卸売業(資本金1,500万円)が、衣類製造業(資本金1,000万円)に製造委託をする。
- 家具小売業(資本金2,000万円)が、家具製造業(資本金1,500万円)に製造委託をする。
- 電子部品製造業(資本金1億円)が、電子部品製造業(資本金3,000万円)に製造委託をする。
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この過去問の解説 (3件)
01
(基本知識)
下請代金支払遅延等防止法は頻出事項ですので、きっちりと抑えておきたいポイントです。
・ 法律の適用範囲
以下の4つの取引でこの法律が適用されます。
①製造委託:製造業
②修理委託:製造業の修理、修理事業(車のメンテナンス等)
③情報成果物作成委託:ソフトウェア、コンテンツ事業(番組制作等)
④役務提供委託:他者から依頼を受けた運送や点検業務を、下請事業者に委託
・ 管轄官庁
公正取引委員会と中小企業庁になっています。
・ 資本金区分
ここの論点が重要です。取引の業種、親事業者、下請事業者の資本金関係により法律が適用されるかどうかが決まってきます。
〇物品製造・修理委託の場合
〇情報成果物の作成、役務提供委託の場合
・ 親事業者の4つの義務
〇発注書面の交付義務:
委託後、直ちに、給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法等の事項を記載した書面を交付する義務。
〇発注書面の作成、保存義務:
委託後、給付、給付の受領(役務の提供の実施)、下請代金の支払等について記載した書類等を作成し、保存する義務。
〇下請代金の支払期日を定める義務;
下請代金の支払期日について、給付を受領した日(役務の提供を受けた日)から60日以内で、かつ出来る限り短い期間内に定める義務。
〇遅延利息の支払義務:
支払期日までに支払わなかった場合は、給付を受領した日(役務の提供を受けた日)の60日後から、支払を行った日までの日数に、年率14.6%を乗じた金額を「遅延利息」として支払う義務。
修理委託のケースです。親事業者の資本金が1千万円に満たないため、対象外。
製造委託のケースです。親事業者の資本金が1千万円に満たないため、対象外。
製造委託のケースです。適用されます。適切。下請事業者は1千万円“以下”です。
製造委託のケースです。下請事業者の資本金が大きいため、対象外。
製造委託のケースです。下請事業者の資本金が大きいため、対象外。
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02
下請代金支払遅延等防止法(下請代金法)では、取引できる親事業者・下請事業者は、お互いの資本金額によって決まります。
・物品の製造、修理委託の場合
親事業者の資本金が3億円超の場合、下請事業者の資本金は3億円以下
親事業者の資本金が1千万円超3億円以下の場合、下請事業者の資本金は1千万円以下
・情報成果物の作成、役務提供委託の場合
親事業者の資本金が5千万円超の場合、下請事業者の資本金は5千万円以下
親事業者の資本金が1千万円超5千万円以下の場合、下請事業者の資本金は1千万円以下
不適切です。
修理委託の要件を満たしていません。
不適切です。
製造委託の要件を満たしていません。
適切です。
製造委託の要件を満たしています。
不適切です。
製造委託の要件を満たしていません。
不適切です。
製造委託の要件を満たしていません。
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03
「衣類卸売業(資本金1,500万円)が、衣類製造業(資本金1,000万円)に製造委託をする」が正解となります。
本問は下請法の内容を問うものであり、過去に出題実績もあります。したがって、確実に正解すべき問題となります。
下請法では、委託される内容が「物品の製造・修理委託および政令で定める情報成果物作成・役務提供委託」か、「製造・修理以外の情報成果物作成・役務提供委託」かによって適用範囲が異なりますが、前者が問われるケースが多いので、前者の要件をしっかり押さえておくことが必要です。(余力があれば、後者も覚えておくことが望ましいです)
ここでは、「物品の製造・修理委託および政令で定める情報成果物作成・役務提供委託」の要件のみを解説します。
親事業者(委託者)が資本金3億円超の場合、下請事業者(受託者)が資本金3億円以下
親事業者(委託者)が資本金1千万円超3億円以下の場合、下請事業者(受託者)が資本金1千万円以下
数字で簡略化して覚えるのであれば、億単位であれば3対3、0.1~3対0.1、千単位であれば30対30、1~30対1です。(財務会計の財務諸表の数値が百万、千万という単位で出題されるため、数値の単位に慣れておく意味合いもあります)
なお、下請事業者(受託者)は個人を含みます。
物品の修理委託です。親事業者(委託者)側の要件を満たしていません。
製造委託です。親事業者(委託者)側の要件を満たしていません。
製造委託です。正解の選択肢となります。
製造委託です。下請事業者(受託者)側の要件を満たしていません。
製造委託です。下請事業者(受託者)側の要件を満たしていません。
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