中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
経済学・経済政策 問19
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度(2023年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
下図は、所得水準と、ある財の消費量の関係を表したエンゲル曲線である。この図から読み取れる記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 所得Y1の領域では、この財は奢侈(しゃし)財であると判断される。
b 所得Y2の領域では、この財は上級財であると判断される。
c 所得Y3の領域では、この財は必需財であると判断される。
a 所得Y1の領域では、この財は奢侈(しゃし)財であると判断される。
b 所得Y2の領域では、この財は上級財であると判断される。
c 所得Y3の領域では、この財は必需財であると判断される。
- a:正 b:正 c:正
- a:正 b:誤 c:誤
- a:誤 b:正 c:正
- a:誤 b:正 c:誤
- a:誤 b:誤 c:正
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この過去問の解説 (2件)
01
エンゲル曲線についての問題です。
各選択肢をそれぞれ解説します。
a
所得Y1の領域では、所得が100から200へと増加率が100%なのに対して、需要は10から15と増加率は50%です。
所得の変化率よりも需要の変化率は小さいので、必需財ということになります。
奢侈(しゃし)財は、需要の変化率の方が大きい財のことです。
そのため本選択肢は誤っています。
b
所得Y2の領域では、所得が増加すると需要も増加するため上級財ということになります。
そのため本選択肢は正しいです。
c
所得Y3の領域では、エンゲル曲線が右下がりになっているので、所得が増加すると需要が減少しています。
所得と需要の増減が逆になっているものは下級財であるため、本選択肢は誤っています。
正しい選択肢の組み合わせは、 a:誤 b:正 c:誤 です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢は不正解です。
本選択肢が正解です。
本選択肢は不正解です。
エンゲル曲線や所得効果、代替効果などが出題されることがありますので、上級財は所得の増減と同じ方向に需要も増減して、下級材は所得の増減と逆方向に需要は増減するといった基本的な内容は学習しておきましょう。
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02
エンゲル曲線は所得水準と特定の財の消費量の関係を示すもので、財の性質によって所得水準ごとに異なる結論が導かれます。まずは、用語の意味をおさらいしましょう。
1. 奢侈(しゃし)財:
奢侈財は、所得が増加すると共にその消費も増える財を指します。エンゲル曲線上で言えば、所得水準が上がると財の消費量も増加し、財の需要は所得に対して敏感に変動します。典型的な奢侈財は、高級車や高級ブランドの商品などです。
2. 上級財:
上級財は、所得が増加すると共にその需要が増える財を指します。エンゲル曲線では、所得水準が上昇すると財の消費量も増加する傾向があります。一般的に、上級財は一定の所得水準を超えた際に特に需要が拡大します。例えば、高級ホテルの宿泊や高級食品が上級財の例です。
3. 必需財:
必需財は、基本的な生活必需品であり、所得が上がってもその需要があまり変化しない財を指します。エンゲル曲線上で言えば、所得水準が上昇しても財の消費量がそれほど変わらない特徴があります。食料品や住居の基本的な費用は一般的な必需財の例です。
これらの用語を理解することで、エンゲル曲線を通じて異なる財の性質を把握できます。
用語を理解したら次に、与えられた選択肢に基づいて、正しいものを見ていきましょう。
a 所得Y1の領域では、この財は奢侈(しゃし)財であると判断される。
誤りです。エンゲル曲線では、所得水準が低い領域では財の消費量が少なくなり、奢侈財とは言えません。消費量の変動が比較的ゆるやかなことから、正しいのは「必需財」の可能性があります。
b 所得Y2の領域では、この財は上級財であると判断される。
正しいです。エンゲル曲線では、所得水準が上昇するとともに財の消費量も増加する場合、その財は上級財とされます。
c 所得Y3の領域では、この財は必需財であると判断される。
誤りです。エンゲル曲線では、所得水準が高い領域では財の消費量が飽和する傾向があり、必需財とは言えません。正しいのは「下級財」の可能性があります。
したがって、正解はa:誤、b:正、c:誤であり、所得Y2の領域で財が上級財であると判断されることが、エンゲル曲線から読み取れると言えます。
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