中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
財務・会計 問20
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和5年度(2023年) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
ポートフォリオ理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、リスク資産の間の相関係数は1未満であり、投資比率は正とする。
- 2つのリスク資産からなるポートフォリオのリスク(リターンの標準偏差)は、ポートフォリオを構成する各資産のリスクを投資比率で加重平均した値である。
- 2つのリスク資産からなるポートフォリオのリターンは、ポートフォリオを構成する各資産のリターンを投資比率で加重平均した値である。
- 2つのリスク資産からポートフォリオを作成するとき、両資産のリターン間の相関係数が大きいほど、リスク低減効果は顕著となる。
- 安全資産とリスク資産からなるポートフォリオのリスク(リターンの標準偏差) は、リスク資産への投資比率に反比例する。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
2つの資産で構成するポートフォリオのリターン(期待収益率)とリスク(標準偏差)の計算方法についての出題です。
このような場合のリターン(期待収益率)とリスク(標準偏差)は、2つの資産への投資比率に応じて求めることができます。
2つの資産をそれそれ資産Aと資産Bとします。
リターン(期待収益率) = 資産Aの投資比率 x 資産Aのリターン + 資産Bの投資比率 x 資産Bのリターン
リスク(標準偏差) = (資産Aの投資比率)2 x (資産Aのリスク)2 + (資産Bの投資比率)2 x (資産Bのリスク)2 + 2 x 資産Aの投資比率 x 資産Bの投資比率 x 資産Aと資産Bの相関係数 x 資産Aのリスク x 資産Bのリスク
上記をふまえて各選択肢をそれぞれ解説します。
リスク(リターンの標準偏差)は、各資産のリスクを投資比率で加重平均した値ではないため、本選択肢は不正解です。
リターンは、ポートフォリオを構成する各資産のリターンを投資比率で加重平均して求めるため、本選択肢が正解です。
両資産のリターン間の相関係数が大きいほど、リスクの計算結果は大きくなります。
それはリスクの低減効果が小さくなることを意味するため、本選択肢は不正解です。
リスク(リターンの標準偏差) は、リスク資産への投資比率に反比例ではなく、比例するため、本選択肢は不正解です。
相関係数は-1から+1の間の数値を取って2つの資産の動きの関連性を示します。
本問の条件では1未満となっているため、2つの資産の相関性の強さはわかりませんが、異なる方向や動き方をすることになります。
参考になった数6
この解説の修正を提案する
02
ポートフォリオ理論において、ポートフォリオの期待リターンは、各資産の期待リターンを投資比率で重みづけした加重平均で計算されます。つまり、資産Aと資産Bから成るポートフォリオの期待リターン(Rp)は以下のように表されます。
Rp = wA × RA + wB × RB
ここで、RAとRBはそれぞれ資産Aと資産Bの期待リターンであり、wAとwBはそれぞれ資産Aと資産Bへの投資比率です。この式は、各資産の期待リターンを投資比率で加重平均するものです。
誤りです。ポートフォリオのリスクについて誤った表現です。ポートフォリオのリスク(標準偏差)は、単純に各資産のリスクと相関係数から計算され、投資比率で加重平均されるのではありません。
正解です。期待リターンは各資産のリターンを投資比率で加重平均するものです。
誤りです。この記述は相関係数に関するものであり、記述そのものは正しいですが、ポートフォリオのリターンに直接関連するものではありません。
誤りです。この記述もポートフォリオのリスクに関するものですが、正確ではありません。ポートフォリオのリスクは、安全資産とリスク資産の組み合わせによって決まりますが、投資比率と反比例するわけではありません。
参考になった数4
この解説の修正を提案する
前の問題(問19)へ
令和5年度(2023年)問題一覧
次の問題(問21)へ