中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
企業経営理論 問2
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和5年度(2023年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
J.B. バーニーが提唱した「VRIOフレームワーク」に則った記述として、最も適切なものはどれか。
- 外部環境の機会を適切に捉えた価値がある経営資源であれば、業界内において希少でなくても、持続的な競争優位の源泉となる。
- 価値があり、業界内において希少で、別の経営資源で代替される可能性が少ない経営資源を保有していても、それが組織体制とコンフリクトを起こすようであれば、組織体制を変更せずに経営資源を見直さなければならない。
- 価値が高く、業界内で希少な経営資源では、一時的な競争優位を得ることはできない。
- 業界内で模倣困難かつ希少で価値ある経営資源を有していても、競争優位性を持続的に確立できないことがある。
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この過去問の解説 (3件)
01
VRIOフレームワークに関する問題です。
VRIOフレームワークとは、企業の経営資源を以下の4つの観点から分析するものです。
V(Value):価値
R(Rarity):希少性
I(Inimitability):模倣困難性
O(Organizations):組織
この4つをすべて備えていれば、持続的な競争優位の源泉を有しているということができます。
試験対策上は、選択肢の文脈から競争優位が「持続的」か、「一時的」か、「一時的ですらない」のかを正誤判断することになります。
「持続的」か、「一時的」か、「一時的ですらない」のかの基準は、V・R・I・Oが幾つ揃っているかによります。
「業界内において希少でない」ということは、どの企業もその経営資源を取得できるため、持続的な競争優位の源泉とはなりません(一時的な競争優位の源泉ともなりません)。
経営資源が組織体制とコンフリクトを起こすようであれば、経営資源ではなく組織体制を変更しなければなりません(経営資源が、VRIの要件を満たしているため)。
なお、「価値があり、業界内において希少で、別の経営資源で代替される可能性が少ない経営資源」に加えて、残りの組織(O)も盤石であれば持続的な競争優位の源泉となります。
価値が高く、業界内で希少な経営資源は、一時的な競争優位を得ることができます。
正解の選択肢となります。
他の選択肢に似たような記述がありますが、経営資源が組織体制とコンフリクトを起こすようであれば、競争優位性を持続的に確立できない可能性があります。
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02
VRIOフレームワークとは、内部資源を以下の基準で評価するフレームワークです。
V(Value):価値
R(Rarity):希少性
I(Inimitability):模倣困難性
O(Organizations):組織
それぞれの基準をどのように満たしたり、満たしていないかを判断して、持続可能な優位性などを保持しているのかを評価します。
各選択肢をそれぞれ解説します。
持続的な競争優位の源泉となるのは、価値があり、希少で、模倣困難性があり、組織的能力を有する資源です。
そのため本選択肢は不正解です。
組織体制を変更せずに経営資源を見直さなければならない、としている点が誤りです。
見直すべきなのは組織体制であるため、本選択肢は不正解です。
一時的な競争優位の源泉となるため、本選択肢は不正解です。
業界内で模倣困難かつ希少で価値ある経営資源を有していても、組織的な能力を有していないためその資源を扱えなければ、持続的な競争優位性を確立できないため、本選択肢が正解です。
自社のコア・コンピタンスを探すために有効とされているのが、VRIOフレームワークです。
今後も出題される可能性が高いため、持続的優位性の源泉となる場合や、一時的な競争優位性である場合などを混同しないように整理して学習しましょう。
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03
VRIOフレームワークに関する問題です。
VRIOフレームワークとは、価値(Value)、希少性(Rarity)、模倣困難性(Inimitability)、組織(Organizations)を有することが競争優位につながるという考え方です。
不適切です。
業界内において希少でないと持続的な競争優位の源泉とはなりません。
不適切です。
組織体制の変更を検討する必要があります。
不適切です。
一時的には競争優位を得ることはできますが、持続的ではありません。
適切です。
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