中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
運営管理 問2

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和5年度(2023年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

工場レイアウトに関する以下の文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

工場レイアウトの設計や分析のための代表的な手法として、SLPとDI分析がある。SLPは、施設(工場)に配置される対象をアクティビティと定義し、そのアクティビティ間の( A )と( B )に基づいてレイアウトを設計する手法である。DI分析は、施設(工場)のレイアウトを運搬に着目して分析し、( C )と運搬回数や物流量などの強度を2次元平面上にプロットすることにより、運搬の無駄によるレイアウトの課題を発見する手法である。
  • A:作業の流れ  B:関連性の強さ  C:運搬距離
  • A:作業の流れ  B:信頼性の強さ  C:運搬時間
  • A:物の流れ  B:関連性の強さ  C:運搬距離
  • A:物の流れ  B:関連性の強さ  C:運搬時間
  • A:物の流れ  B:信頼性の強さ  C:運搬距離

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この過去問の解説 (3件)

01

工場レイアウトに関する問題です。

SLP:「システマティック・レイアウト・プランニング」の略で、戦略的に工場内のレイアウトを決定する手法のことです。

DI分析:工場内で運搬されているモノの量と設備間の距離をグラフ化し、運搬されているモノの頻度が多く、かつ距離が長い対象を見つけて改善する手法のことです。

【空欄A・B】

工場内には設備が配置され、作業者や生産されたモノが動いています。したがって、「物の流れ」と「関連性の強さ」が入ります。

【空欄C】

上記の説明から、「運搬距離」が入ります。

以上から、「A:物の流れ、B:関連性の強さ、C:運搬距離」の組み合わせが正解となります。

選択肢1. A:作業の流れ  B:関連性の強さ  C:運搬距離

Aが誤りです。

選択肢2. A:作業の流れ  B:信頼性の強さ  C:運搬時間

A~Cすべて誤りです。

選択肢3. A:物の流れ  B:関連性の強さ  C:運搬距離

正解の選択肢となります。

選択肢4. A:物の流れ  B:関連性の強さ  C:運搬時間

Cが誤りです。

選択肢5. A:物の流れ  B:信頼性の強さ  C:運搬距離

Bが誤りです。

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02

SLP(Systematic Layout Planning)は、工場のレイアウトを決定する手法のことです。

SLPは、施設(工場)に配置される対象をアクティビティと定義し、そのアクティビティ間の(物の流れ)と(関連性の強さ)に基づいてレイアウトを設計する手法です。

 

DI(Distance, Intensity)分析は、距離と物流量など強度を分析する手法です。

よって、DI分析は、施設(工場)のレイアウトを運搬に着目して分析し、(運搬距離)と運搬回数や物流量などの強度を2次元平面上にプロットすることにより、運搬の無駄によるレイアウトの課題を発見する手法です。

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03

正解は「A:物の流れ  B:関連性の強さ  C:運搬距離」です。

 

【基礎知識】
SLP(システマティックレイアウトプランニング)とは戦略的に工場のレイアウト配置を決定する手法です。


以下の流れで決定していきます。

 

①P-Q分析:縦軸に生産量、横軸に製品をとり、どの製品(Product)をどれだけの量(Quantity)について生産するかを分析するものです。生産量の多い順に製品を並べてグラフ化することで、取るべきレイアウトが見えてきます。基本的に生産量が多いものは製品別レイアウト、少ないものは機能別レイアウト、中間はグループ別レイアウトとなります。

 

②ものの流れ分析:製品の生産では、工程間のものの移動についても工場の生産性を考える重要な要素となります。よって、工程を図示化したもの等で、無駄な流れはないか、より効率的な移動はできないかといったことを分析します。

 

③アクティビティ相互関係:人、機械、設備、材料、倉庫、事務所、出入り口、通路などをアクティビティと言います。これらのアクティビティ間の結びつきの強さ(=場所の近接性が必要になるのか)を分析します。ある工程の次に一旦仕掛在庫となるのであれば、その工程は在庫スペースに近い方が効率的です。そういったことをアクティビティ相互関連図表を作成し、確認していきます。

 

④スペース相互関係:アクティビティごとの面積を考慮したものになります。大きな部品を回転させる場合などは一定のスペースが必要になりますので、③のステップでアクティビティの相互関係を考え、スペース相互関係で面積を含めて考えます。

 

DI分析とは、製造工程における製品等の運搬回数(Intensity)と運搬距離(Distance)の関係を分析することです。当然、回数、距離ともに多いと無駄が多いと考えることができます。DI分析結果を踏まえ、レイアウトや運搬作業、歩行時間などを改善することができます。

 

【選択肢評価】
A 物の流れ
B 関連性の強さ

SLPでは、P-Q分析のあと、ものの流れ分析、アクティビティ相互関係を見ていきます。

C 運搬距離

DIでは、運搬回数(Intensity:強度)と運搬距離(Distance)の分析を行います。

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