中小企業診断士の過去問
令和5年度（2023年）
運営管理 問6

バランスロス率と、1時間当たりの生産量の値（個）の組み合わせを問う問題です。

（ a ）バランスロス

バランスロスとは、バランスがロスしている（バランス効率的ではない）ことであり、ラインバランス効率の対義語になります。

すなわち、ラインバランス効率＋バランスロス率＝編成効率（100％）になります。

本問では4つの作業工程があり、サイクルタイムは30秒のため、30秒×4＝120秒が編成効率となります。（非効率がまったく発生していない状態）

各工程での作業時間を足し合わせると105秒（10+15+28+10+15+5+18+4）となり、（105／120）×100％＝87.5％がラインバランス効率、12.5％がバランスロス率と求まります。

（ b ）1時間当たりの生産量の値（個）

1時間を秒換算すると、3,600秒となります。（1分は60秒、1時間は60分のため）

「サイクルタイムは30秒」とは、1個あたりの生産時間が30秒かかるということなので、3,600／30＝120個と求まります。

（ a ）バランスロスと（ b ）1時間当たりの生産量の値（個）を計算する問題です。

バランスロスとは、サイクルタイムのうち、稼働していない時間のことです。

工程は４つあるため、サイクルタイムは30×4＝120秒

稼働している時間は、すべての作業時間の合計で、105秒

よって、105秒/120秒＝87.5％が稼働している割合ですので、バランスロスは12.5％となります。

サイクルタイムが30秒ですので、30秒ごとに１つの製品が生産されます。

1時間当たりの生産量を求めますので、3600秒/30秒で120個となります。

正解は、「（ a ）：12.5％　　（ b ）：120個」です。

【基礎知識】

ライバランシングの問題です。

問題ではすでに割り当てが完了していますが、作業A～Hがあり、それぞれの標準作業時間があって、それを作業者①～④に割り当てるとき、平均に近い組み合わせで割り振ることが一番効率的なライン編成となります。

問題では、作業A～Hの合計は、105秒となっています。それを4人に割り当てるので、105秒÷4人＝26.25秒/人で割り当てるのが一番効率的ということになります。

バランスロスを最小限に抑えることを効率的と考えます。

バランスロスを求めるためには、ピッチタイムという概念を理解する必要があります。

ピッチタイムとは、製品がラインから生産されて出てくる時間間隔を言います。ラインのピッチタイムはボトルネック（一番時間のかかる工程）の時間に左右されますので、制約等なければ、一番時間のかかるラインの時間がピッチタイムとなります。そして、バランスロス率は以下の式で求めることができます。

バランスロス率

＝１－ラインバランス効率

＝１－作業時間の合計÷編成効率（ピッチタイム×工程数）

【選択肢評価】

ａ　ピッチタイムは作業者②の30秒になります。

よってバランスロス率は

１－（105秒÷（30秒×4人）

＝0.125

ｂ　30秒で1製品が生産されますので、

1時間（60分）÷30秒（0.5分）＝120個