中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
運営管理 問8

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和5年度(2023年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

以下は、あるプロジェクトにおけるPERT図であり、各作業の作業所要時間の予定が記載されている。この図のプロジェクトに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
問題文の画像
  • 作業Cの終了時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。
  • 作業Eの開始時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。
  • 作業Fの作業所要時間が1時間短くなった場合、プロジェクトの完了時刻は変わらない。
  • 作業Fの作業所要時間が2時間短くなった場合、クリティカルパスは変わらない。
  • 作業Hの作業所要時間が2時間長くなった場合、クリティカルパスは変わらない。

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この過去問の解説 (3件)

01

PERT図に関する問題です。

このPERT図におけるクリティカルパス(最も所要時間がかかる工程のこと)は1→5→6→7→8となり、合計時間は19時間となります。

クリティカルパス上の作業C、F、H、Iの作業時間を短縮することができれば、プロジェクトの完了時間を早めることができますが、クリティカルパスが別の経路に代わる可能性があることに注意する必要があります。

選択肢1. 作業Cの終了時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。

作業Cの終了時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が1時間早くなります。

選択肢2. 作業Eの開始時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。

作業Eの開始時刻が2時間早くなった場合でも、プロジェクトの完了時刻は変わりません

作業Eはクリティカルパス上にないため、プロジェクトの完了時刻に影響しないためです。

選択肢3. 作業Fの作業所要時間が1時間短くなった場合、プロジェクトの完了時刻は変わらない。

作業Fの作業所要時間が1時間短くなった場合、プロジェクトの完了時刻は1時間早くなります

選択肢4. 作業Fの作業所要時間が2時間短くなった場合、クリティカルパスは変わらない。

作業Fの作業所要時間が2時間短くなった場合、クリティカルパスは1時間早くなります

選択肢5. 作業Hの作業所要時間が2時間長くなった場合、クリティカルパスは変わらない。

正解の選択肢となります。

2時間「長くなる」ため、プロジェクトの完了時刻は更に遅くなります。

作業Hは既にクリティカルパス上にあるため、クリティカルパスも変わりません。

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02

正解は、「作業Hの作業所要時間が2時間長くなった場合、クリティカルパスは変わらない。」です。

 

【基礎知識】

PERT図、クリティカルパスの問題です。

 

各作業に最早結合時刻(開始時刻を0として、一番早く作業を開始できる時刻)と最遅結合時刻(作業をその時間内に開始しないとプロジェクトが遅延してしまう時刻)を記入していきます。

ポイント、最早結合時刻、最遅結合時刻とすると、

 

ポイント1から出発すると、以下の3つのポイントが一番目の到着ポイントになります。(ポイント、最早結合時刻、最遅結合時刻)

2、3、3

3、4、4

5、5、5

 

次に4については、2と3を通る場合があり、2を経由すると8時間、3を経由すると10時間で結合しますので、最早結合時刻は10時間となります。

 

6については、11時間で結合し、7については、4を経由すると15時間、6を経由すると16時間で到着しますので、最早結合時刻は16時間になります。

 

よって、最終の8には最早結合時刻=最遅結合時刻となり、19時間で到着します。

 

よって、残りのポイント、最早結合時刻、最遅結合時刻は、

 

4、10、11

6、11、11

7、16、16

8、19、19

 

となり、1⇒5⇒6⇒7⇒8がクリティカルパスとなります。

 

この時、クリティカルパスの作業時間が長くなってもクリティカルパスは変わりませんので、プロジェクトの時間は変わりません。

短くなるとクリティカルパスが同じだけ短くなるか、クリティカルパスが別のラインになって短くなります。よって、別のラインにクリティカルパスが移る場合、現行のクリティカルパスが短くなった時間分、プロジェクトが短くなるとは言い切れません。

クリティカルパス以外の時間が早くなってもプロジェクトの完了時間は変わりません。

クリティカルパス以外の時間が長くなり、クリティカルパスが変更になれば、完了時刻が変わります。

 

このあたりは、上記の記載を覚えるのではなく、理解することが重要です。

選択肢1. 作業Cの終了時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。

誤り。Cはクリティカルパス上にあり、2時間減るとクリティカルパスが6経由のルートから4経由に移ります。この時、全体の完了時間は1時間短くなります。

選択肢2. 作業Eの開始時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。

誤り。クリティカルパス以外の作業時間ですので、プロジェクトの完了時間には影響ありません。

選択肢3. 作業Fの作業所要時間が1時間短くなった場合、プロジェクトの完了時刻は変わらない。

誤り。Fが変わるとクリティカルパス上ですので、完了時間が変わります。

選択肢4. 作業Fの作業所要時間が2時間短くなった場合、クリティカルパスは変わらない。

誤り。3同様、クリティカルパスが変わり、完了時間が変わります。

選択肢5. 作業Hの作業所要時間が2時間長くなった場合、クリティカルパスは変わらない。

正しい。記載の通りです。

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03

PERT図に関する問題です。

選択肢1. 作業Cの終了時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。

不適切です。

作業Cが2時間早くなり3時間で終了しても、作業Bが4時間かかりますので、1時間早くなるだけです。

選択肢2. 作業Eの開始時刻が2時間早くなった場合、プロジェクトの完了時刻が2時間早くなる。

不適切です。

作業Eの開始時刻が2時間早くなったとしても、作業Hまでの作業時間が変わらないので、完了時刻に影響はありません。

選択肢3. 作業Fの作業所要時間が1時間短くなった場合、プロジェクトの完了時刻は変わらない。

不適切です。

作業Fの作業所要時間が1時間短くなった場合、完了時刻は1時間早くなります。

選択肢4. 作業Fの作業所要時間が2時間短くなった場合、クリティカルパスは変わらない。

不適切です。

作業Fの作業所要時間が2時間短くなった場合、クリティカルパスは、1-3-4-7-8となります。

選択肢5. 作業Hの作業所要時間が2時間長くなった場合、クリティカルパスは変わらない。

適切です。

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