中小企業診断士の過去問
令和5年度(2023年)
中小企業経営・中小企業政策 問10
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 令和5年度(2023年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
経済産業省「企業活動基本調査」に基づき、2010年度から2019年度の期間について、企業規模別、製造業・非製造業別に、売上高に占める研究開発費の割合(研究開発費割合)と能力開発費の割合(能力開発費割合)の推移を見た場合、業種にかかわらず、中小企業の研究開発費割合と能力開発費割合とも大企業を下回っている。2019年度の研究開発費割合と能力開発費割合の規模間格差を見ると、研究開発費割合の規模間格差は、製造業では能力開発費割合の格差より( A )、非製造業では能力開発費割合の格差より( B )。
次に、製造業・非製造業別に、中小企業の研究開発費と能力開発費の推移を見ると、違いも見受けられる。
なお、経済産業省「企業活動基本調査」は、従業者数50人以上かつ資本金または出資金3千万円以上の法人企業を対象としている。
文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
経済産業省「企業活動基本調査」に基づき、2010年度から2019年度の期間について、企業規模別、製造業・非製造業別に、売上高に占める研究開発費の割合(研究開発費割合)と能力開発費の割合(能力開発費割合)の推移を見た場合、業種にかかわらず、中小企業の研究開発費割合と能力開発費割合とも大企業を下回っている。2019年度の研究開発費割合と能力開発費割合の規模間格差を見ると、研究開発費割合の規模間格差は、製造業では能力開発費割合の格差より( A )、非製造業では能力開発費割合の格差より( B )。
次に、製造業・非製造業別に、中小企業の研究開発費と能力開発費の推移を見ると、違いも見受けられる。
なお、経済産業省「企業活動基本調査」は、従業者数50人以上かつ資本金または出資金3千万円以上の法人企業を対象としている。
文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- A:大きく B:大きい
- A:大きく B:小さい
- A:小さく B:大きい
- A:小さく B:小さい
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、「A:大きく B:大きい」です。
【基礎知識】
「起業活動基本調査」とありますが、二次利用で中小企業白書2022年度版からの宿題となります。
ですので、抑えるべきはやはり中小企業白書になります。
※中小企業白書 Ⅰ-21、22ご参照
白書によると、以下の通りです。
〇大企業・中小企業比率差(大企業比率‐中小企業比率)
・製造業
売上高対研究開発費比率 +4.5%
売上高対能力開発費比率 +0.007%
・非製造業
売上高対研究開発費比率 +0.8%
売上高対能力開発費比率 +0.011%
製造業ではやはり、大企業の研究開発投資は大きくなっており、格差も大きい状況がわかります。非製造業ではその格差は縮んでいますが、大企業の方が大きいことがわかります。
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02
中小企業の研究開発費と能力開発費に関する問題です。
2022年度の中小企業白書によると、本問で問われている2019年度の売上高に占める研究開発費の割合(研究開発費割合)は以下のとおりです。
大企業は、製造業で5.4%、非製造業で0.9%
中小企業は、製造業で0.9%、非製造業で0.1%
同じく、2019年度の売上高に占める能力開発費の割合(能力開発費割合)は以下のとおりです。
大企業は、製造業で0.034%、非製造業で0.033%
中小企業は、製造業で0.027%、非製造業で0.022%
以上から、
製造業の規模間格差は、研究開発費割合では4.5%(5.4-0.9)、能力開発費割合では0.007%(0.034-0.027)となります(空欄A)。
非製造業の規模間格差は、研究開発費割合では0.8%(0.9-0.1)、能力開発費割合では0.0011%(0.033-0.022)となります(空欄B)。
正解の選択肢となります。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
不適切な選択肢です。
【補足】
詳細な数値まで暗記しようとするよりも、研究開発費と能力開発費の大まかなイメージを押さえていれば対応は可能であると思われます。
これは、文中の下線部について問われている別の設問についても同様で、その設問の解説まとめで述べている内容を以下に再掲します。
研究開発費:新たな商品やサービスを上市する(市場に投入すること)ために投じられる費用
能力開発費:従業員の能力を向上させるために投じられる費用
研究開発費は製造業では重視されると思いますが、非製造業ではそれほどでもないと思われます。実際に、企業規模に関わらず製造業と非製造業での格差は大きいです。
対して、能力開発費は従業員の能力を向上させるための費用なので、業種に関係なく重視される費用です。研究開発費と比較しても、企業規模間の格差は小さいです。
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