中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問4 (経済学・経済政策 問4)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和5年度 再試験(2023年) 問4(経済学・経済政策 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

内閣府の景気動向指数における先行系列の経済指標として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  営業利益(全産業)
b  完全失業率
c  新規求人数(除学卒)
d  マネーストック(M2)
  • aとb
  • aとd
  • bとc
  • bとd
  • cとd

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この過去問の解説 (2件)

01

景気動向指数には、経済の変動を捉えるためにいくつかの指標が使用されています。それらは、以下の3つに分類されます。

先行系列:景気の動きに先んじて変化する指標。景気の変動を予測するための手がかりとなる。

一致系列:景気の変動と同じタイミングで変化する指標。現在の景気の状況を示す。

遅行系列:景気の動きに後れて変化する指標。景気の変動が現れた後に変化する。

問題では、提示された指標が先行系列に属するかどうかを判断する必要があります。

 

営業利益(全産業)

営業利益は企業の利益を示す指標ですが、通常これは「一致系列」に分類されます。営業利益は、景気とほぼ同時に動く傾向があるため、先行系列には該当しません。

完全失業率

完全失業率は、景気の動きに対して遅れて変動する指標です。景気が悪化した後、失業率が上がるという形で影響が出るため、「遅行系列」に分類されます。

新規求人人数(除学卒)

新規求人人数は、景気が回復する際に先に増加する傾向があります。企業は景気が上向くと従業員を増やそうとするため、この指標は「先行系列」に該当します。

マネーストック(M2)

マネーストック(M2)は、広義の通貨量を示す指標です。金融機関の貸出や投資活動に影響を与えるため、景気に先行して動くことが多く、「先行系列」に分類されます。

選択肢1. aとb

営業利益(a)は一致系列、完全失業率(b)は遅行系列に分類されるため、この選択肢は不適切です。

選択肢2. aとd

営業利益(a)は一致系列、マネーストック(d)は先行系列です。この組み合わせでは、aが不適切なため不正解です。

選択肢3. bとc

完全失業率(b)は遅行系列、新規求人人数(c)は先行系列です。bが不適切なため、この選択肢も不正解です。

選択肢4. bとd

完全失業率(b)は遅行系列、マネーストック(d)は先行系列です。bが不適切なので、この選択肢も不正解です。

選択肢5. cとd

新規求人人数(c)とマネーストック(d)は、どちらも先行系列に該当します。したがって、この組み合わせが最も適切です。

まとめ

この問題では、各経済指標が景気にどのように連動するかを理解することが重要です。特に、先行系列は景気予測に活用されるため、覚えておくと役立ちます。

先行系列:景気の動向を先取りする指標。例としては、新規求人人数やマネーストックが挙げられます。

一致系列:景気と同時に動く指標。例として、営業利益や鉱工業生産指数などがあります。

遅行系列:景気の動向に後れて変動する指標。完全失業率や消費者物価指数(CPI)などが含まれます。

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02

景気動向指数の問題です。経済学では一般的な問題で、基本的な部分となるでしょう。

解答のポイントは分類です。

aは一致系列

bは遅行系列

cとdは先行系列であることは、覚えておかなければいけません。

完全に覚えられない場合には、どのような動きを見せるかを考えます。

a営業利益は調子がいいと景気もいいでしょう。つまり、一致していることが多いとわかります。

b完全失業率は、企業が雇用する余裕も体力も尽きた後に動き出すため、遅行だと判断できるでしょう。

cは景気が良くなってきているから、雇用が増えます。先に人を雇わないと利益も上げられないため、先行です。

dはストックです。だんだんと資金を持ってきていることがわかるでしょう。つまり先行だと判断できるわけです。

ここから選択肢を判断します。

選択肢1. aとb

間違いです。

選択肢2. aとd

間違いです。

選択肢3. bとc

間違いです。

選択肢4. bとd

間違いです。

選択肢5. cとd

cとdになっているため、こちらが正解です。

まとめ

分類型の問題は、なにがどの範囲に入るのかを事前に覚えるのが適切な方法です。知識として押さえておけば、派生した問題にも対処しやすくなるでしょう。

もし出てこないときには、その選択肢はなにが起こっているかを明確にしてみると、分類が見えてきます。

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