中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問77 (企業経営理論 問28)
問題文
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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問77(企業経営理論 問28) (訂正依頼・報告はこちら)
- 既存ブランドの下で、分野や用途、特徴などが異なる新製品を発売することをブランド拡張と呼び、流通側から見た場合にはさまざまなメリットがある。しかしメーカー側から見ると、ブランド拡張には当該新製品が失敗した場合に既存ブランドを毀損(きそん)するリスクがある一方で、メリットは特にない。
- 自社ブランドが消費者から見てユニークな価値を有するようにすることを、ブランドのポジショニングという。自社ブランドを競合ブランドから差別化することは、ブランドのポジショニングには含まれない。
- 製品カテゴリーなどを提示し、当該カテゴリー内で思いつくすべてのブランドを書き出してもらう調査により、ブランドの純粋想起について調べることができる。これに対して、あらかじめブランド名を列挙して回答者に提示し、その中で知っているものをすべて選択し回答してもらう調査は精度が低いため、得られる結果の信頼性も低い。
- ブランドとは消費者の記憶に明確に保持されている最終製品の名称を指す。製品の中に使用されている部品や素材などにも名称が付けられていることがあるが、これらはブランドではない。
- ブランドにはナショナル・ブランド(NB)とプライベート・ブランド(PB)がある。PBは大手小売業などの流通業者が開発し販売するものであるため、ある製品カテゴリーの売上げが一定であるとすれば、PBの売上げが増えるほどNBを展開するメーカーの売上げは減少しやすくなる。しかし、NBメーカーがOEMの形でPBの製造などに関わっている場合は、その限りではない。
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この過去問の解説 (3件)
01
各選択肢の文章は少々長めですが、問われているのはブランドについての基本的な内容です。
各選択肢をそれぞれ解説します。
ブランド拡張でメーカーには、既存ブランドの知名度や信頼性を活用できるメリットがあります。
そのため本選択肢は不正解です。
自社ブランドを競合ブランドから差別化することこそがポジショニングです。
そのため本選択肢は不正解です。
あらかじめブランド名を列挙して回答者に提示し、その中で知っているものをすべて選択し回答してもらう調査は助成想起と呼ばれる手法です。
それぞれは目的の異なる手法で、信頼度に差があるわけではありません。
そのため本選択肢は不正解です。
部品や素材などもブランドの一つです。
PCに入っているインテルはPCの部品ですが、一つのブランドです。
そのため本選択肢は不正解です。
OEM製造を請け負っていれば、NBもPBもメーカーの売り上げとなります。
そのため本選択肢が正解です。
ブランドは一次試験から二次試験までを通して重要な論点です。
ブランド拡張を始め、ライン拡張やマルチブランド、新ブランドの立ち上げなど学習しておきましょう。
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02
ブランドに関する問題です。ブランドは頻出論点であり、本問の各選択肢で問われている内容も過去問題で出題履歴があります。
やや情報量の多い選択肢もありますが、日本語の記述に違和感がある内容が多く、正誤判断のしやすさから難易度としては標準的であると思われます。
メリットが特にないのであれば、ブランド拡張という行動を取りません。既存ブランドの持つ影響力により、新製品が成功する確率が向上するなどの利点が考えられるため不適切な選択肢です。
※ライン拡張、ブランド拡張、マルチブランド、新ブランドの違いはよく問われますので、過去問題でしっかり復習しておいてください。
自社ブランドを競合ブランドから差別化することはブランドのポジショニングの核心要素であるため、不適切な選択肢です。
本選択肢は情報量が多く回りくどい記述となっているため、以下に整理します。
「あらかじめブランド名を列挙して回答者に提示し、その中で知っているものをすべて選択し回答してもらう調査」は助成想起といいます。
本選択肢では、純粋想起と助成想起を比較すると助成想起は精度が低く、得られる結果の信頼性も低いと述べていますが、両者によって得られるデータは異なり、リサーチの目的に応じて使い分ける必要があるため不適切な選択肢です。
※純粋想起と助成想起は比較されるものではなく、別物であるということです。
製品の中に使用されている部品や素材などに付けられている名称もブランドであるため、不適切な選択肢です。
あまりにも有名なインテルのCPU(インテル入ってる)や、吸湿発熱・保温機能に優れたユニクロのヒートテック素材が挙げられます。
本問はナショナル・ブランド(NB)とプライベート・ブランド(PB)の記述として適切であり、正解の選択肢となります。
「NBメーカーがOEMの形でPBの製造などに関わっている場合は、その限りではない(売上げは減少しやすくなるわけではない)」という意味は、NBメーカーがOEMの形で(製造メーカーとして)PBの製造などに関わっているので、ナショナル・ブランド(NB)の売上減少を製造メーカーとしての売上で補うことができるということです。
【補足】
大手小売業などの流通業者は、ナショナル・ブランド(NB)企業の製造ラインを使用させてもらってプライベート・ブランド(PB)製品を作っています。
NB企業の製造ラインを使用することで、流通業者は自前の製造ラインを持つ必要がなく設備投資にかける費用が浮くため、PB製品の価格を安くすることができます。
NB企業にとっても自前の製造ラインの稼働率を高く維持することができるため、両者にとってWin-Winの関係となります。
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03
ブランドに関する問題です。
メーカー側にはブランドの認知度や信頼性を高めるというメリットがあります。
そのため、誤った選択肢です。
自社ブランドを競合ブランドから差別化することも、ブランドのポジショニングには含まれます。
そのため、誤った選択肢です。
問題文に記載されている2種類の調査は目的が異なっており、どちらも精度や信頼性が低いわけではありません。
そのため、誤った選択肢です。
製品の中に使用されている部品や素材などに付けられた名称はブランドです。
そのため、誤った選択肢です。
ナショナル・ブランド(NB)とプライベート・ブランド(PB)の説明となっています。
そのため、正しい選択肢です。
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