中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問84 (運営管理 問2)
問題文
需要が安定せず、加工方法が多様な寿命の短い製品の多種少量生産に関する記述として、最も適切なものはどれか。
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問題
中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問84(運営管理 問2) (訂正依頼・報告はこちら)
需要が安定せず、加工方法が多様な寿命の短い製品の多種少量生産に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 加工品の流れが一定ではないので、製品別レイアウトを導入する。
- 需要の動向にあわせて頻繁に生産計画を変更することが必要なので、MRPを導入する。
- 需要変動に対し、生産量を変動させるのではなく、完成品在庫をもって対応する。
- スループットタイムを短くし、コストダウンを図るために、専用ラインを導入する。
- 部品の共通化や標準化などにより、製品や加工順序の多様性を吸収する。
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この過去問の解説 (2件)
01
多種少々生産に適した生産方式や生産形態を選択する問題です。
各選択肢をそれぞれ解説します。
製品別レイアウトは少品種多量生産で採用します。
加工品の流れが一定ではない製品に対しては、機能別レイアウトが適しています。
そのため本選択肢は不正解です。
MRPとは資材所要量計画のことで、生産計画を基に製品の製造に必要な部品や材料の量を決めることです。
頻繁に生産計画を変更するためのものではありません。
そのため本選択肢は不正解です。
完成品在庫で需要変動に対応することは間違いではありませんが、本問では寿命の短い製品という条件があります。
そのような製品の在庫を抱えると死蔵在庫となるリスクが発生します。
そのため本選択肢は不正解です。
専用ラインは製品別レイアウトをさらに特定の製品に特化したものです。
そのため多種少量生産には適していません。
そのため本選択肢は不正解です。
製品や加工順序の多様性も吸収できます。
また部品を共通化できていれば製品が終息したときに他の製品に流用できるので、寿命短い製品という弱みへの対策にもなります。
そのため本選択肢が正解です。
本問の製品を生産する上で適切な施策は、機能別レイアウトを採用して部品の共通化や標準化を可能な限り進めるということになります。
生産方式は一次試験、二次試験を通して重要な論点であるため、用語だけではなくその特徴や活用の仕方も学習しておきましょう。
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02
多種少量生産に関する問題です。
加工の流れが一定ではない場合は、機能別レイアウトを導入するため不適切な選択肢です。
MRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)は、必要な資材を、適切な量、適切なタイミングで調達する計画をいいます。
製品の生産計画量、構成部品表、構成部品の在庫量をもとにMRPを策定します。
以上から、MRPはきちんと計画を立てるものであることが分かるため、本問のように需要が安定せず、寿命の短い製品には不向きであるため不適切な選択肢です。
需要が安定せず、寿命の短い製品に完成品在庫をもって対応する場合、完成品在庫がすぐに無くなってしまったり、完成品在庫が無くなる前に製品の寿命を迎える可能性があるため不適切な選択肢です。
なお、需要が安定しない製品に完成品在庫で対応することは間違いではありませんので、正解の選択肢と本選択肢の2択には絞り込みたいところです。
専用ラインを導入するということは、それ相当の設備投資を行なうことが想像されます。
需要が安定せず、寿命の短い製品に専用ラインを導入すると投資費用を回収できないおそれがあるため、不適切な選択肢です。
なお、スループットタイムとは「材料が納品されてから製品になるまでの時間」をいいます。
多種少量生産の製品に対しては部品の共通化や標準化などが有効であるため、正解の選択肢となります。(他の製品に部品を転用できるため、部品が死蔵化するリスクを軽減できます)
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