中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問177 (中小企業経営・中小企業政策 問8)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問177(中小企業経営・中小企業政策 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

2021年末時点の金融機関別中小企業向け総貸出残高を、2016年末時点と比較した記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
なお、金融機関別中小企業向け総貸出残高は、日本銀行「金融経済統計月報」他より中小企業庁調べに基づくものとする。

a  中小企業向け総貸出残高は約2割増加している。
b  中小企業向け総貸出残高に占める政府系金融機関等貸出残高の割合は減少している。
  • a:正  b:正
  • a:正  b:誤
  • a:誤  b:正
  • a:誤  b:誤

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

aについて

「中小企業向け総貸出残高は約2割増加している」という記述ですが、新型コロナウイルス感染症の影響による金融支援策(無利子・無担保融資など)の実施により、中小企業向けの貸出残高は大幅に増加したことが確認されています。したがって、この記述は正しいと考えられます。

 

bについて

「中小企業向け総貸出残高に占める政府系金融機関等貸出残高の割合は減少している」という記述ですが、新型コロナ対応として日本政策金融公庫や商工中金などの政府系金融機関が積極的に融資を行ったため、むしろ割合は増加しています。そのため、この記述は誤りです。

 

2016年末から2021年末にかけて中小企業向け貸出残高は約19.4%増加してます。​

特に、2020年には新型コロナウイルス感染症の影響により、政府系金融機関や民間金融機関による中小企業向けの融資が大幅に増加しました。​

これにより、2020年の前年比増加率は8.4%と大きな伸びを示しています。​

また、政府系金融機関等の貸出残高の割合については、同期間中に増加傾向が見られます。

これは、コロナ禍における中小企業支援策として、政府系金融機関が積極的に融資を行ったことが主な要因と考えられます。

 

選択肢1. a:正  b:正

【誤】

選択肢2. a:正  b:誤

【正】

選択肢3. a:誤  b:正

【誤】

選択肢4. a:誤  b:誤

【誤】

参考になった数1

02

日本銀行「金融経済統計月報」他より、金融機関別中小企業向け総貸出残高を問う問題です。2016年末時点と2021年末時点との比較が問われています。

 

本問は、2022年度版中小企業白書 付属統計資料14表「金融機関別中小企業向け貸出残高」(Ⅲ-49ページ)からの出題です。

以下に、14表を示します。(表は2つあり、2016年は左上、2021年は右下となります)

以下、誤りの解答群のみ解説します。

 

b.中小企業向け総貸出残高に占める政府系金融機関等貸出残高の割合は減少している。

2016年末時点で中小企業向け総貸出残高268.2兆円に占める政府系金融機関等貸出残高は21.4兆円で、割合は約8.0%。

2021年末時点で中小企業向け総貸出残高323.6兆円に占める政府系金融機関等貸出残高は30.0兆円で、割合は約9.3%と増加しています。

 

※「解説のまとめ」を含めて、小数点第2位を四捨五入しています。

選択肢1. a:正  b:正

冒頭の解説より、「a:正、b:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. a:正  b:誤

冒頭の解説より、「a:正、b:誤」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

選択肢3. a:誤  b:正

冒頭の解説より、「a:、b:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢4. a:誤  b:誤

冒頭の解説より、「a:、b:誤」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

解答群a.中小企業向け総貸出残高は約2割増加している。

中小企業向け総貸出残高は2016年末時点で268.2兆円、2021年末時点で323.6兆円と、約20.7%増加しています。

 

本問については2016年末時点と2021年末時点との比較が問われており、新型コロナの感染拡大期を含んでいることから中小企業向け総貸出残高は増加している(したがって、解答群bは誤り)という想像はできますが、金融機関で実務に携わっている人以外では解答群aへの対応は難しかったのではないかと思われます。

参考になった数0

03

中小企業向け総貸出残高に関する問題です。

 

2021年末時点は、コロナ禍での景気減速懸念への対応として企業へゼロゼロ融資などを積極的に行っていました。

よって

a:中小企業向け総貸出残高は増加しています。

b:政府系金融機関等が積極的に支援していたので、中小企業向け総貸出残高に占める政府系金融機関等貸出残高の割合は増加しました。

参考になった数0