中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問24 (経済学・経済政策 問21)

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問題

中小企業診断士試験 令和6年度(2024年) 問24(経済学・経済政策 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

下図は、課税と給付を組み合わせた負の所得税の効果を考えるため、縦軸に可処分所得、横軸に当初所得を測り、45度線の直線ODを描いている。また、可処分所得(Yd)を示した直線ACは、
Yd=Y(1-t)+A
で定義され、Yは当初所得、tは比例税率、Aは定額給付を表している。
この図に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

a  当初所得がOからY2に増大するに従って、個人の純給付額は増加する。
b  当初所得がOからY1に増大すると、個人の可処分所得は増加する。
c  当初所得がY1のとき、当初所得と可処分所得の金額は等しくなる。
d  当初所得がY3のとき、追加的な所得に対して税が課されている。
問題文の画像
  • aとb
  • aとc
  • aとd
  • bとc
  • bとd

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この過去問の解説 (2件)

01

負の所得税について図を分析する問題です。

各選択肢をそれぞれ解説します。

 

a

給付額は45度線とACの差となります。

そのため給付額はOからy2へと当初所得が増加するに従って減少するので、本選択肢は誤っています。

 

b

選択肢のように可処分所得は増加しているため、本選択肢は正しいです。

 

c

y1のときには当初所得と可処分所得に差があるため、本選択肢は誤っています。

 

d

税が課されているため当初所得と可処分所得に差が生じているので、本選択肢は正しいです。

 

正しい選択肢の組み合わせは、 bとd です。

選択肢1. aとb

本選択肢は不正解です。

選択肢2. aとc

本選択肢は不正解です。

選択肢3. aとd

本選択肢は不正解です。

選択肢4. bとc

本選択肢は不正解です。

選択肢5. bとd

本選択肢が正解です。

まとめ

負の所得税とは見慣れない論点だったかもしれません。

財政学で論じられている社会保障政策の一つでした。

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02

負の所得税の効果に関する問題です。以下、誤りの解答群のみ解説します。

 

a.当初所得がOからY2に増大するに従って、個人の純給付額は増加する。

→当初所得がOからY2に増大するに従って、個人の純給付額は減少します。

 

純給付額」は、当初所得-可処分所得の差分となります。

直線ODの傾きより、直線ACの傾きのほうが緩やかであるため、当初所得の増大(横軸)>可処分所得の増大(縦軸)となるためです。

(当初所得、可処分所得いずれも増大していますが、可処分所得の増大が小さいため純給付額は減少してしまいます)

c.当初所得がY1のとき、当初所得と可処分所得の金額は等しくなる。

→当初所得がY2のとき、当初所得と可処分所得の金額は等しくなります。

 

グラフでも一目瞭然であるため、解答群cは排除して選択肢を絞り込みたいところです。

その他、解答群bもグラフですぐ正誤判断できます。

選択肢1. aとb

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせはbとdであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. aとc

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせはbdであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. aとd

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせはbとdであるため不適切な選択肢です。

選択肢4. bとc

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせはbとdであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. bとd

冒頭の解説より、最も適切な組み合わせはbとdであるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

「負の所得税」とは、一定以上の収入がある人は一定以上の収入部分に課税され、一定以下の収入しかない人には不足している収入部分に給付されるというものです。

 

本問のグラフでいえば、当初所得Y2の人は課税も給付もされない一定の収入レベルで、当初所得Y2より少ない収入の人は給付を受け、当初所得Y2より多い収入の人が課税されます。

 

「負の所得税」とは、いかにも学者が考えそうな小難しいネーミングですが、ロジックはシンプルです。

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