中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問71 (企業経営理論 問21)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和6年度(2024年) 問71(企業経営理論 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

組織間関係や組織間ネットワークに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 「埋め込まれた紐帯」では機会主義的行動が生じやすいため、組織間ネットワークにおける「埋め込まれた紐帯」の比率を減らすことが望ましい。
  • 「埋め込まれた紐帯」で結ばれた組織間ネットワークでは、暗黙的な知識の移転が促進されやすい。
  • 「弱い紐帯の強み」を最大限享受しようとすれば、関係を取り結ぶ組織を絞り込み、弱い紐帯を強い紐帯に転換することが不可欠である。
  • 組織にとって新奇性の高い知識をより獲得するためには、これまでに築いてきた組織との紐帯をいっそう強めることが望ましい。
  • 他の組織からの影響を極力排除するためには、「埋め込まれた紐帯」のみによって構成される組織間ネットワークを構築することが望ましい。

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この過去問の解説 (1件)

01

組織間関係や組織間ネットワークに関する問題です。

 

各選択肢で問われている用語の解説は、以下のとおりです。

 

・「靭帯」

組織的なつながりを意味します。

 

・「弱い紐帯」

組織的なつながりが弱い(緩い)ということであり、組織の中ではなく、組織の外にいる人や、組織の中の人と間接的につながっている人というイメージです。イノベーションは、組織の外にいる人からもたらされやすいという文脈で用いられます(組織のしがらみにとらわれない、多様で柔軟な発想ができるため)。

 

・「埋め込まれた紐帯」

組織的なつながりが構築されている(ビルトインされている)関係という意味です。

選択肢1. 「埋め込まれた紐帯」では機会主義的行動が生じやすいため、組織間ネットワークにおける「埋め込まれた紐帯」の比率を減らすことが望ましい。

冒頭の解説より、「埋め込まれた紐帯」では組織的なつながりが構築されており、信頼関係が醸成されていると考えられます。そのため、機会主義的行動が生じにくく、組織間ネットワークにおける「埋め込まれた紐帯」の比率を増やすことが望ましいです。

 

したがって、不適切な選択肢です。

 

なお、機会主義的行動とは、相手のことを考えず自分に都合のよい(自己中心的な)ことだけで行動することをいいます。

選択肢2. 「埋め込まれた紐帯」で結ばれた組織間ネットワークでは、暗黙的な知識の移転が促進されやすい。

「埋め込まれた紐帯」で結ばれた組織間ネットワークでは暗黙的な知識の移転が促進されやすいことは、組織間関係や組織間ネットワークに関する記述として適切です。

 

したがって、正解の選択肢となります。

選択肢3. 「弱い紐帯の強み」を最大限享受しようとすれば、関係を取り結ぶ組織を絞り込み、弱い紐帯を強い紐帯に転換することが不可欠である。

冒頭の解説より、「弱い紐帯」では組織のしがらみにとらわれない多様で柔軟な発想ができるため、その強みを最大限享受しようとすれば、関係を取り結ぶ組織を絞り込まないことが不可欠です。

 

また、弱い紐帯を強い紐帯に転換することが適切とはいえません。したがって、不適切な選択肢です。

選択肢4. 組織にとって新奇性の高い知識をより獲得するためには、これまでに築いてきた組織との紐帯をいっそう強めることが望ましい。

冒頭の解説より、イノベーションは組織の外にいる人からもたらされやすいため、組織にとって新奇性の高い知識(=イノベーションのもと)をより獲得するためには、これまでに築いてきた組織との紐帯をいっそう弱める(緩める)ことが望ましいです。

 

したがって、不適切な選択肢です。

選択肢5. 他の組織からの影響を極力排除するためには、「埋め込まれた紐帯」のみによって構成される組織間ネットワークを構築することが望ましい。

他の組織からの影響を極力排除するためには、「弱い紐帯」によって構成される組織間ネットワークを構築することが望ましいです。

 

「埋め込まれた紐帯」のみによって構成される組織間ネットワークは信頼関係が強いため、同調性が高まり「有能性のわな」に陥る可能性が高まります。普段から組織の外にいる人たちとも交流して様々な価値観にさらされている方が、他の組織に対する耐性が高まると思われます。したがって、不適切な選択肢です。

 

また、本選択肢では「~のみによって」という制約的な表現が用いられており、この表現に違和感を感じて排除することができれば望ましいです。(100%断定表現や制約的な表現は、一般的には誤りの選択肢である可能性が高いです)

まとめ

【補足】

 

「有能性のわな」とは、現状に満足してしまって変化を起こすことを避けるようになる、という心理状態を意味します。有能性のわなが生じている組織には危機感が欠如しており、外部環境への関心が薄れて変化に対する対応能力が低下します。

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