中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問73 (企業経営理論 問23)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和6年度(2024年) 問73(企業経営理論 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

組織のライフサイクル仮説によれば、組織は発展段階に応じて直面する課題が異なる。組織のライフサイクルを起業者段階、共同体段階、公式化段階、精巧化段階に分けて考えるとき、それぞれの段階に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
  • 起業者段階では、起業家の創造性や革新性が重視されるとともに外部からの資源獲得が優先されるが、組織の成長とともに経営管理を実行できるリーダーシップが求められるようになる。
  • 共同体段階では、組織メンバーの凝集性の向上を図るべくトップはリーダーシップを発揮するが、トップダウンによって部下のモラールダウンが生じないようにトップは権限委譲を進めることが求められる。
  • 公式化段階では、さまざまな規則や手続きが導入され、公式的な調整によって安定性や効率性が追求されるようになるが、組織構造が複雑化するにつれて官僚制の逆機能が顕著に生じるようになる。
  • 精巧化段階では、安定性や効率性を省みず公式的な構造を解体するとともに、新たな成長機会を自ら発見するリーダーシップの発揮が課題となる。

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この過去問の解説 (1件)

01

組織のライフサイクル仮説に関する問題です。

 

なお、本問では最も「不適切」な選択肢を選ぶ設定になっていることに注意してください。

 

組織のライフサイクル仮説の各段階の説明は、以下のとおりです。

 

・起業者段階

外部から資源を獲得して企業を存続させるため、起業家の創造性や革新性が重視される。経営管理は後回しにされる

 

・共同体段階

組織規模が拡大するため、起業家から組織構成員への権限委譲を進めていく(役割分担)ことが課題

 

・公式化段階

規則や手続きが導入されて効率性が追求されるようになる。一方で官僚制の逆機能が見られるようになる

 

・精巧化段階

公式化段階の効率性は維持しつつ、一部の規則や手続きを改めるなど柔軟な組織運営が求められる(そのために、プロジェクトチームなどが編成されることがある)

選択肢1. 起業者段階では、起業家の創造性や革新性が重視されるとともに外部からの資源獲得が優先されるが、組織の成長とともに経営管理を実行できるリーダーシップが求められるようになる。

起業家の創造性や革新性が重視されるとともに外部からの資源獲得が優先されるが、組織の成長とともに経営管理を実行できるリーダーシップが求められるようになることは、起業者段階の説明として適切です。

 

したがって、本問では不適切な選択肢です。

選択肢2. 共同体段階では、組織メンバーの凝集性の向上を図るべくトップはリーダーシップを発揮するが、トップダウンによって部下のモラールダウンが生じないようにトップは権限委譲を進めることが求められる。

組織メンバーの凝集性の向上を図るべくトップはリーダーシップを発揮するが、トップダウンによって部下のモラールダウンが生じないようにトップは権限委譲を進めることが求められることは、共同体段階の説明として適切です。

 

したがって、本問では不適切な選択肢です。

選択肢3. 公式化段階では、さまざまな規則や手続きが導入され、公式的な調整によって安定性や効率性が追求されるようになるが、組織構造が複雑化するにつれて官僚制の逆機能が顕著に生じるようになる。

さまざまな規則や手続きが導入され、公式的な調整によって安定性や効率性が追求されるようになるが、組織構造が複雑化するにつれて官僚制の逆機能が顕著に生じるようになることは、公式化段階の説明として適切です。

 

したがって、本問では不適切な選択肢です。

選択肢4. 精巧化段階では、安定性や効率性を省みず公式的な構造を解体するとともに、新たな成長機会を自ら発見するリーダーシップの発揮が課題となる。

精巧化段階では、公式的な構造を解体するとともに、新たな成長機会を自ら発見するリーダーシップの発揮が課題となりますが、安定性や効率性を省みないわけではありません

 

したがって、不適切な記述であり正解の選択肢となります。

 

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