技術士の過去問
平成27年度(2015年)
基礎科目「解析に関するもの」 問18

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問題

技術士 第一次試験 平成27年度(2015年) 基礎科目「解析に関するもの」 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

下図に示すように、長さがlのはり1の左端を完全に固定し、自由端面において鉛直下方に荷重Pを負荷した。はり1の断面幅と断面高さはともにl/4である。同様に、長さがaのはり2の左端を完全に固定し、自由端面において鉛直下方にはり1と同一の荷重Pを負荷した。はり2の断面幅はl/32、断面高さはdである。はり1とはり2の自由端面に生じる鉛直方向のたわみが等しいとき、aとdが満たしている条件式として正しいものはどれか。
ただし、はり1とはり2は、同じヤング率Eを持つ等方性線形弾性体であり、はりの断面は荷重を負荷した前後で平面を保ち、断面形状は変わらず、はりに生じるせん断変形、及び自重は無視する。
問題文の画像
  • a×d=0.5
  • a×d=2.5
  • a/d=0.5
  • a/d=2.0
  • a/d=2.5

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この過去問の解説 (3件)

01

梁の構造計算に関する問題です。

片持ち梁の先端のたわみは、以下の式で表されます。
δA = Pl³ / 3EI ・・・①
 δA:先端Aにおけるたわみ
 P:荷重、l:梁の長さ、E:ヤング率
 I:断面二次モーメント

また、長方形の断面二次モーメントは以下の式で表されます。
I = bh³/12 ・・・②
 b:長方形の幅、h:長方形の高さ

上記の式を用いて、各梁のたわみを求めます。

はり1における断面二次モーメントをI₁、はり2における断面二次モーメントをI₂とおくと、
①式より、
δ₁ = Pl³ / 3EI₁
δ₂ = Pa³ / 3EI₂

ここで、はり1、2におけるたわみは等しいので、
δ₁ = δ₂
Pl³ / 3EI₁ = Pa³ / 3EI₂
l³ / I₁ = a³ / I₂ ・・・③

また、②式より、
I₁ = {l/4 × (l/4)³ /12} = l⁴ / 12×256
I₂ = l/32 × d³ /12 = ld³ / 32×12

③式に代入して、
l³ / (l⁴ / 12×256) = a³ / (ld³ / 32×12)
8/l = a³ / ld³
8 = a³ / d³
a/d = 2

よって、4が正解です。

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02

正解は4です。
はり1に生じるたわみをδ1、はり2に生じるたわみをδ2、
はり1の断面二次モーメントをI1、はり2の断面二次モーメントをI2とすると、
δ1、δ2は以下のようになります。
※以下の数式では、aのb乗をa^bと表現しています。

δ1 = Pl^3 / 3EI1
δ2 = Pa^3 / 3EI2

はり1、はり2に生じるたわみが等しいので、
Pl^3 / 3EI1 = Pa^3 / 3EI2
式を変形すると、 a^3 = l^3 × I2 / I1 …①

断面二次モーメントI1、I2をもとめると、
I1 = (l/4)^4 / 12
I2 = d^3 × (l/32) / 12

I2/I1 をもとめると、
I2/I1 = 8 × d^3 / l^3

これを①に代入して、整理すると、
a^3 / d ^3 = 8
8は2の3乗なので、(a/ d) ^3 = 2^3

したがって、a/d = 2 となるので、4が正解です。

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03

鉛直方向のたわみは、以下の式で表すことができます。

荷重x (はりの長さ)^3 / 3 x ヤング率 x断面2次モーメント

また、断面2次モーメントは、

(断面の幅) x (断面の高さ)^3 / 12 で表すことができます。

以上より、はり1のたわみδ1は、

δ1 = P x l^3 / (3 x E x l/4 x (l/4)^3 / 12) = P x 4^5 /El

はり2のたわみδ2は、

δ2 = P x a^3 / (3 x E x l/32 x d^3 / 12) = 2 x P x 4^3 x a^3 / El x d^3

ここで、δ1 = δ2なので、

P x 4^5 /El = 2 x P x 4^3 x a^3 / El x d^3

これを変形すると、a^3 / d^3 = 8 より a / d = 2

よって、正解は4となります。

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