技術士の過去問
平成28年度(2016年)
基礎科目「設計・計画に関するもの」 問6

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問題

技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 基礎科目「設計・計画に関するもの」 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

エンジニアリングデザインの原理・原則を下記に示した。それぞれの正誤の組合せとして、最も適切なものはどれか。

ア  エンジニアリングデザインは調和することによって成立する。
イ  エンジニアリングデザインは複雑をもって最善とする。
ウ  システムが困難化、巨大化するときは分割する。
工  各機能の独立性が低いほど、良いシステムである。
オ  システムには、概ねばらつきがある。
  • ア:正  イ:誤  ウ:正  エ:誤  オ:正
  • ア:誤  イ:正  ウ:正  エ:正  オ:正
  • ア:誤  イ:正  ウ:正  エ:誤  オ:誤
  • ア:正  イ:正  ウ:誤  エ:正  オ:正
  • ア:誤  イ:誤  ウ:誤  エ:正  オ:誤

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この過去問の解説 (4件)

01

エンジニアリングデザインに関する正誤問題です。

エンジニアリングデザインは、ワシントン協定において定義されています。

ア:正
様々な要因による条件の中で設計を行う必要があり、調和が必要です。

イ:誤
製造可能性、持続可能性が求められており、複雑であることよりも単純であることが必要です。

ウ:正
イと同様に、システムは単純であることが求められます。
分割する際には、機能ごとに分割したりすることで、分かりやすくすることが重要です。

エ:誤
独立性を高めることにより、経済性や持続可能性を高めることができることから、誤りです。

オ:正
システムにはばらつきがあることを理解し、システムを構築していくことが求められます。

よって、各選択肢の解答は、
ア:正 イ:誤 ウ:正 エ:誤 オ:正
となることから、1が正解です。

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02

正解は1です。
エンジニアリングデザインは、ワシントン協定で以下の様に定められています。
「エンジニアリングデザインとは、数学、基礎科学、
エンジニアリング・サイエンス(数学と基礎科学の上に築かれた応用のための
科学とテクノロジーの知識体系)、および人文社会科学等の学習成果を集約し、
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、
持続可能性などの現実的な条件の範囲内で、ニーズに合ったシステム、
エレメント(コンポーネント)、方法を開発する創造的で、たびたび反復的で、オープンエンドなプロセスである。」
この定義から各選択肢の正誤を求めると、以下の通りになります。
ア:正しい表現です。
複数の学習成果を集約し、様々な要因に適応した設計のために調和が必要です。
イ:誤った表現です。
複雑さは、経済性や健康と安全、ニーズに合った開発を妨げるため、
簡潔さが求められます。
ウ:正しい表現です。
簡潔さを実現するためにシステムを分割して、シンプルなエレメントを作成し、
様々な要因に適応するように進める必要があります。
エ:誤った表現です。
独立性が低い場合、経済性や健康と安全、製造の持続可能性が損なわれます。
オ:正しい表現です。
ニーズにあった開発を行うので、いつも一定の仕様に従ったシステムが出来る
訳ではなく、ある程度のばらつきがあります。
したがって、ア:正 イ:誤 ウ:正 エ:誤 オ:正
となるので、1が正解です。

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03

正解は1です。

「エンジニアリングデザイン」については頻出で、確実に点数が取れる問題が多いのでぜひ理解しておきましょう。

1:正しい

調和というのは全体のつり合いが取れているということです。

2:誤り

複雑でいいことは何もありません。シンプルさが求められます。

3:正しい

上記1・2に関連して、分割できるときは分割できるのが良いとされます。

4:誤り

上記1・2・3に関連して、独立性が高いほど、切り離したり追加したりが容易なので良いシステムといえます。

5:正しい

ばらつきがあることを前提に補正できるようにすることが必要です。

要するに小さなパーツを組み合わせて、大きなシステムを作ります。それぞれのパーツが独立していたほうが流用がきいたりメンテナンスがしやすいよ、ということです。

厳密な定義は以下ですが、問題を解くうえではややこしくなるだけなので参考程度にとどめておいてください。

エンジニアリングデザインとは

数学、基礎科学、エンジニアリング・サイエンス(数学と基礎科学の上に築かれた応用のための科学とテクノジーの知識体系)および人文社会科学等の学習成果を集約し、

経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性などの現実的な条件の範囲内で、ニーズに合ったシステム、エレメント(コンポーネント)、方法を開発する、創造的、反復的で、オープンエンドなプロセスである。

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04

エンジニアリングデザインに関する正誤問題です。

エンジニアリングデザインとは、単に形状を設計するだけではなく、製品やサービスなどの要求されるアウトプットに関する、コスト、安全性、環境への配慮、倫理、作りやすさ、持続性を包括した開発に関する用語です。

ア:正しいです 

  製品の要求される条件を満たすためには、トレードオフ(ある要件を過剰に満たすと、別の要件が成立しなくなる)が存在するため、これらのを満たすための最適解として調和という概念が必要です。

イ:誤りです

  設計思想など、シンプルであることが望ましく、複雑になると、誰でも扱えない。間違いやすいといったデメリットがあります。

ウ:正しいです

  システムは巨大化するほど、困難になります。分割することで、問題があったときの原因の特定が容易になったり、設計変更が容易になったりします。 

エ:誤りです

  各機能に独立性をもたせ、各機能がなるべく影響しないシステムを構築することで、柔軟なデザインの対応がしやすくなり、良いシステムと言えることができます。 

オ:正しいです

  製品仕様や方法に関してある程度ばらつきを考慮したシステムの構築が必要です。 

   

したがって、1が正解になります。

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