技術士の過去問 平成30年度(2018年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問21
この過去問の解説 (4件)
1.不適切です
腐食とは、化学・生物的作用により、溶けたり錆を生成する現象をいいます。
2.不適切です
腐食は周囲の環境と化学反応を起こし生じることから、均一に生じるとは限りません。
3.適切です
アルミニウムは、表面にアルミニウムと酸素が結合した酸化物被膜で覆われているため、酸化しにくいです。
4.不適切です
ニッケルを8%以上含有させた合金鋼のことを言います。
5.不適切です
腐食の速度は、材料の使用環境温度にも依存します。
よって、3が正解です。
金属材料の腐食に関する基本的な知識を問う問題です。
1.不適切です。
腐食とは、金属イオンが酸化物に置き換わる化学的作用によって金属材料が劣化、損傷する作用です。
2.不適切です。
1.の解説より、腐食は化学的作用によるもののため、均一に生じるのでは無く、反応しやすい部分から生じていきます。
3.適切です。
不動態とは金属表面の腐食作用に抗うための酸化皮膜を形成している状態のことで、アルミニウムは不動態になりやすい金属です。そのほかに不動態になりやすい金属として、クロム、チタン等が挙げられます。
4.不適切です。
ステンレス鋼における組織の割合として、ニッケルの含まれるオーステナイト系ステンレス鋼はニッケルの割合が8%以上で合金鋼と呼ばれます。また、クロムのみ含有しているマルテンサイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼も存在します。
5.不適切です。
腐食速度は材料の使用環境温度により変化します。
1.不適切です。
腐食とは、化学や生物的な作用によって物体の外見や機能が損なわれる状態のことを指します。力学的作用ではありません。
2.不適切です。
腐食の進行度合いは材料を取り巻く環境によって作用されますが、その環境は全ての箇所で均一ではありません。
3.適切です。
アルミニウムは、酸素との化学親和性が強く、空気中にアルミニウムを放置するだけでもアルミニウムの表面には10Å程度の薄い酸化被膜ができます。これが腐食の進行を防止する不働態化に影響します。
4.不適切です。
鉄にニッケルを8%以上含有させた合金鋼が耐食性の良いステンレス鋼と定義されます。
5.不適切です。
腐食の速度は、材料の使用環境温度にも依存します。
金属材料の腐食に関する問題です。
1.不適切です。
腐食とは、化学的・生物学的な作用により生じる劣化や損傷のことをいいます。
そのため、力学的な作用という記述は不適切です。
2.不適切です。
ごく稀に、全面腐食と言われる、強い酸で腐食するときなどに見られる比較的均一な腐食面となる場合がありますが、腐食は周囲環境により生じることから、均一に生じるとは限りません。
3.適切です
アルミニウムは、表面にアルミニウムと酸素が結合した酸化物被膜で覆われ、不動態化するため酸化しにくいです。
4.不適切です
耐食性のよいステンレス鋼とは、ニッケルを8%以上含有させた合金鋼のことを言います。
5.不適切です
腐食の速度は、材料の使用環境温度にも依存します。
よって正解は3です。
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