技術士の過去問
平成30年度(2018年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問22
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問題
技術士 第一次試験 平成30年度(2018年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
金属の変形や破壊に関する次の( A )~( D )の記述の、( )に入る語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。
( A )金属の塑性は、( ア )が存在するために原子の移動が比較的容易で、また、移動後も結合が切れないことによるものである。
( B )結晶粒径が( イ )なるほど、金属の降伏応力は大きくなる。
( C )多くの金属は室温下では変形が進むにつれて格子欠陥が増加し、( ウ )する。
( D )疲労破壊とは、( エ )によって引き起こされる破壊のことである。
( A )金属の塑性は、( ア )が存在するために原子の移動が比較的容易で、また、移動後も結合が切れないことによるものである。
( B )結晶粒径が( イ )なるほど、金属の降伏応力は大きくなる。
( C )多くの金属は室温下では変形が進むにつれて格子欠陥が増加し、( ウ )する。
( D )疲労破壊とは、( エ )によって引き起こされる破壊のことである。
- ( ア )自由電子 ( イ )小さく ( ウ )加工軟化 ( エ )繰返し負荷
- ( ア )自由電子 ( イ )小さく ( ウ )加工硬化 ( エ )繰返し負荷
- ( ア )自由電子 ( イ )大きく ( ウ )加工軟化 ( エ )経年腐食
- ( ア )同位体 ( イ )大きく ( ウ )加工硬化 ( エ )経年腐食
- ( ア )同位体 ( イ )小さく ( ウ )加工軟化 ( エ )繰返し負荷
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この過去問の解説 (4件)
01
金属の変形や破壊に関する穴埋め問題です。
( A )金属の塑性は、( (ア)自由電子 )が存在するために原子の移動が比較的容易で、また、移動後も結合が切れないことによるものである。
解説:自由電子が存在することで、外力を受けた際にも電子移動の制限が低くなり、ブッセいる全体の電子分状態が変わりません。そのため、金属特有の塑性が生まれます。
( B )結晶粒径が( (イ)小さく )なるほど、金属の降伏応力は大きくなる。
解説:金属は結晶が多数集まった多結晶材料であり、結晶粒径が小さくなるほど結晶の密度が多くなるため、転位が抑制され強度が向上します。
( C )多くの金属は室温下では変形が進むにつれて格子欠陥が増加し、( (ウ)加工硬化 )する。
解説:加工硬化は、塑性変形を加えることで生じるもので、室温下であっても生じます。また、加工軟化に関しては、加工硬化した金属に焼きなましを行うことで生じる現象であり、室温下では生じません。
( D )疲労破壊とは、( (エ)繰り返し負荷 )によって引き起こされる破壊のことである。
解説:小さい応力が繰り返し与えられた場合に、亀裂が徐々に発展し、負荷能力を失う現象です。この現象は、負荷条件及び金属材料の種類に依存します。
よって正解は2です。
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02
金属の変形や破壊に関する問題です。
(A)(ア)「自由電子」が正解です。
金属に力が加わっても、原子の動きとともに自由電子も動くことで、原子と原子の間の結合が切れることなく(壊れることなく)変形します。
(B)(イ)「小さく」が正解です。
無加工の多結晶金属については、降伏応力が結晶粒径の平方根の逆数に比例して増加するというHall-Petchの関係が知られています。
(c)(ウ)「加工硬化」が正解です。
加工硬化とは、金属に応力を加えて塑性変形(永続的な変形)をさせたとき、金属が硬くなる現象のことです。
(d)(エ)「繰り返し負荷」が正解です。
疲労破壊の指標となるS-N曲線は、縦軸に応力振幅、横軸に繰り返し負荷回数を示しており。材料と形状毎にその特性は異なります。曲線と交わらない応力振幅値が疲労破壊しにくい荷重としての目安になります。
したがって、(ア)「自由電子」(イ)「小さく」(ウ)「加工硬化」(エ)「繰り返し負荷」となり2が正解です。
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03
(A)金属の塑性は、「(ア)自由電子」が存在するために原子の移動が比較的容易で、また、移動後も結合が切れないことによるものである。
(B)結晶粒径が「(イ)小さく」なるほど、金属の降伏応力は大きくなる。
(C)多くの金属は室温下では変形が進むにつれて格子欠陥が増加し、「(ウ)加工硬化」する。
(D)疲労破壊とは、「(エ)繰り返し負荷」によって引き起こされる破壊のことである。
よって、(ア)自由電子、(イ)小さく、(ウ)加工硬化、(エ)繰り返し負荷、となるため、
2が正解です。
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04
金属の変形や破壊に関する問題です。
(A)(ア)「自由電子」が正解です。
金属結合は自由電子に由来しており、外から力が加わり原子の位置が多少ずれても結合が切れることはありません。
このように金属が変形することにより、金属の塑性が生じます。
(B)(イ)「小さく」が正解です。
結晶粒系が小さくなるほど、金属の降伏応力は大きくなります。
この関係をホール・ペッチの関係といいます。
(c)(ウ)「加工硬化」が正解です。
金属に応力を加えて塑性変形させたとき、変形が進むにつれ金属が硬くなる現象が生じます。
これが加工硬化といいます。
(d)(エ)「繰り返し負荷」が正解です。
疲労破壊とは「繰り返し負荷」によって生じる破壊のことをいいます。
したがって、(ア)「自由電子」(イ)「小さく」(ウ)「加工硬化」(エ)「繰り返し負荷」となり正解は2です。
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